BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

読書レビュー

わたしの話は、長い。「悪文」を読んでテコ入れ中

昨年末あたりからどうもブログの文章が長くなりがちで、平気で3000~4000文字になってしまっていた。中身が充実していればそれでも全然いいと思うのだけど、わたしにその技量は今のところない。 自分のブログの適正文章量は「1500~2000文字」くらいと考えて…

空想ひろがる"架空の仕事人"インタビュー集「じつは、わたくしこういうものです」レビュー

最近は、自分の新たな一面づくりに精を出す日々です。(昨年末にブログ書いてたらそんな気持ちになったんです。)この一面を前に出していきたいから、そうするとこれはやったほうがいいな。逆に今までやってたあれは不要だから、習慣から外そう。とか組み合…

感情が理解を追い越していくー「最高の任務(乗代雄介著)」を読んで

乗代雄介著「最高の任務」を読んだ感情を話していく。 誤字ではない。今日書くのは「感想」に満たない「感情」となる。 終盤にかけて涙が止まらなくなり、嗚咽しながらなんとか読み終えた。帰ってきた家族のどん引きした顔。時間をおいて読み直しても変わら…

前に進みたいがために書き出す、進めないことを確認する作業-生き方の問題(乗代雄介著)感想

乗代雄介著「最高の任務」を読み終えた。2つの中編からなる本で、今日は1つ目の「生き方の問題」について話をしていく。 最高の任務 (講談社文庫) 作者:乗代雄介 講談社 Amazon 過去には「十七八より」、「本物の読書家」を読み、それぞれにうまく言葉にで…

言葉を選び、考え、積み上げる。自らを建築する主人公ー東京都同情塔(九段理江著)レビュー

九段理江著「東京都同情塔」を読んだ。言わずと知れた第170回芥川賞受賞作、やっぱり気になって手に取った。 自分を建築するために、言葉を選び、考え、積み上げる。主人公のストイックなあがきと苦しみに魅せられた。少し先の未来の悩みは、こんな感じかも…

2024年に取り組む難解本『IMONを創る』再レビュー(いがらしみきお著「IMONを創る」感想)

前回よく分からずじまいだった「IMONを創る」を通読したら全体観がつかめた気がするので、再レビューします。 わたしときたら年が明けてからIMON、IMON…とうわ言のように繰り返し話すので、家族からうるさい!とIMON禁止令が出てしまいました。なのでここで…

ビジュアリストの読書観。「言葉を離れる(横尾忠則著)」レビュー

えらい時間のかかった読書でした。1ヶ月くらい一緒に過ごしてたかも。多少ムキになって読んでいた感はあります。 言葉を信用しない、ビジュアリストの読書観。文章に埋もれることが幸せなわたしにとっては、物事の捉え方の違いをこれでもかと味わえた本でし…

ファミレスは人間交差点:和山やま「ファミレス行こ。上巻」レビュー

前回のカラオケ行こ!に続いて、続編の「ファミレス行こ。上」も読んだので感想を話していきます。 ファミレス行こ。 上 (ビームコミックス) 作者:和山 やま KADOKAWA Amazon 東京の大学に進学した聡実(さとみ)くんは、ファミレスでバイトをはじめました。…

ヤクザと中学生のカラオケ特訓物語―和山やま「カラオケ行こ!」マンガレビュー

この人のマンガは見かけると即買いしてしまう 和山やまのマンガ「ファミレスいこ。」を買ったので、まずは前作の「カラオケ行こ!」を再読しました。 カラオケ行こ! (ビームコミックス) 作者:和山 やま KADOKAWA Amazon カラオケ行こ!は、中学生で合唱部部…

世にも恐ろしい「ノミ」にまつわる小説。江國香織「ぬるい眠り」短編集より

はっきりとわかったことがある。世界は大きく二分できるのだ。ノミにさされた人間の世界と、ノミにさされていない人間の世界と。 江國香織著「ぬるい眠り」より引用 世にも恐ろしい「ノミ」にまつわる小説を読んだ。 短編集「ぬるい眠り」は、著者の江國香織…

わたしのブログは宇多丸流。「ザ・シネマハスラー」「ライムスター宇多丸の映画カウンセリング」より

気が付くと、またシネマハスラーを読んでいる。この本、わたしのブログの教科書なんです。 TAMAFLE BOOK 『ザ・シネマハスラー』 作者:宇多丸 白夜書房 Amazon ーー風の吹くまま、気の向くまま、何を観るかはサイの目次第 映画博徒の看板しょって、歩いてみ…

哲学×プログラミング…じゃない??「IMONを創る」第1部レビュー

2024年が明けましたね。今年もどうぞよろしくお願いいたします。新年早々の地震や事故で胸を痛めております。気をつけようもないことばかりで、どうしたらよいのでしょうか。今大変な思いをされているみなさんの平穏な日常が戻ることを祈るばかりです。 今日…

本棚を前に、小話の世界に浸るーこばなしけんたろう(小林賢太郎著)感想

下北沢に、両方の壁が全部本棚、というカフェがある。 真ん中に一本、レジに通じる道があって、両隣の本棚に向かい合うようにしてソファや椅子が置いてある。 本を読んだり、本棚をみたり、自分の作業をしたり、みんなそんなふうに黙々と過ごしているのが好…

2000年代のブログの世界に憧れている自分がいる(平安寿子「恋愛嫌い」を読んで)

2023年現在、ブログを始めたと伝えたときの反応ナンバーワンは「なんでブログ?オワコンじゃね?」である。今年何度言われたことか。まあ数人にしか言ってないし、繰り返し言ってくるのは家族なんだけど。 確かに、いまどこかに書いておきたいと思うなら断然…

あなたもわたしも「しょうがない人」(平安寿子著「しょうがない人」レビュー)

まったく、もう!と思いながらも、人は互いに許容しあって生きているんだった。 主人公を通していろんなタイプのしょうがない人を見ていくうちに、そんな考えが自然と湧いてきた。 今日は、平安寿子著「しょうがない人」をレビューする。 しょうがない人 (中…

主人公じゃないけど、この人がどうも気になる。「自転しながら公転する」感想③

山本文緒著「自転しながら公転する」のドラマ化まで1週間を切った! ドラマを楽しむためにレビューを重ねてて、今日で3回目。全5回の予定で進めている。なんとなく始まる前に整理したいから、スピードアップしないとな。できるだけさらっとやっていこう。 初…

生活をダウンサイジングする勇気。「自転しながら公転する」感想②

山本文緒著「自転しながら公転する」は、介護、老い、恋愛、仕事と多方面に悩む主人公の苦悩を描いた長編小説。前回は全体の内容について話したので、今回は主人公(都)の母親、桃枝に焦点を当てていく。 というのも、病気になって自分が別の人間になってし…

30〜40代、女の悩み詰め合わせ。「自転しながら公転する」レビュー。

山本文緒著「自転しながら公転する」を読んだ。30・40代の女の悩みを詰め合わせた、わたしにとっては総集編のような本だった。 老いていく親への心配と、介護などで自分の自由がなくなっていくもどかしさ。 確実に若くなくなっていく自分。 将来を約束するに…

読むので思う。思うので書く。(荒川洋治著「読むので思う」より)

先日の神保町古書祭りで手に入れた、荒川洋治著「読むので思う」を読んでいる。 読むので思う 作者:荒川 洋治 幻戯書房 Amazon 装丁のデザインに違わず、文章としても肩ひじ張らずに読めるものが多い。 著者が2007~2008年頃に発表したエッセイから66編を収…

西加奈子 短編集「おまじない」の、是か非かよく分からない感想。

いつかのわたしが買った小説、西加奈子の「おまじない」を読んだ。著者の作品は初読みだった。30ページくらいの短編が8つと、巻末には長濱ねるとの対談が12ページ載っている。それぞれの物語のイラストは、著者本人が描いているらしい。 まあもう今日に始ま…

向田邦子著「思い出トランプ」感想。闇に気がついた人間の反応は様々。

この間読んだ向田邦子作品「隣の女」に魅せられ、その後本屋でたまたま見かけた「思い出トランプ」を読んでみた。 小説新潮にかつて連載していた短編連作で、連載終了を待たずに直木賞を受賞したというこの小説。話数はトランプの絵札と同じ13。連載順ではな…

本を使って自意識過剰と向き合う(「自意識過剰」というコンプレックスを読んで)

人からよく、自意識過剰だねと言われます。悲しいけど、自分でもそう思います。 何か言われた訳でも、批判された訳でもないのに、そう思ってるんじゃないか?自分のせいではないか?めんどくさい…。 厄介なのは、人から褒められた時も素直に喜ぶことができな…

山田詠美著「無銭優雅」レビュー。死を覚悟しながら、今日という日を慈しむ。

二人の世界では「無銭優雅」でも、はたからみれば「呑気な貧乏人」なんだろうか(いや、そんなこともないと思う!)読みながら気持ちが右往左往する、刹那を生きるキリギリスな恋物語だった。 そしてもう、これはわたしの人生か?と思うほどに、中年に差しか…

【タイタンの妖女/用語考察】クロノ・シンクラスティック・インファンディブラム(時間曲率性漏斗)

今日はちょっと息抜きに、カート・ヴォネガット著「タイタンの妖女」の最頻出用語「クロノ・シンクラスティック・インファンディブラム(時間曲率性漏斗)」について、単語のおさらいと自分なりの考察を話してみます。 タイタンの妖女 作者:カート ヴォネガ…

向田邦子著「隣の女」感想。ただよう色気は、秘密の深さか。

昔読むのを断念した「隣の女」を読み終えた。 挑んだのは20代前半だったと思う。冒頭にミシンが出てきたこと(その頃わたしはミシンを踏みまくる生活をしていた)、最初の展開から心揺さぶられたこと、作品からだだもれる大人の色気に憧れたことが手に取った…

ショーペンハウアー「読書について」感想。読書との主従関係を考える。

「頭の中は 本の山 永遠に読み続ける 悟ることなく」 (ホープ『愚人列伝』第三章、一九四) ショーペンハウアー著「読書について」より引用 今日でとうとう100記事になった。内容的に薄いものが多いけど、何かをテーマにして懲りずに100回も書けたことに驚…

Audibleを無料期間で辞めた理由。思考する時間が欲しくなった。

9月中旬、Audibleを退会した。無料キャンペーンを存分に味わった3ヶ月!ビジネス書、文章術、デザイン本などの自己啓発本を中心に、たまに小説も読んだりと合計15冊くらいは読んだ。 辞めた理由は、思考する時間が欲しくなったから。 Audibleでいろいろ読む…

「あなたとなら食べてもいい」感想。一風変わった薬味的アンソロジー。

小説新潮に掲載されていた物語をまとめたアンソロジー「あなたとなら食べてもいい」の感想です。 サブタイトルは「食のある7つの風景」。こう聞くと、疲れた心があったかくなるような、ほっこりした情景が広がってるのかな〜?と思いそうなものですが、この…

よしもとばなな「眠り三部作」感想。眠りは少し死ぬ、あるいは再生の一歩

「白河夜船」「夜と夜の旅人」「ある体験」、これがよしもとばななの眠り三部作です。ひっくるめて一つの小説になっています。 白河夜船 作者:吉本ばなな 幻冬舎 Amazon 眠りに囚われた人たちの、転機と再生の物語。 20代半ばの頃、一緒に住んでいた友達がも…

Kindle unlimitedレポ①専門書を仕事に活かし、雑誌でアップデート(予定)

Kindle unlimitedに入会して約10日。もー、なんで今までやってなかったんだよ!!ってくらい既に生活に密着。毎日読んでます。Audibleは無料期間で辞めたけど、多分こっちはずっと続けるだろうな。 読んでいたジャンルは、専門書(技術書?)と雑誌です。 配…