BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

幻冬舎

文章と動画で二度味わう「小林賢太郎戯曲集(椿 鯨 雀)」

今日は小林賢太郎戯曲集(椿 鯨 雀)の話をしていく。この本はラーメンズ(小林賢太郎・片桐仁)が2001〜2002年にかけて劇場で上演した作品台本を文章化したもの。お笑いの人、コントの人、演劇の人、どれとも言えない独自の世界を表現している人たちだよな…

飾らず生きれば、都会も田舎にー吉本ばなな著「下北沢について」レビュー

「下北沢について」を再読した。 著者のよしもとばななが住んでいる東京・下北沢について、たっぷり語ってくれるエッセイだ。もともとはエッセイ2つ+裏話が入った小冊子で、それがいくつか合わさって書式化されたものらしい。 下北沢について (幻冬舎文庫)…

悲しみはグラデーション ーよしもとばなな著「ムーンライト・シャドウ」感想。

あまりにも悲しいことが起きて、もう一生立ち直れないと思っても、時が経つにつれまた立てるようになる。それもまた悲しいことだと感じる。 キッチン 作者:吉本ばなな 幻冬舎 Amazon 昨日に引き続き、吉本ばなな著「キッチン」のレビューをしていく。今日話…

あの頃のわたしたちに会えるーよしもとばなな著「キッチン」再読レビュー

よしもとばななの「キッチン」を再読した。読み進めるうち、友人との古い記憶が蘇ってくる。年齢でいうと、21歳とかそのくらい。恐ろしく昔だ…!不思議なことに、以前レビューした著者の別作品「白河夜船」で思い出した友人と同じだった。どうやらこの人の本…

生き直すなら、こんなふうに。ハゴロモ(よしもとばなな著)感想

わたしは以前、何もかも分からなくなる、という体験をしたことがあります。 どうして朝起きて、メイクして、服を着て、誰かと会って、ご飯を食べて、夜眠っていたんだっけ。一つひとつに何の意味がある?そもそもどうやってやるんだっけ?笑っちゃうようだけ…

本棚を前に、小話の世界に浸るーこばなしけんたろう(小林賢太郎著)感想

下北沢に、両方の壁が全部本棚、というカフェがある。 真ん中に一本、レジに通じる道があって、両隣の本棚に向かい合うようにしてソファや椅子が置いてある。 本を読んだり、本棚をみたり、自分の作業をしたり、みんなそんなふうに黙々と過ごしているのが好…

山田詠美著「無銭優雅」レビュー。死を覚悟しながら、今日という日を慈しむ。

二人の世界では「無銭優雅」でも、はたからみれば「呑気な貧乏人」なんだろうか(いや、そんなこともないと思う!)読みながら気持ちが右往左往する、刹那を生きるキリギリスな恋物語だった。 そしてもう、これはわたしの人生か?と思うほどに、中年に差しか…

ないものねだり(中谷美紀著、幻冬舎文庫)読書レビュー

ないものねだりは、女優・中谷美紀が28歳くらいの時にアンアンに連載していた短編エッセイです。全部で70話も入っています。1話につき約3ページで、演じる日々や私生活のこと、旅行の話など幅広く楽しめます。 どんなに格好悪くても、健康管理のための「赤い…