デザインに興味のある人なら大体の人が知っている本「けっきょく、よはく」がコミカライズしたとSNSでみて、早速買って読んでみた。
初心者のわたしにとっては、漫画のほうが内容が入ってくる感じがあった。
元の本はこれ。
こっちの本を読んでいた頃は、デザイン系の職業訓練校に通っててすごく悩んでいた時期だった。
デザインへの憧れが強すぎて、課題に対して何も思い浮かばない、作れない、辛い。学校みたいなものなんだから、臆せずなんでもやってみればよかったのに。出来の悪いものを生み出すのが怖くて、それができなかった。
何とかしたいと思って、手当たり次第にデザイン勉強本を手にしていた。そのなかにこの漫画があったら、もう少し楽しくやれていたかもなあ。まあ、だいぶ分野は違うけど、いまとりあえずDTP制作に携われているからよしとする。
今日は訓練校時代の悩みを思い返しながら、今の職場のことも考えながら、心に残った内容を話していく。
ざっくりとしたあらすじ
題名にもあるように、デザインには「けっきょく、よはく」が大切だよね。ということがテーマで、初心者から一歩抜け出したい!という人向けの本。
このマンガでは、デザイン会社に勤める主人公が新規案件の企業に対して「名刺」「チラシ」「WEB広告」などをつくっていく。ことごとくうまくいかず、先輩の力を借りながらいいデザインとは何かを知っていくストーリーになっている。
デザインに対しての知識が得られるのももちろんなんだけど、お客さんに対するアプローチの方法とか、制作系の仕事をするうえで大切な考え方、適切な努力の仕方が伝わるような内容だった。
コミカライズはストーリー性があって、感覚で分かっていく感じ
今回のコミカライズがいいなと思ったのは、わたしが初心者だからだと思う。デザインの勉強本って、いつも分かった気になるだけで全然つかめないで終わってしまう。
漫画だと、主人公と一緒に体験しているような気持ちになれるのがよかった。あと、実際に作っている間にも上手くなってる感じがあった(バナー制作で3案作ったところ、徐々に読みやすくなってて、なぜかわたしも嬉しくなった!)
デザイン以外だと、先輩の営業スタイルも素敵だな~。まずは名刺から作らせてもらえませんか?って切り込むところ、かっこよかった。
デザインはTPOだと思った
とはいえ、主人公のつくるものが全部ダメというわけでもないなと感じる。いいデザインというのは服装とかのTPOと同じ感じで、時と場合によって正解が違うみたいだ。
今回のは「ファミリー、ビジネス層も利用する本格的なピザ店」の正解だけど、例えば量販店とかスーパーとか、もっと身近な感じのお店ならこのままでもよい気がする。
先輩の「シンプル・上品」と主人公の「こってり・カジュアル」、両方のデザインが見られるので比較がしやすくて面白かった。中にはこんなに変わるか…!というくらい、ぐっとおしゃれになったものもあった。
制作の仕事の大切な考え方
一番心に残っているところは、制作の仕事をするうえで大切にしたい考え方の部分だったりする。
「自分なりに」はちがう
どんな仕事でもそうだろうけど、仕事をする時「自分なりに」はダメみたいだ。制作の仕事なら、自分に頼んでくれたクライアントの、そのまた先のお客さんを考えながらつくる。わたしはここが抜け落ちて、すぐわたしなりにやってしまうところがある。
こういうことを言ってくれる人が、近くにいたら本当にありがたいなあ…
何にしたって「数」
後半で主人公が言う言葉が、まさに今の自分だった。
何かが掴めたような気がして
自分では成長したと思っても
やっぱりまだダメでingectar-e著、大舞キリコ作画「漫画でわかる けっきょく、よはく。」より引用
本当にこればっかりなんだ、いつもいつも!なんならブログだってそうだ!それが楽しくてやってるところもあるんだけどさ。それに対して、まだまだ経験が浅いんだから、数をこなしてやっていくしかないんだよ、と諭してくれる。
ちなみにどちらの言葉もかけてくれたのは社内の人じゃない。デザインの仕事だけじゃないんだな、このことは。悔しくなりながら、恥をかきながらやってくしかないんだよなと納得した。
まだまだ道半ば。よはくを大事に、やってみる
職業訓練校でデザインに絶望したわたしは、それでもあきらめきれなくて、毛色の違うDTP関連の会社に就職したのだった。デザイン系ではないけど、それでもやっぱり似たようなことをしていると毎日楽しい。大変だけど、楽しい。
いまの会社は信じられないくらい文字をびっっちり敷き詰める系なので、正直この知識は使わないことが多い。だけど、たまに作るカットとか、コラムの部分とか、そういう部分には使えそうだと思う。余白を大事に。やってみる。
悩みまくっていたあの頃のわたしよ、できないなりに、何とかやってるよ。やっと楽しいと思えるところまでは来たよ。あなたの分まで、たくさん学んで手を動かして、やりたいことをやります。次の「ほんとに、フォント。」も、コミカライズしたら読みます。