BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

集英社

2人の関係の続柄はなんになる?−いくえみ綾「1日2回」レビュー

いくえみ綾「1日2回」を再読しました。39歳の幼馴染2人、結婚したものの訳あっていまはフリー。1日2回、ふと頭をかすめるのは、恋人でも家族でもないお互いのこと…この空気感がなんともいえず好きで、たまに読み返してます。 1日2回 1 (マーガレットコミック…

【4巻感想】いくえみ綾「ローズ ローズィ ローズフル バッド」

いくえみ綾の「ローズ ローズィ ローズフル バッド」4巻が、今の自分にリンクしているなあ…と思ったので、感想を話していく。 ローズ ローズィ ローズフル バッド 4 (マーガレットコミックスDIGITAL) 作者:いくえみ綾 集英社 Amazon 主人公の神原正子は、「…

ブログが「主」ではないことの確認~アランの「幸福論」を読みながら~

ブログというのは大変面白いもので、気が付くと生活など置き去りにして延々と書いてしまう。と同時に、こればっかりで良いのだろうか?と疑念を抱いたりすることもまた事実としてある。 GWにちょっと生活から離れる機会があったので、思い切って毎日のルーチ…

愚弟・川上宗薫の死に思うことー佐藤愛子著「死ぬための生き方」を読んで

昨日話した佐藤愛子著「死ぬための生き方」の後半レビュー。最後の「こんな死に方もある」という章では、亡くなってしまった何人かの作家について、著者が印象に残っていること、かつての交流の様子が描かれている。 今日はその中から、著者の古くからの友人…

生きるのは死を覚悟してからー佐藤愛子著「死ぬための生き方」感想

佐藤愛子著「死ぬための生き方」を読んだ。和田誠の装丁が決め手で手にとったこの本には、なかなか聞けない大人の本音が入っていたように思う。 物事に対して自分と世の中のものさしで測り、考えを深めて、切る。この人の切り口は毒が強めで、でもこの毒を待…

有馬かなの生き様が、なぜこんなに胸に迫るのかー【推しの子】感想

【推しの子】2期は2024年夏アニメで決まりみたいだー!次は一番好きだった「2.5次元舞台編」だし、それまでにちまちま読み返しては味わっていこう。 わたしは先日アニメ1期見て、その後コミックス13巻まで一気読みして悶えていた。 books-limelight.com ス…

【推しの子】一気読みして直下で落ちる

うう〜〜推しの子が面白い!! アニメ1期は見ていて、漫画も読みたいなと思ってたら実家にあった。明日仕事だし、アニメが4巻までの内容だったからひとまずちょっと先まで読んでみるか…と読み始めたら、朝だった。 やー、これは一気読みしちゃうよ!展開も人…

2000年代のブログの世界に憧れている自分がいる(平安寿子「恋愛嫌い」を読んで)

2023年現在、ブログを始めたと伝えたときの反応ナンバーワンは「なんでブログ?オワコンじゃね?」である。今年何度言われたことか。まあ数人にしか言ってないし、繰り返し言ってくるのは家族なんだけど。 確かに、いまどこかに書いておきたいと思うなら断然…

違和感は、大事な価値観。「恋愛嫌い(平 安寿子著)」レビュー

世間的な幸せと、自分自身の幸せって、全然違うのになんでいつもごっちゃになっちゃうんだろう? こんな堂々巡りの悩みのループにはまりそうな時、繰り返し読んでいるのがこの「恋愛嫌い」です。 恋愛嫌い (集英社文庫) 作者:平安寿子 集英社 Amazon 2007年…

「Thisコミュニケーション」という物騒なマンガがあります。

家族に何度もおすすめされていた「Thisコミュニケーション」。なんですぐ読まなかったんだ~~~~って転がるくらい面白いです。サイコホラー?サイコアクションダークファンタジー?なんなんでしょうこの作品。どうなるんでしょうこれからの展開。 Thisコミ…

夢中で打ち込む40代の青春漫画(いくえみ綾 ローズローズィローズフルバッド レビュー)

いくえみさんが、なかなかリアルな中年もの漫画を描いてくださっております。 40、50代と年齢を重ねても、夢中で打ち込めるものがあるっていいな。そしてその行動力が未来を変えていく様子が覗けるのが、この「ローズ ローズィ ローズフル バッド」です。 ロ…

病が教えてくれたものを背負い、前に(山本文緒著、シュガーレス・ラヴ)読書レビュー

まだいける、まだ頑張れる。そういう気持ちの時ほど限界が近く、体はついてきてくれないものだと思う。 今日の本「シュガーレス・ラヴ(山本文緒著)」は、仕事、恋愛、家庭などによって体が蝕まれてしまった10人の女性の短編集。自律神経失調症、睡眠障害、…

文庫本フェアで読みたい本を探してみる

角川文庫は喫茶店に置いてきてしまった 3連休ももう終わりですね。週末に10冊近く本を買ってしまい、もうこれ以上はダメだ…と思いつつも文庫本フェアの冊子をもらってきてしまいました。徒然なるままに、出版社別の気になる本をピックアップしてみます。 【…

とるにたらないものもの(江國香織著 集英社文庫)

とるにたらないけれど、欠かせないもの。気になるもの。愛おしいもの。忘れられないものーー。輪ゴム、レモンしぼり器、お風呂、子守歌、フレンチトースト、大笑い…etc.。そんな有形無形の身の回りのもの60について、やわらかく、簡潔な言葉でつづられている…