BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

新潮社

30〜40代、女の悩み詰め合わせ。「自転しながら公転する」レビュー。

山本文緒著「自転しながら公転する」を読んだ。30・40代の女の悩みを詰め合わせた、わたしにとっては総集編のような本だった。 老いていく親への心配と、介護などで自分の自由がなくなっていくもどかしさ。 確実に若くなくなっていく自分。 将来を約束するに…

向田邦子著「思い出トランプ」感想。闇に気がついた人間の反応は様々。

この間読んだ向田邦子作品「隣の女」に魅せられ、その後本屋でたまたま見かけた「思い出トランプ」を読んでみた。 小説新潮にかつて連載していた短編連作で、連載終了を待たずに直木賞を受賞したというこの小説。話数はトランプの絵札と同じ13。連載順ではな…

「あなたとなら食べてもいい」感想。一風変わった薬味的アンソロジー。

小説新潮に掲載されていた物語をまとめたアンソロジー「あなたとなら食べてもいい」の感想です。 サブタイトルは「食のある7つの風景」。こう聞くと、疲れた心があったかくなるような、ほっこりした情景が広がってるのかな〜?と思いそうなものですが、この…

よしもとばなな「眠り三部作」感想。眠りは少し死ぬ、あるいは再生の一歩

「白河夜船」「夜と夜の旅人」「ある体験」、これがよしもとばななの眠り三部作です。ひっくるめて一つの小説になっています。 白河夜船 作者:吉本ばなな 幻冬舎 Amazon 眠りに囚われた人たちの、転機と再生の物語。 20代半ばの頃、一緒に住んでいた友達がも…

「あつあつを召し上がれ(小川糸著)」レビュー。なんだか、わたしも救われた。

食に関する7つの短編集、小川糸著「あつあつを召し上がれ」を再読。読んだのはずいぶん前のことなのに、はじめの5行くらいで懐かしさがこみあげてくるのってすごいよなあ… あつあつを召し上がれ (新潮文庫) 作者:小川 糸 新潮社 Amazon 今も昔も、好きな話…

江國香織「きらきらひかる」感想。大切な人を大切にする方法は。

わたしはあなたと、ただこのまましあわせでいたい。 親が安心するような、(少なくとも普通の)子供でありたい。 それぞれに純粋な二つの願いが、片方叶ったらもう片方が哀しむ、二律背反の願いだったら?どうすればよいのでしょう。 そんなことを考えてしま…

話したりないので追記。「正欲」読書メモ

昨日なんとか絞り出してまとめた「正欲」レビューですが、自分が思ってることをうまく言葉にできないままあげちゃったなぁと反省しています。実力不足ってやつですね。まだ書きたいことがあったので、今日はレビューに入りきらなかった、印象に残った部分を…

「正欲」レビュー。決して気持ちのよい本ではない。それでも読んでよかった。

読後感はしんどいのみ。決して気持ちのよい本ではない。でも、自分が今まで見てきた景色が違って見える。朝井リョウの「正欲」はまさにそんな本だった。途中、しんどくなりだいぶ減速して、そのうえ元々悪かった体調もさらに崩した。後ろめたい気持ちが止ま…

文庫本フェアで読みたい本を探してみる

角川文庫は喫茶店に置いてきてしまった 3連休ももう終わりですね。週末に10冊近く本を買ってしまい、もうこれ以上はダメだ…と思いつつも文庫本フェアの冊子をもらってきてしまいました。徒然なるままに、出版社別の気になる本をピックアップしてみます。 【…

君はポラリス(三浦しをん著、新潮文庫)読書レビュー

恋愛に疎く、苦手です。恋にまつわる本もあまり読みません。それでもこの本を読んだのは、友達にお勧めしてもらったからです。 恋愛短編集で、30~50ページくらいの物語が11編入っています。著者は恋愛をテーマにした依頼が多いそうで、題材は果たして恋愛と…