BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

再読

日常に、しょうもない議論を。ー川上弘美著「これでよろしくて?」レビュー

これでよろしくて? (中公文庫) 作者:川上弘美 中央公論新社 Amazon 川上弘美著「これでよろしくて?」を読んだ。主人公は38歳の専業主婦、菜月。夫の光と2人暮らしで、子供はいない。特に大きな不満もなく淡々と暮らしている中に一つの転機が訪れる。 商店…

想い出の苦さと味わい深さ「セ・シ・ボン(平安寿子著)」レビュー

今日は十数年ぶりに再読した、平安寿子著「セ・シ・ボン」の話をしていく。この作品は、著者が20代の時にした留学にまつわるエッセイだ。 セ・シ・ボン (ちくま文庫) 作者:平安寿子 筑摩書房 Amazon 表題でもあるセシボンという単語は、フランス語で「素敵」…

1年1/5終了、「ごぶんのに」期の雰囲気づくり。ーみうらじゅん著「ない仕事」の作り方 を読みながら

2024年は月曜日スタートで、52週間と2日で終わります。昨日(3/10.日)がちょうど10週間目の終わりでした。1年の約1/5が過ぎたことになります。 なんでいきなりこんな話をしたかといえば。年始から仕事で業務タイムアタックして遊んでるんですけど、そのため…

生き直すなら、こんなふうに。ハゴロモ(よしもとばなな著)感想

わたしは以前、何もかも分からなくなる、という体験をしたことがあります。 どうして朝起きて、メイクして、服を着て、誰かと会って、ご飯を食べて、夜眠っていたんだっけ。一つひとつに何の意味がある?そもそもどうやってやるんだっけ?笑っちゃうようだけ…

「あつあつを召し上がれ(小川糸著)」レビュー。なんだか、わたしも救われた。

食に関する7つの短編集、小川糸著「あつあつを召し上がれ」を再読。読んだのはずいぶん前のことなのに、はじめの5行くらいで懐かしさがこみあげてくるのってすごいよなあ… あつあつを召し上がれ (新潮文庫) 作者:小川 糸 新潮社 Amazon 今も昔も、好きな話…

日々是作文。来年の今日にまた読もう。

2023年10月13日。今日は小説家・山本文緒の2回忌なので、著者との出会いの本「日々是作文」と共に過ごしました。 日々是作文(ひびこれさくぶん) (文春文庫) 作者:山本 文緒 文藝春秋 Amazon 31歳から41歳までの、著者の「微妙なお年頃」のエッセイが10年…