BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

楽しい「新聞書評」の世界。

新聞が、好きなんです。もっというとデジタル版ではなく紙がいいです。紙が文字で埋め尽くされているのを見るとわくわくするし、なぜだか落ち着きます。 職場で捨てる係を買って出て、好きな紙面を読むのが日課。もっぱら読むのは文化・文芸欄で、とくに書評…

ショーペンハウアー「読書について」感想。読書との主従関係を考える。

「頭の中は 本の山 永遠に読み続ける 悟ることなく」 (ホープ『愚人列伝』第三章、一九四) ショーペンハウアー著「読書について」より引用 今日でとうとう100記事になった。内容的に薄いものが多いけど、何かをテーマにして懲りずに100回も書けたことに驚…

Audibleを無料期間で辞めた理由。思考する時間が欲しくなった。

9月中旬、Audibleを退会した。無料キャンペーンを存分に味わった3ヶ月!ビジネス書、文章術、デザイン本などの自己啓発本を中心に、たまに小説も読んだりと合計15冊くらいは読んだ。 辞めた理由は、思考する時間が欲しくなったから。 Audibleでいろいろ読む…

「あなたとなら食べてもいい」感想。一風変わった薬味的アンソロジー。

小説新潮に掲載されていた物語をまとめたアンソロジー「あなたとなら食べてもいい」の感想です。 サブタイトルは「食のある7つの風景」。こう聞くと、疲れた心があったかくなるような、ほっこりした情景が広がってるのかな〜?と思いそうなものですが、この…

読みたい本を買うために、いまある本を手放すことにした

年内に読めたらいいな、読みたいなと思う本が3つあります。 どれもわたしにとっては結構高額で…でも欲しい。そこで、今持っている本を売りに出すことにしました。手に入れるんだ!と気持ちを固めるために記事にします。 まずは本の紹介から。 欲しい本①カー…

よしもとばなな「眠り三部作」感想。眠りは少し死ぬ、あるいは再生の一歩

「白河夜船」「夜と夜の旅人」「ある体験」、これがよしもとばななの眠り三部作です。ひっくるめて一つの小説になっています。 白河夜船 作者:吉本ばなな 幻冬舎 Amazon 眠りに囚われた人たちの、転機と再生の物語。 20代半ばの頃、一緒に住んでいた友達がも…

Kindle unlimitedレポ①専門書を仕事に活かし、雑誌でアップデート(予定)

Kindle unlimitedに入会して約10日。もー、なんで今までやってなかったんだよ!!ってくらい既に生活に密着。毎日読んでます。Audibleは無料期間で辞めたけど、多分こっちはずっと続けるだろうな。 読んでいたジャンルは、専門書(技術書?)と雑誌です。 配…

「あつあつを召し上がれ(小川糸著)」レビュー。なんだか、わたしも救われた。

食に関する7つの短編集、小川糸著「あつあつを召し上がれ」を再読。読んだのはずいぶん前のことなのに、はじめの5行くらいで懐かしさがこみあげてくるのってすごいよなあ… あつあつを召し上がれ (新潮文庫) 作者:小川 糸 新潮社 Amazon 今も昔も、好きな話…

「模倣と創造」レビューというか、ほぼ自分用まとめノート。

何かやりたい、実現したい。でもうまくいかない。こんなフラストレーションが起こること、みんなありますよね。あってほしい。わたしがその連続の人生だから… この本は、持て余しているいろんな欲を、どのようにして昇華させるのか?具体的に示した「鍛錬の…

本の感想がまとまらない②

いやあ、ためになる本があったんですよ。この本を使って、ちゃんと行動したら一歩前進できそうな面白い本です。 そういうことを言いたいのに、文章のまとまりとして全然その方向に向いてくれない。なんでだーー、というか本当はそういうことじゃないのかもし…

ポパイで本の冒険 ~雑誌POPEYE・本の特集号を読む~

ポパイの11月号は本の特集号「本をめぐる冒険」! 定期的にやっているやつ~、ついつい買ってしまった。 POPEYE(ポパイ) 2023年 11月号 [本をめぐる冒険。] [雑誌] マガジンハウス Amazon (Kindle unlimitedにもあった…) 購入の決め手は、乗代雄介のコラム…

読書の幅を広げる。Kindle unlimitedに入会してみた。

センチメンタルもほどほどに。本の新規開拓がしたい 最近は20代の頃に読んでいた作品を中心に、再読していた。わたしの読書は、今も昔もとにかく感傷に浸る系の本が多い。ちょっと多すぎる。 ふと「感傷的」という言葉を調べてみたら、感情をもっとも刺激す…

日々是作文。来年の今日にまた読もう。

2023年10月13日。今日は小説家・山本文緒の2回忌なので、著者との出会いの本「日々是作文」と共に過ごしました。 日々是作文(ひびこれさくぶん) (文春文庫) 作者:山本 文緒 文藝春秋 Amazon 31歳から41歳までの、著者の「微妙なお年頃」のエッセイが10年…

ブログ記事を早く書きたい!「アウトプット大全」で効率アップ法を試してみた

今日は、最近のわたしの悩み「ブログ記事を早く書きたい!」の解消法を調べて、試してみたという話。というのも、最近ブログの下書きが溜まりまくっているから… 昨日なんて、1個まとめようとして迷い、2つ目、3つ目…と次々触ってたら何も終わらなかったの…

違和感は、大事な価値観。「恋愛嫌い(平 安寿子著)」レビュー

世間的な幸せと、自分自身の幸せって、全然違うのになんでいつもごっちゃになっちゃうんだろう? こんな堂々巡りの悩みのループにはまりそうな時、繰り返し読んでいるのがこの「恋愛嫌い」です。 恋愛嫌い (集英社文庫) 作者:平安寿子 集英社 Amazon 2007年…

読みたい欲<書きたい欲。下書きに埋もれる秋

下書きはパズルのピースっぽい。 読書の秋…といいたいところなんですが。最近書きたい欲が高まっていて困っています。 日増しに気温が下がり、堂々とアンニュイな気持ちに浸れるこの季節が大好きです。物思いに耽ることが増えたからか、下書きの量が増えに増…

江國香織「きらきらひかる」感想。大切な人を大切にする方法は。

わたしはあなたと、ただこのまましあわせでいたい。 親が安心するような、(少なくとも普通の)子供でありたい。 それぞれに純粋な二つの願いが、片方叶ったらもう片方が哀しむ、二律背反の願いだったら?どうすればよいのでしょう。 そんなことを考えてしま…

よなよな電子マンガ(ホタルの嫁入り、薬屋のひとりごと、売れうつ)

今週は電子マンガが楽しくて寝不足続きでした。寝る前のスマホがダメなのは分かってるけど、一度読み始めるとやめられないんですよね〜。 今日は雑談って感じなので、ネタバレとか気にせずわーって話しちゃいます。気になる方はマンガを読んでから是非! 集…

読書は悪癖かもしれない「本物の読書家」レビュー

これだけ毎日のように本だ、読書だとうわごとのようにつぶやくブログを運営しながら、人に「趣味は何ですか?」と聞かれても読書とは言いません。映画とか散歩、美術館巡りとか適当なことを言ってはぐらかしてしまいます。 何でだろう?と思うけど、好きなキ…

理解できたとは言い難い、それでも心震える未熟な同感者【本物の読書家 レビュー】

本の内容が難しくて理解が及んでいないのに、心が震えるってことありますか?わたしにとってはこの本がそうです。 本物の読書家 (講談社文庫) 作者:乗代雄介 講談社 Amazon 乗代雄介の「本物の読書家」読了。約150ページの中編が2つ入っている小説でした。1…