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ブログが「主」ではないことの確認~アランの「幸福論」を読みながら~

ブログというのは大変面白いもので、気が付くと生活など置き去りにして延々と書いてしまう。と同時に、こればっかりで良いのだろうか?と疑念を抱いたりすることもまた事実としてある。

GWにちょっと生活から離れる機会があったので、思い切って毎日のルーチンとなっていたブログ執筆を「やらない」選択をして、少し遠くから見つめ直してみることにした。

離れてみてわかったのは、ブログなんざやらなくても全く問題はなく、生活必需品ではないということ。しかし、書くことは相変わらず続けていた。記事の種の部分は沢山できて、またまとめる作業に忙殺されそうな予感がする。

専業ブロガーにでもならない限り、ブログが「主」ではない、そういう結論になったわけだけど…では私にとっての主って何だっけ?今日はそんなことを、アランの「幸福論」を読み返しながら深めてみる。

書くことはもはや基本コマンド

放っておくと四六時中 考えてしまう私には、立ち止まって書き出すってことがすごく重要で、書くことで癒されたり整理される思いがある。もはや寝る、食べるなどと同じ基本行動の一つになっている感じ。

ただこれ、人によって全然違うのが面白いところ。書くなんて面倒臭いこと絶対しないよ!恥ずかしいし!みたいな人も沢山いる。

著者は自らの意思で書いている幸福論執筆の仕事を一つの幸福と捉えていた。「自分の考えをかたちにすること」を「自ら選択してやる」ということが、楽しみであり、幸福なのかもしれない。これは、ちょうど私がブログを書いている気分と合致する。

・人は行動することを欲しているのであって、忍従することを欲しているのではない。
・身にふりかかる不幸を好むものはだれもいない。(中略)しかし自分から自由に苦労するならば、たちまち満足する。
アラン著「幸福論」集英社版 P137 より引用

自分で意味を持って、動くから満足できる。

たくさん書いていると、こんなことして意味あんのか?という疑念がつきまとってきてうるさい。そんなのもろともしないくらいの深い根っこが欲しいから、やっぱりまた書いて補強していく感じになっていくのかなあ。媒体はブログじゃなくても全然いいのだけど、書くことに特化した自分用まとめサイトということではやっぱりブログが最適なような気がしている。

人に見せないって方法もあると思うんだけど…、一人だと、ほんっとうに思考というものはループしまくる。人様にみせることを考えると、ちょっとずらして考えたり、そういう工夫をするようになるので、やっぱりどこか人目につくところで書くことが大事だと思っている。

私の主は「味わうこと」、ブログとどう掛け合わせるか

私にとっての幸福というのは、現段階では「味わうこと」だと思っている。

現実世界ではいろんな人に出会い、いろんなことを思う。読書や映画などの作品に対しても沢山の感情が湧いてくる。基本は味覚的に美味しいものが好きだけど、苦いのも、滅茶苦茶すっぱいのも、口に入れただけで戻しちゃいそうなものも好きだ。感じた想いの深いところを味わいたくて、書いてまとめている。ブログは一つの手段で「従」の存在だと思っている。

対して、著者は幸福を「うたたねの状態」に例えている箇所がある。

日々、その状態に持っていくために行動するという考え方が好きだな。著者のコツは、「中途半端にものを考えようとしないこと」。思考にONとOFFのスイッチを導入する感じだと思う。

ある事柄に対して全身をかけて考えるか、またはとめどなくあふれる思考に対して全然身を入れないか。この仕組みはかなり大切だ。

すべては大事にできない。緩急をつけて、狙いをさだめて部分的に集中することが重要。この割り切った行動がより満足感を高めて、幸せになる決意を固めるってことにつながるのかもしれない。 

・正確に言えば、気分というものはいつでも悪いものであり、あらゆる幸福は意志と抑制とによるものである。
アラン著「幸福論」集英社版 P288 より引用

気を抜くとすぐ弱気になって、判断がつかず何度でも迷ってしまう。しかし、自分でまとめたこの記事を何度でも読んで、幸福論のこの部分を思い出せば、その度新たに決意を固められるだろう。

生活の中で湧き起こる感情、実際に起こる良くも悪くも印象的な出来事、身の回りでは起きえないことが得られるいろんな本や作品たち。それらを惜しみなく味わうために、どこにフォーカスしていくか。

無駄に湧き出る感情に心を割り振らないで、分野を絞って味わう。そして書いてはまとめて、ブログに落とし込む。これができれば飛躍する。今ならできる気がしている。

1週間近くもブログから離れたのは、始めて1年で初だった!めちゃくちゃ頭がスッキリした!また予約投稿してはちょくちょく休んでいこうかな~とか思うけど、記事のストックをつくるのって、すっっっっごく大変。体調崩しかけた。これも何度かやったら慣れるのかな~、また長期休みにやってみよう。

幸福論っていろんな出版社から出てるけどなんか違いがあるのかな。家にあった集英社版は、字が大き目で短めにまとまってて読みやすい感じだった。

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