BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

30〜40代、女の悩み詰め合わせ。「自転しながら公転する」レビュー。

山本文緒著「自転しながら公転する」を読んだ。30・40代の女の悩みを詰め合わせた、わたしにとっては総集編のような本だった。 老いていく親への心配と、介護などで自分の自由がなくなっていくもどかしさ。 確実に若くなくなっていく自分。 将来を約束するに…

読むので思う。思うので書く。(荒川洋治著「読むので思う」より)

先日の神保町古書祭りで手に入れた、荒川洋治著「読むので思う」を読んでいる。 読むので思う 作者:荒川 洋治 幻戯書房 Amazon 装丁のデザインに違わず、文章としても肩ひじ張らずに読めるものが多い。 著者が2007~2008年頃に発表したエッセイから66編を収…

西加奈子 短編集「おまじない」の、是か非かよく分からない感想。

いつかのわたしが買った小説、西加奈子の「おまじない」を読んだ。著者の作品は初読みだった。30ページくらいの短編が8つと、巻末には長濱ねるとの対談が12ページ載っている。それぞれの物語のイラストは、著者本人が描いているらしい。 まあもう今日に始ま…

一冊しか読んでなくたって、その作家が好きと言っていいと思うんだ。

山本文緒の「自転しながら公転する」が実写ドラマ化するらしい。12月14日(木)、21日(木)、28日(木)のいずれも23時59分から。楽しみだ~!! www.ytv.co.jp ちなみに、わたしはまだこの小説を読んでいない。亡き著者の残してくれた作品を大事に読もうとするあ…

向田邦子著「思い出トランプ」感想。闇に気がついた人間の反応は様々。

この間読んだ向田邦子作品「隣の女」に魅せられ、その後本屋でたまたま見かけた「思い出トランプ」を読んでみた。 小説新潮にかつて連載していた短編連作で、連載終了を待たずに直木賞を受賞したというこの小説。話数はトランプの絵札と同じ13。連載順ではな…

わたしの平気は、誰かのコンプレックス(自由に表現するための思考実験)

今週末はすこし気持ちに余裕があったので、自分の拗れた部分と向き合ってみました。 昨日は自意識過剰についての記事を書きましたが、なぜ向き合ったかといえば、自意識を乗りこなしてもっと自由に表現したいからなんです。 拗れた部分をほどいて、もっと自…

本を使って自意識過剰と向き合う(「自意識過剰」というコンプレックスを読んで)

人からよく、自意識過剰だねと言われます。悲しいけど、自分でもそう思います。 何か言われた訳でも、批判された訳でもないのに、そう思ってるんじゃないか?自分のせいではないか?めんどくさい…。 厄介なのは、人から褒められた時も素直に喜ぶことができな…