BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

借金で持ちつ持たれつ。人間関係は面白い「素晴らしい一日(平安寿子)」レビュー

大体は単調で長いであろう人生のなかで、一日くらいこんな日があったら面白い。今日は、かつて貸したお金を取り立てる一日を描いた「素晴らしい一日」をレビューしていきます。 素晴らしい一日 (文春文庫) 作者:平安 寿子 文藝春秋 Amazon この小説は6編か…

いつか書くファンレターのための備忘録【マンガ家・小説家の先生へ】

先日ご飯を食べに行った友人が、マンガ家の先生のサイン会に当たった!と乱舞していました。わたしが日々いろいろと書いていることを知っているので、「手紙渡したいんだけど全っ然うまく書けない!どうしたらいいの…!!」と聞かれて、咄嗟に思いついたこと…

ある日の読書記録(2023夏の終わり)

また書評がゲシュタルト崩壊を起こしてよくわからなくなった。小説という解釈の仕方が無限大なものに対して自分の見解を述べていくこの恥ずかしさよ…別に思うことも表現することも自由なはずなんだけど、今は厚かましく傲慢に感じる。 自分には何がわかって…

新たに出会った作家に、感情が右往左往している

今日は乗代雄介著「本物の読書家」を読んでいた。 本物の読書家 (講談社文庫) 作者:乗代雄介 講談社 Amazon 今8章まで読んだところ。たぶん一番わくわくするところで、読み終えるのがもったいなくなってきて、この気持ちの時に文章に残しておこうと思う。 …

不機嫌の意外な正体がわかる「不機嫌は罪である」レビュー

なんだ、不機嫌って体の調子が悪くなってきてるサインだったんだ!と意外な正体に気がついて、対処できるようになる本「不機嫌は罪である」をレビューしていきます。 もちろん、不機嫌の全ての原因が体調ってわけじゃないですけどね。いつもの不機嫌くらいな…

死者への架空インタビュー集「キヴォーキアン先生、あなたに神のお恵みを」レビュー

楽しかった~、終わっちゃった。カート・ヴォネガット生誕100周年に合わせて2022年に発売された「キヴォーキアン先生、あなたに神のお恵みを」を読みました。 キヴォーキアン先生、あなたに神のお恵みを 作者:カート・ヴォネガット 早川書房 Amazon 薄めのハ…

「神代団地 蚤の市」に行ってきました。

去る9月はじめの週末に、「神代団地 蚤の市」に行ってきました。 気持ちよく晴れた蚤の市日和 手紙社主催のイベントで、「東京蚤の市」として今回で19回目だったそうです。アンティークやヴィンテージのアクセサリー・雑貨・服・文房具などなど。好きな人に…

ブログの下書き、どこでしてますか?

ブログの下書き、みなさんはどこでしていますか? わたしは下書きが2段階あります。そのあとはてなで最終的に整える感じです。 (下書き1)手帳に書き出す (下書き2)Googleドキュメントでふくらませる (本番)はてなで削る 第1段階はだいたい手帳で、…

伊勢丹新宿「イルカくん回文絵本展」に行ってきました

伊勢丹新宿の「イルカのイルカはかるいのかるい」展に行ってきました。 イルカくんが本当に伊勢丹にいた…! イルカくんはTHERAPYのキャラクターだった 「イルカくんの回文絵本」の世界 いろんなグッズも売ってました AC部の活動がこれからも楽しみ 展示会情…

「みんないってしまう」レビュー②みんないってしまうとしても、さよならとはいわない

山本文緒の短編集「みんないってしまう」。レビューが長くなったので二つに分けて、今日はその後半です。山本文緒の本ってAmazonのページ貼り付けると装丁が違うことが多いです。印刷した時期によっていろいろ変わるものなんでしょうか…? みんないってしま…

山本文緒「みんないってしまう」レビュー①目の前を通り過ぎていくものたちは

まだまだ人生中盤ともいえないけれど(や、明日何が起こるか分からないし終盤かもしれない)、既にたくさんの人や物が目の前を通り過ぎていきました。 別に悲観的でもなんでもなく、生き続けることは失うことの連続だなとじわり思い出す作品です。 みんない…

「わたしがブログを書く理由」ー読書を通して、好きなものを思い出すための作業です。

特別お題「わたしがブログを書く理由」 繁忙期!仕事に家事に忙しなくて、ブログに時間が割けない日々です。これ以上間が空くとせっかくいい感じに楽しんでいた読書ブログごと頓挫しかけない。 今日はこれすらネタにして、はてなのお題にも乗っからせてもら…

乗代雄介「十七八より」。細心の注意を払って描かれる、かつての「少女」の回顧録。

正直言って読みにくい。でも、こういう小説が好きだ!!好きだー!!! 叫んだものの、この気持ちを文章にするのは結構な勇気が必要だったし、根気がいる作業でもあった。 著者は乗代雄介氏。2023年芥川賞ノミネート作品「それは誠」を人におすすめしてもら…

読書で磨けるエンパシー(ブレイディみかこ氏インタビューを読んで)

愛用しているほぼ日手帳に、シンパシーとエンパシーについて書かれているページがありました。 2023年デイフリーの117ページ目に載っています。すごくわかりやすい。 継母にいじめられるシンデレラはかわいそうと感じるのは「シンパシー」。 継母はどうして…