BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

【2025年7月第2週目】ある日の読書記憶~読書のこばなし~

今週は趣向を変えて、「読書のこばなし」をお送りします。 読書風景を切り取ったエッセイ的なものです。その時々で書いたので温度感がてんでバラバラですが、気軽に読んでいただけたら嬉しいです。それではどうぞ。 7.8(火)「かっこつけてんじゃねえ!」 7.9…

【新潮文庫の100冊】2025夏の小冊子で振り返る読書レビュー

今年もやってきました、出版社の夏特集!見かけるとついつい小冊子を手に取ってしまいます。この間書店でもらってきた新潮文庫の冊子を見ていたら、以前レビューしたものが多くて驚きました。 今日は過去記事を掘り返しつつ、小冊子の特集内容に沿ってここに…

火星人に揺さぶられても無感動だった私たちへー阿部公房「人間そっくり」感想

ひたすら意味が分からなそうなものが読みたいと、阿部公房「人間そっくり」を読んだ。希望は叶ったものの、最終的な読後感は「ギリギリどうでもいい」だった。 人間そっくり(新潮文庫) 作者:安部公房 新潮社 Amazon 気になってレビューサイトを見ると賛辞…

タイトル:【7月第1週】ある日の読書記録~夏への扉、苦役列車、人間そっくり~

夕食後に一旦解散して、それぞれ好きなことをする一週間でした。家族はエルデンリングに熱中、私は本を読みブログを書く。このところ週一更新が続いていましたが、お陰様で書く感覚が戻ってきた気がします。 今週は気分のアップダウンが面白くてですね、波乗…

「どうしようとも俺である」西村賢太著・苦役列車を読んで思うこと

道路の側溝の蓋をはずして、底に沈むヘドロを小鍋に一杯。それを自らの内臓に入れてくつくつと煮込んでいるような1週間でした。 もはや、どうにかしたいとも思わない。こんな時のためにジョーカー要素で待機させていた「苦役列車」に手を伸ばす日が来ました…

外に展開した前半、内に掘り下げる後半(上半期振り返り2025)

なんか今週むっちゃくちゃ書きたいんで、書きます。久しぶりの3日連続投稿です。今週の本は読み終わってから話したいので、はてなのお題に乗っからせていただきましょう。 今週のお題「上半期ふりかえり2025」 振り返るってゆったら手帳を開いて、ゆっくり…

その後のZINEにまつわる雑感(はてなトップ入り記念)

このところ調子が乱高下しています。瞬間的には元気が出るものの、すぐまた低空飛行に戻っちゃう。そんな微妙な日々のなか、嬉しいこともあるもんです。 先々週の読書記録の記事を、はてなのトップページで扱っていただきました!ありがとうございます! か…

面白いのに!好みじゃない?「夏への扉」読後感

ロバート・A・ハイラインの「夏への扉」をさっき読み終えたところです。後で時間作って感想を書こうと思うとやらないので、今ここで読後感だけ先に残しちゃおうと思います。 夏への扉 (ハヤカワ文庫SF) 作者:ロバート・A. ハインライン 早川書房 Amazon とい…

【2025年6月4週目】ある日の読書記録~「夏への扉」でつなぐ日常~

おはようとかこんにちはとかこんばんはというよりかは、お疲れさまです。昨日でいろんな区切りがついて、「第一章・完」という感じです。 イベントが無事終了し、笑顔がみれたり、興味を持ってもらえたりと、交わした言葉の一つひとつを味わっていたら眠れな…

【6月第3週】ある日の読書記録〜「こうありたい」ロールモデルがごろごろと〜

最近めっきり読書週報のようになっているこのブログ。一冊ごとにじっくり話したいけど時間がない。話したいことが溜まりすぎて、ところてん式に抜け出てしまっています。本からの実りが多いのになんということか!方向転換が必要です。 そういう時って、向こ…

【6月第2週】ある日の読書記録〜作りきるために読んだもの〜

ZINEが、できました〜! 「箱店主な日々」活動記録本です。 6/2に思い立ち、途中からのたうちまわったけどなんとか形になりました。落ち込んだり混乱したりでお騒がせしました。 この本は、3月からの箱店主活動についてまとめたものです。 読み書き 花、植物…

【2025年6月第1週】ある日の読書記録~作るために読んで、分からなくなって~

先日はZINE制作にまつわる心情を聞いてもらっちゃってすみません!ありがとうございました。自分語りが強すぎて中毒になりそうだったので、消しました。 気を取り直して軽やかに先週の読書記録をつけていこうと思ったんですが。書くことが全部嘘くさくみえる…

【2025年5月第5週】ある日の読書記録~PERFECT DAYSとギャツビーと、豊かさと~

5月3週目にイベントをやって2週間、やっとニュートラルな気持ちに戻りました。一度テンションががっと上がると、反動がすごい。なかなか日常に戻れず苦労しました。これもまた日常になるとよいのですが。結構な時間がかかりそうです。 今週は平日に休みを…

そぎ落として「好き」で満たす ― 映画『PERFECT DAYS』感想

先日、運営している一箱本屋に知り合いが来てくれました。自分のところも含めていろんな本を買ってくださったのですが、その中に「木」という本がありました。 「映画に出てきてたのを思い出して」という一言を聞いて急に気になってしまい、まずは映画を観て…

【2025年5月第4週】ある日の読書記録~アーヴィングと遠藤周作と~

もう新しい週が始まってしまった!あわてて先週(5/18〜24)の読書記録をしていきます。ざっくりと。まずは記録前の雑談から。 先日書いたブログ2周年の記事。たくさんの方に読んでいただき、ありがとうございました!実はアップするのが怖かったので、大変…

【読書ブログ2周年】読んで書いていたら、箱店主になり売りはじめました

11日で、この読書ブログを開設して2年経ちました。 現在アクセスは月4000〜4500、収益は新品の本が買えるほどになりました!いつも読んでくださっている皆さまのおかげです。はてなproを更新したので、ここからの1年もよろしくお願いいたします。 今日はここ…

【2025年5月第3週】ある日の読書記録〜気ままに再読する週もあるよね〜

通勤電車にて。 目の前に座るのは、えらく冷たそうなサラリーマン。ノートPCを急ぎ打ちながら、タッチパッドの片隅に置くスマホでは「ちいかわ」のアプリが起動している。 こういうギャップに弱い。娘の笑顔が見たくて作業ゲーに時間を費やしているのか、そ…

【遠藤周作文学館】長崎に行って「信仰を仕立て直し多面的に生きた人」に会って来た

今年のGWは、長崎にある遠藤周作文学館に行ってきました。海沿いにたたずむ文学館で、決して大きくはないのですが見応えがあり、2時間ほどかけてじっくり見てきました。 生い立ちから晩年の様子まで、年表形式で作品とともに振り返る展示と、別名義での活動…

【2025年5月第2週】ある日の読書記録〜長崎で読む佐藤正午、遠藤周作〜

GWは長崎に行ってきました。佐藤正午のエッセイ集「佐世保で考えたこと」を旅のお供に、行きたかった遠藤周作文学館では「周作塾」を手に入れました。 移動中、待ち時間、寝る前に、起きしなにと、いろんなタイミングで読んだので、また行くときもきっとこの…

【2025年4月第5週】ある日の読書記録~カート・ヴォネガット、イリナ・グリゴレに学ぶこの世界の眺め方~

できないなら、やらないほうがいいらしい(ある人物談)。本当かなあ。 今週の読書は、軽やかな文体に抱えきれないほど重みのあるテーマで…気持ちのやり場に困っていたりする。 明日から自分の連休が始まるので、一旦ここで話して、あとは戻ってきてからじっ…

【2025年4月第4週】ある日の読書記録〜牟田都子、魚豊を経てアイザック・アシモフ〜

4月も終盤、来週はGWですね。衣替え、出かける準備などをちょこちょこしています。平日にやっておけば土日をお楽しみ時間にできる!と思って張り切ったら、もう今バテバテです。 読書のほうは、仕事の本からはじまり、マンガを挟んでファンタジー。いい流れ…

草森紳一「本が崩れる」感想~本に埋もれて、一本気に生きる~

よく行く古本屋があって、そこの店主とお客さんとの会話を聞くのが楽しみの一つになっています。(盗み聞き…ではなく!コンパクトな店なので自然に聞こえてしまうやつです) ある日、「本がありすぎて風呂場に閉じ込められた人のエッセイ」の話で盛り上がっ…

懐かしさと恋と違和感と。「九龍ジェネリックロマンス」アニメ感想と当時の記憶

こんなに晴れているなか、家にこもって「九龍ジェネリックロマンス」のアニメ1~2話を見ました。好き……があふれ出しそうなので、漫画を読み返す前に一旦話すことにします。(作業の手を止めて…いや全然進んでないんだけどさ…) この作品には「懐かしさと恋…

【2025年4月第3週】ある日の読書記録〜「本が崩れる」から始まる思考〜

今週はなんだろう、「凪」です。多分先週久々に友だちと会ったからで、心が穏やかになったせいか逆に何も進まなかった。 進む方向、こちらでよし。持ち物もあらかた揃ってる。もういつでも行ける。そこで安心して動かない感じ。 読書は先週に引き続き、一冊…

私たちは何も見えてはいないージョゼ・サラマーゴ「白の闇」感想・レビュー

ジョゼ・サラマーゴの「白の闇」を1週間かけて読んだ。 突然目の前が真っ白になり、失明する。一人の男から始まった謎の病は加速度的に蔓延し、世界が混乱に包まれる様子が描かれる。 白の闇 (河出文庫) 作者:ジョゼ・サラマーゴ 河出書房新社 Amazon 邦題は…

【2025年4月2周目】ある日の読書記録—ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」

体調を崩す直前に、すごく動けるってことありませんか?私はよくあるんですよ。 この1週間は書きまくりました。ずっとまとめたかったことをいくつか形にできて、すっきりしたし楽しかった~~。今は反動で発熱。頭痛も始まったので土日は潰れることが確定し…

読書への後ろめたさと敬意―児島青「本なら売るほど」1巻感想・レビュー

児島青の漫画「本なら売るほど」を読みました。最近いろんな書店で平積みされていて、SNSでもよく見かけるので気になって手に取りました。 本なら売るほど 1 (HARTA COMIX) 作者:児島 青 KADOKAWA Amazon 古本屋店主の日常や、その周辺に住む人々の本にまつ…

世にも奇妙な数秘の世界(マカレン占いに行き、著作を読んだ話)

後で説明しますが、今日は諸事情あって占いの話をします。 占いを信じているかと言われると微妙なところです。どちらの道も間違っていない場合のアドバイスや、悩める誰かを癒すセラピー的要素としては悪くないなと思っています。 そんな私が横浜中華街のマ…

「1週間の読書記録」3ヶ月続けて見えるものは(2025年1~3月)

読書ブログを開設して間もなく2年、今年に入ってからは「ある日の読書記録」として週間記録を毎週つけています。4月現在で続いていること、読んだ本がたまってきたことから、振り返ってまとめてみることにしました。 やろうとした経緯や実感した効果、chat…

【2025年4月第1週】ある日の読書記録~じっくり再読と「本なら売るほど」~

今週もお疲れさまでした。いや~~、今週はいろんな作業が峠を越して、やっと人間らしい生活を取り戻した週でした。さすがに疲れた、昨日はたくさん眠りました。 読書としては、久々にぐっさり胸に刺さりましたね、「四百字のデッサン」。そして花見とともに…