BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

2025-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【2025年4月第5週】ある日の読書記録~カート・ヴォネガット、イリナ・グリゴレに学ぶこの世界の眺め方~

できないなら、やらないほうがいいらしい(ある人物談)。本当かなあ。 今週の読書は、軽やかな文体に抱えきれないほど重みのあるテーマで…気持ちのやり場に困っていたりする。 明日から自分の連休が始まるので、一旦ここで話して、あとは戻ってきてからじっ…

【2025年4月第4週】ある日の読書記録〜牟田都子、魚豊を経てアイザック・アシモフ〜

4月も終盤、来週はGWですね。衣替え、出かける準備などをちょこちょこしています。平日にやっておけば土日をお楽しみ時間にできる!と思って張り切ったら、もう今バテバテです。 読書のほうは、仕事の本からはじまり、マンガを挟んでファンタジー。いい流れ…

草森紳一「本が崩れる」感想~本に埋もれて、一本気に生きる~

よく行く古本屋があって、そこの店主とお客さんとの会話を聞くのが楽しみの一つになっています。(盗み聞き…ではなく!コンパクトな店なので自然に聞こえてしまうやつです) ある日、「本がありすぎて風呂場に閉じ込められた人のエッセイ」の話で盛り上がっ…

懐かしさと恋と違和感と。「九龍ジェネリックロマンス」アニメ感想と当時の記憶

こんなに晴れているなか、家にこもって「九龍ジェネリックロマンス」のアニメ1~2話を見ました。好き……があふれ出しそうなので、漫画を読み返す前に一旦話すことにします。(作業の手を止めて…いや全然進んでないんだけどさ…) この作品には「懐かしさと恋…

【2025年4月第3週】ある日の読書記録〜「本が崩れる」から始まる思考〜

今週はなんだろう、「凪」です。多分先週久々に友だちと会ったからで、心が穏やかになったせいか逆に何も進まなかった。 進む方向、こちらでよし。持ち物もあらかた揃ってる。もういつでも行ける。そこで安心して動かない感じ。 読書は先週に引き続き、一冊…

私たちは何も見えてはいないージョゼ・サラマーゴ「白の闇」感想・レビュー

ジョゼ・サラマーゴの「白の闇」を1週間かけて読んだ。 突然目の前が真っ白になり、失明する。一人の男から始まった謎の病は加速度的に蔓延し、世界が混乱に包まれる様子が描かれる。 白の闇 (河出文庫) 作者:ジョゼ・サラマーゴ 河出書房新社 Amazon 邦題は…

【2025年4月2周目】ある日の読書記録—ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」

体調を崩す直前に、すごく動けるってことありませんか?私はよくあるんですよ。 この1週間は書きまくりました。ずっとまとめたかったことをいくつか形にできて、すっきりしたし楽しかった~~。今は反動で発熱。頭痛も始まったので土日は潰れることが確定し…

読書への後ろめたさと敬意―児島青「本なら売るほど」1巻感想・レビュー

児島青の漫画「本なら売るほど」を読みました。最近いろんな書店で平積みされていて、SNSでもよく見かけるので気になって手に取りました。 本なら売るほど 1 (HARTA COMIX) 作者:児島 青 KADOKAWA Amazon 古本屋店主の日常や、その周辺に住む人々の本にまつ…

世にも奇妙な数秘の世界(マカレン占いに行き、著作を読んだ話)

後で説明しますが、今日は諸事情あって占いの話をします。 占いを信じているかと言われると微妙なところです。どちらの道も間違っていない場合のアドバイスや、悩める誰かを癒すセラピー的要素としては悪くないなと思っています。 そんな私が横浜中華街のマ…

「1週間の読書記録」3ヶ月続けて見えるものは(2025年1~3月)

読書ブログを開設して間もなく2年、今年に入ってからは「ある日の読書記録」として週間記録を毎週つけています。4月現在で続いていること、読んだ本がたまってきたことから、振り返ってまとめてみることにしました。 やろうとした経緯や実感した効果、chat…

【2025年4月第1週】ある日の読書記録~じっくり再読と「本なら売るほど」~

今週もお疲れさまでした。いや~~、今週はいろんな作業が峠を越して、やっと人間らしい生活を取り戻した週でした。さすがに疲れた、昨日はたくさん眠りました。 読書としては、久々にぐっさり胸に刺さりましたね、「四百字のデッサン」。そして花見とともに…

視覚的文章の妙―野見山曉治「四百字のデッサン」の感想に満たない何か

「どんな本が好きですか?」「おすすめの本とかありますか?」 気軽に投げかけるくせに、言われると一番困る言葉です。(なんならかわして言わなかったりする)でも、この本があるのでもう大丈夫です。 そのくらいに文章の味わい深さにうっとりしましたし、…

わたしの「四百字のデッサン」~野見山曉治の本を読んで~

野見山曉治「四百字のデッサン」は、周囲の人々や自分の過去について文章で描写している本です。 対象の物事をなぞるように緻密に描写してあって、人も過去も浮かび上がってくる。読んでいると、私もやってみたくてうずうずしてしまう。いてもたってもいられ…