BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

②誠実さはどこから香るのか~文章から感じる人間性とは

『「分かった!」と思わせる説明の技術』の感想を同時投稿しています。

3部作になっていて、これは2つ目。1つ目はしっかりめに本自体のレビューを書いたので、ここからはおまけという感じです。

この記事では、文章を読んで感じる「誠実さ」っていったいどこから香ってくるのだろう?を深堀りしてみます。著者はIT用語解説サイトを運営している方なのですが、それを読んでいる時から思っていました。「いい人」とも、「正直な人」ともちょっと違うんですよね。この感覚。

先に結論からいうと、誠実さは「ちょうどいい本音と決意の優しさ、そして一貫性の安らぎがありつつも近そうで遠い距離感のあるところ」に宿る、という非常に長ったらしいことになりました。

一個一個詳しく話してみるので、お時間のある方だけお付き合いいただけたら幸いです。

ちょうどいい本音の出し具合

あくまで私の場合の話ですが。いいことばっかり聞いていると嘘くさく感じて気持ちが離れがちです。社会に揉まれて擦れてしまったのかもしれない。

この方は、本音の出し方がうまいです。相手が「うっ」とならない程度の「本当はこう思ってるよ」というのを出してくれます。
どこか引用しようとしたんですが、この文章が!とかではないんですよね。全体が醸し出す雰囲気という感じです。

この本音があることで、安心して心を開いて読めるんです。不思議。

私は先日、この人はこれからも会う人だし、もっと知っておいてもらってもいいかな~と、10%→70%くらい本音の出力を上げたことがありました。結果、めちゃくちゃ引かれました。勢いをつけすぎたみたい。

笑うしかない、そしてやり続けて感覚を掴むしかないでしょう。

決意の優しさ

前回のレビューでは、本から最終的に『分かってほしいなら「ゆるさを愛せよ」』というメッセージを受け取りました。

会ったこともないので分かりませんが、著者は元々ゆるい人ではないと思うんですね。IT用語が分からない人に向けて、理解度0%→30%まで連れていくための決意のゆるさです。

もともとゆるくない人が、あえてゆるくして相手に寄り添って話す。これは決意した優しさでもあると感じます。ちなみに私の身近にもこういう人がいて、直属の上司です。

上司は本音が超ドライです。「おまえらとなんて、プライベートでは絶対絡まんよ」というのがビシビシ感じる不毛地帯のなかで、果てしなく優しいのが特徴です。

でもそこが働きやすくて、仕事が続いています。なんていうんだろう、長くなったけど「元々そういう人じゃないだろうに、あえてそうしてくれていること」に誠実さを感じるみたいです。

一貫性の安らぎ

こうしてまとめている間に、ふと出てきたものです。「この場所に行けば、こんな感じの雰囲気で、こんな気持ちになれるだろうな」と思うことの安らぎってあると思います。

著者のサイトは運営10年でその仕事を完遂しています。多分それって、結構素でやっているからなんじゃないでしょうか。おもてなしの心だけでは、ここまで来れないと思うんですよね。

ちなみに、私は著者のサイトに行くときは、「あのサイトに行けば、ゆるい感じの雰囲気で、でもしっかりためになることが聞ける」という信頼と共に訪れています。

私のブログってどうなんだろう。「あの読書ブログに行けば、まあまあの熱量で、普段読まない本について知れる」…ん?字面だけ見れば結構魅力的じゃないか?!一貫性はないです。

近そうで遠い距離感

これも個人的な意見です。気安くて、優しいけどしっかり距離感を保ってくれている感じ。紳士的な雰囲気に誠実さを感じます。

長く運営していると、内輪ノリになってきたりちょっと馴れ馴れしい感じになるんじゃないかな。

これは分かりやすさを追求した副次効果でもあると思います。前提知識がなくても頭に入るように、1から説明することで間口を広げつつ、最後の理解の部分ではたまに読者に続きを委ねます。分かるよね?って。

踏み込み過ぎない感じ。んー、これって結構難しいです。根がお節介だから話しすぎちゃう。解釈は委ねる、をいつかやりたいな。

誠実さは、振る舞いからほのかに香るもの

この記事では、本を読んだり日々サイトを読んだりするなかで感じる、著者の誠実さについて深掘りしてみました。

なんでやったかって、それはやっぱり、真似したいからでしょう。誠実でありたいじゃないですか。できたら。

結論は「ちょうどいい本音と決意の優しさ、そして一貫性の安らぎがありつつも近そうで遠い距離感のあるところ」に宿る、になりましたが、別に全てを兼ね備えてる必要もないと思います。

たとえ一つだって、振る舞いからほのかに感じるものですよね。これも前回のレビューと同じ締め方になっちゃいますが、実践していくしかありません。

なんと言うか、やってもないのに羨ましがったり、できないと嘆くのはおかしいぞ!とあらためて。著者のように一万回やるまでは、悩んだりするのをやめます。

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