BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧

真心で人は救えるか〜遠藤周作『おバカさん』感想

遠藤周作の『おバカさん』を読みました。以前読んだ『ヘチマくん』に続いて二冊目のユーモア小説ですが、こちらのほうが先に発表された作品です。 おバカさん (角川文庫) 作者:遠藤 周作 KADOKAWA Amazon 主人公はフランス人のガストン・ボナパルト。昔ペン…

読書ブログ3年目雑感(はてなトップ入り記念)

先日も話しましたが、書いた記事をはてなのトップページに載せていただきました。いろんな人に読んでいただき、新たに読者してくださった方までいて、嬉しいです。ありがとうございます。 あらためて自己紹介をすると、この読書ブログでは、読んだ本の感想を…

切り貼りで浮かび上がる思想と人生-カート・ヴォネガット『パームサンデー』感想

この記事は、カートヴォネガット「パームサンデー」を読んで「面白かった!」以外の何かの言葉で残しておこうとする試みだ。臆せず書いていこう。 パームサンデー ―自伝的コラージュ― (ハヤカワ文庫 SF ウ 4-21) 作者:カート・ヴォネガット 早川書房 Amazon …

やっぱり人は、物語を求めてる〜額賀澪『拝啓、本が売れません』を読んで~

190ページくらいの短い本なこともあり、久しぶりに一気読みした。 額賀澪『拝啓、本が売れません』 拝啓、本が売れません (文春文庫) 作者:額賀 澪 文藝春秋 Amazon 著者は「松本清張賞」「小学館文庫小説賞」をW受賞して華々しく作家デビューしたものの、思…

映画『国宝』を観てから考えていること

話題の映画「国宝」を観に行ってきたよ、という話。 夏休み明け、美容院/職場/友人と、立て続けに「国宝見た?」という会話があった。観るつもりもなかったけど、観た人たちの様子が妙に気になる。どう思ったか、どう受け取ったか、それぞれに誰かに聞きた…

遠藤周作に学ぶ、心に届く書き方『十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。』感想

私の数多くある欠点のうちの一つが「連絡不精」です。面倒くさい訳じゃないんですが、いや、結局そうなのかな。「なんて返せば失礼じゃないかな」「どんな風に答えたらいいんだろう」そういうことを考えているうちに返せなくなってしまうことがあります。 今…