BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

春の服選びを考える 〜「フランス人は10着しか服を持たない」を読んで〜

10年以上前に流行った本『フランス人は10着しか服を持たない(ジェニファー・L・スコット著)』を今更読みました。
読むことはないだろうと思っていた本を読んだきっかけは、家族からの「あなたはこの本を体現してるけどなんか違う!一回確認したほうがいい」とのアドバイスでした。

アメリカ出身の著者が、学生時代の留学で得た体験を振り返るエッセイ。原題は「暮らしの達人」とある通り生活全般について書いてあって、食から始まり、服の話は2章、社交や人生観などの3章と続きます。

フランスの上流階級の暮らしを目の当たりにして、自分の今までの生活のだらしなさを省みては取り入れていく。途中までは「フランス上げ」「自分(アメリカ)下げ」が極端に思えて挫折しそうになったけど、後半にかけて印象が変わりました。

自分に適しているものは何かを感じて選び、そこに集中・最適化していく。心地よいもので生活を満たしていく。そういうことの大切さを著者は話したかったのだと思います。

どうやら私はただ簡素にしていただけだったようなので、春に向けてできそうなことをピックアップしていきます。

服選びの実験はこんな風に

邦題が「フランス人は10着しか服を持たない」なこともあり、服の部分が一番印象に残りました。なぜ10着しかもたないのか?の問いのアンサーは「オンの服だけがあるから」だと思います。

私だったら会社/普段のお出かけ/とっておき用とバリエーションがあるけど、著者が出会ったフランス人たちは「とっておき」を普段から身につけている。イメージでいうと、昔なじみの友達に会う時みたいな温度の服。「私は今、こういうものが好きで着ているんだよ」っていうのが伝わる服というか。そういう感じです。

実際にやったら、おそらくごきげんになるでしょう。なんてったってとっておきのお気に入り服ですからね。選ぶ基準としては、「自分がなりたいイメージに合っているか」「似合っているかどうか」で、これは日頃から考えたり鏡を見てじっくり判断したいところ。

具体的にどうやってやるのか?を自分用にまとめておくと、以下の通り。

下着、上着などは除く10着とする

全部ひっくるめて10着ではなく、以下のアイテムは除いてカウントします。

  • 上着(コート、ジャケット)
  • アクセサリー(帽子、手袋、スカーフ)
  • 下着(Tシャツ、タンクトップなど)
10着は季節ごとに入れ替える

夏と冬では流石に必要なものが違いますよね。
日本なら春夏秋冬で10×4、他の季節のものはしまっておく場所を確保することを忘れずに。

本当に必要な数は、自分の生活スタイルに合わせて調整する

著者が提案するのが「とりあえず1ヶ月実験してみて!」なのがいい。
10までいったん絞ってみて、どうしても無理な部分は調整していく。いったんごっそり削ぎ落とすことで、自分に必要な量がわかってくるみたいです。

「オン/オフ」から「オン一択」へテコ入れ

これは私の場合。ちゃんと数えてみたら、今冬のワードローブは見事に10。ちょうどオン/オフ服が半々くらいでした。

  • パンツ×2
  • スカート1
  • セーター×5(うち4つは色違いで同じ形…!)
  • ワンピース×1
  • シャツ×1

昨年から鞄と靴に全振りすることにしたんです。といっても全然ハイブランドとかじゃないけど。ちょっといい服買っても、普段使いしてると結局2~3年でくたびれちゃいますからね…とはいえ、随分シンプルにしすぎました。うち8着はユニクロですもん。

今期でテコ入れするならセーターですね。4つ色違いで着てるんで、これを2つに絞って、柄物のシャツ(最近総柄に目覚めた)と、セーターの上に重ねるキャミ?ベスト?みたいなやつを組み合わせたら一気にバリエーション増えそうな気がします。

うわー、もう冬終わっちゃうのに、ちょっと考えたらすぐに浮かんだ。切り替えて、春から変えていきましょう。

春に向けて、服選びを考える

もともと私は服の素材、形、色などに結構はっきり好みがあるほうです。そういう意味では、フランス的(?)といえるかなあ、多分違うなあ。

著者は、なにも高価な服を買えと言っているわけではありません。「自分の生活に合う価格帯の中で、今の自分に合う一番上質なもの」をそろえることをおすすめしています。

私は収入が多くないので、このままユニクロ多数でもいいと思っています。形がきれいで生地が強くて、たくさん着てもへこたれないところが素晴らしい。まあでも、春は比率を半分くらいに減らして、ブランド服のコレクションのように「2025SS」のファッションを展開していこうと思います。

いまのところのテーマは「軽やか・爽やか」かな。ふわふわとした服を探しにいってきまーす!

(おまけ)沈黙は金なり

今日は思い切って服の話に全振りしたけど、3章の「沈黙」に関するところがじわじわきている…ここでは沈黙を恐れないことの大切さが語られています。

服だけじゃなく、いやそれ以上に、言葉選びにも人間の本質が宿る。私も無言の時間が苦手で、話過ぎてしまうのが自分の残念なところだと思います。余計なことを話してボロがでたり、必要以上に深刻な話をしてしまったり…もちろん、本当に悩んでたら相談したほうがいいけど、それを誰かれ構わずするのは違うよな。

このブログでも、ちょっと内面をさらけ出しすぎ。そんなの、今日初めて読んだ人がいたらびっくりしちゃいます。でも私は、なにもかもさらけ出してるブログを読むのが好きでもあって…ここは悩みどころです。「私らしいな~」という語り口はどこにあるか?温度感を探るきっかけとしたいな。