よく行くけど一切馴染めない街・三軒茶屋で、昔よく行ったけど一切馴染めなかった街・高円寺にゆかりのある人の展示に行きました。
キャロットタワー3階・生活工房でやっている「山下陽光のおもしろ金儲け実験室」。
高円寺の古着屋「素人の乱シランプリ」の元店主で、今はリメイクファッションブランド「途中でやめる」をやっている方の展覧会です。
実は二度目の来訪。一度目は入り口で断念したのでした(そんなことある?)。そこにはあまりにも高円寺がありすぎた…。
それでもやっぱりどうしても見たくて、家族に頼んで一緒に来てもらいました。無料で見れる小さなスペースでしたが、そこには自分の「素」で試して生きるかっこいい大人の姿がありました。
…いやほんと、かっこよかった、多分。…ん?ちょっと不安になってきたので、振り返りながら確認してみます。
内容は、物販と活動紹介
まずは展覧会の説明から。簡単にいうと、物販と商売活動の紹介という感じだったと思います。
入り口付近にはリメイク前の服が山積みになって置いてあり、出来上がった服は壁やハンガーラックにかかっていました。全部その場で買えるみたいで、著書「バイトやめる学校」、リメイクされた絵画なども売っていました。
合間合間に、この方の商売の成り立ちの紹介がされています。また、最後のほうには参考資料のようにいろんな本が置いてありました。
リメイクブランド「途中でやめる」
次に服の話。リメイクブランド「途中でやめる」は、安い、早い、低クオリティを謳っていて、材料はセカストなどの古着屋とかフリマで手に入れているそうです。
普通の服に大胆に文字がステッチしてあったり、全く異なるテイストの布がくっついてたり。
あまりの自分とのベクトルの違いに驚きつつ、不思議な魅力があって時空が歪んでるようでした。新作をアップするとすぐ売れちゃうくらい人気で、芸能人が衣装などで着たりもしているみたいです。
低めの志で死なずに生き抜く方法
思い返してみると1回目は多分、服のインパクトに圧倒されて入れなかったのかもな。それでもまた来ちゃったのは、チラシのブランド紹介文にあった「低めの志で死なずに生き抜く方法」という文言が気になったからです。
その方法とは、生活の糧を得るために「仮説」と「実験」を繰り返していくことだと受け取りました。
仮説と調査で展開
会場には「仮説」「実験」という2つの大きなパネルがありました。
「8000円のラーメンは食べないけど、1万2000円の寿司はあり得るよね」から始まり、高くても成立するものを、めちゃくちゃ手が込んでて安く作れば売れるよね、と展開していきます。
そこから、情報とモノ(ブツ)を集めて調査。そしてここから「人」を絡めていくのがこの方の持ち味のようです。
可能性があるのは「自分は嫌じゃない」こと
商売を考えるうえで大切なことは、「人は嫌がるけど自分はそんなに嫌じゃない」ことにあると書いてありました。
普通の人は面倒でやりたくないけど、自分は難なくできちゃうもの。この方でいうと服づくり。さっきの仮説でいえば、服なら10万円とか100万円とかもあり得ます。安い古着を仕入れて、付加価値をつけてそこまで高くない値段で売る。成立してる…!
頭で分かっても、それ一本でやっていくって、とてつもない勇気が必要に感じます。
実験では個性が爆発
「途中でやめる」での服づくりはあくまでこの方の一面でしかありません。ほかにも、無料で販売する「0円ショップ」(人を集めてリメイク素材を回収する…物々交換みたいなものかな)、ネットショップ・BASEをいち早く使い「直販システム」で消費者と直接やりとりする。「服・ワサビ・カセットテープ」で展開する新たな価値創造(?)など、さまざまな取り組みをいろんな人としています。
コンセプトは、資本主義への挑戦と、インターネットに勝つこと…この辺りを意識しているようです。
仮説・展開までかなり共鳴していたのが、実験で考えもつかないような発想に飛躍して見えなくなっていきました…これが、この方の個性であり、最大の魅力なんだと思います。
素でみんなと生きていくための糧探し
この展示会を無理やりまとめると「自分を活かして、素でみんなと生きていく」ことを試し続ける姿を見れる場所だったと思います。
遊牧民みたいな感じでしょうか。生活するために必要な分だけ儲ける。それも、自分で編み出した無理なくできる方法で。さらにそこには「みんなと」があるのが素敵です。
高くてもOKなもので、私が難なくできるもの…「まさに自分のためのもの」だと感じたら結構なお金をつぎ込むと思う、そしてこうやって書くことならいくらでもできる。
まとめると…あなたのための文章を書く??意味不明だ!!んー、そう簡単にはまとまりませんね。でも、頭の中にこういう視点が生まれたことが楽しいし嬉しいです。
それにしても、アウトプットのベクトルがぶっ飛んでて、理解できなくてもなんか魅力的で、そこにいま最高に酔っています。おもしろ金儲け実験室、スペース以上に、なんか詰まってます。
(おまけ)力が湧く人
この人の文章を読んでいると、謎の力が湧いてきます。雑居ビルの路地裏で、生活の知恵を聞くような空間…バイトやめる学校、買うものリストに入れました。