こないだブックカフェに行った時、普段読まないようなものに接してみようと、昼田祥子著「1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話」を読んでみた。
mi-mollet(ミモレ)というウェブマガジンの連載を加筆修正して書籍化したもの。
ファッション雑誌の編集者として長年働き、あふれかえるほどの服を持っていた著者が、断捨離したら「自分の心地よさ」に出会えていろんな方面にメリットがあったという実体験に基づいた話。
断捨離のやり方というよりかは、自分にとっての「必要」「不要」とはなにか?を考えさせるような内容だった。
わたしの服事情は以下のような感じ。
- 持ってる服は別に多くないけど、変わり映えがしない
- 昔買った高価な服が捨てられない
- 気にいった服は色違いで何着も買いそろえてしまう
あとはアクセサリーとかコスメとかが割と好きで…「服よりも細々としたものを処分しろ!」と家族に言われていたりもする。
量には悩んではなかったけど、年齢を重ねる上で似合う服は確実に変わっていくので、これからどんな感じに変えていこうかな〜?とは思っていた。そういう面で参考になった部分を紹介していく。
捨てられない服に対する感情
ワードローブはあなたが今どんな状態なのかを教えてくれています。
もっというならば、ワードローブに対して抱いている感情は、あなたの自分自身に対する感情とイコールです。(P52)
昼田祥子著「1000着の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話」より引用
この言葉が深めに刺さった。
わたしのワードローブ…特に、高かったからとなかなか捨てられずにいた服に対して思っていたのは「好きだったんだけど…くたびれてきてんなあ」だった。
実際くたびれてきている自分とイコールで結ばれて、自然とあれはもう手放そうと思えた。せめて服くらいはパリッと爽やかにしていたい。ブランド物でもくたびれてるとなんか一気に魅力なくなるもんなあ。財布も買い替えよう…
それでも、思い入れがあって捨てないと決めた服は2着ほどある。頑張って買った服はやっぱり捨てられない。リメイクとかして生き返らせたいなあ。
未来の自分が着ている服を選ぶ
未来のなりたい自分が着ているだろう服を、先取りして今から着てみるのです。(P167)
昼田祥子著「1000着の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話」より引用
これは早速やってみた。わたしが憧れるイメージは、凛とした大人の涼やかさがあって、でもなんか暖かみもあるみたいな雰囲気。(言語化難しい…!)
ずっと、すらりと足元まで伸びるネイビーのワンピースが気になっていた。特にイベントもないから買えずにいたんだけど、思い切って先取りして買った。昨日着てみたら、なんだろう、内側から笑みが溢れるような嬉しさだった。
しかも、街中に映る自分を見て想像力が働いてくるから不思議だ。こんな雰囲気であればネイルはこういう感じがいいよな、口紅はあれが合いそう。とかどんどん新しいイメージが湧いてきた。
久しぶりに前向きなおしゃれの感覚を思い出して嬉しかったな。
自分の心地よい服選び
- 高かったから
- トレンドだから
- 特定の場所に相応しいとされている服だから
上記のような考え方ではなく、「自分の心地よさ」に従うだけでよい。これは意外とできている部分もある。
昔から素材は綿か絹、重いものはNG、縫い目もできれば折伏せてあるもの、という謎のこだわりがあった。好きなシルエットは少しずつ変わったりもするけど、大まかには決まっている。そういう自分の心地よさは引き続き大切にしよう。
同じ服を色違いで揃えちゃうのもどうにかしないとと思ってたけど、いいや。なかなか自分の好きなのに出会えないんだもの、これだ!と思ったものは引き続き買ってしまおうと思えた。
服を手放す考え方
ここまで服に対する価値観の部分を紹介したけど、もともとこれは服の処分に関する本なので、手放すということについても触れておく。
著者が言っていた中で印象深かったのが「収納に頭を悩ませるほど物を持たない」という部分。頑張らないとできないことは絶対やらないと決めて整理していく考え方が面白かった。
断捨離特有の「捨てたら自分に必要なものが入ってくる」という考え方は、やった人にしかわからないんだろうなぁ。まあ、わたしはここまではしなくていいかな。
服に対する価値観の再考って面白い
服って毎日なんとなくで着ているので、価値観という視点で考えることなんてなくなっていた。おしゃれに目覚めていろいろ買って着た学生の頃は自然と考えていたような気がする。そろそろもう一度、「自分はどんな服が着たいか?」を自分に問う機会を設けようと思う。
「未来の自分が着ているであろう服を先取りして着る」っていう言葉が、個人的に一番しっくりきたな。実際にやってみたらイメージが膨らんで、これからもっと面白くなりそうな予感。
たまにはこういう本を読むのも楽しいな。とはいえ、結構人を選ぶ本かもしれない。家族のほうが服が好きだから、この本の概要を話してみたら「そんなことを考えないといけないの、大変そうだね…」って感じだった。気になっている方には、試し読みしてから買うのをおすすめしたい。