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読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

読書は悪癖かもしれない「本物の読書家」レビュー

これだけ毎日のように本だ、読書だとうわごとのようにつぶやくブログを運営しながら、人に「趣味は何ですか?」と聞かれても読書とは言いません。映画とか散歩、美術館巡りとか適当なことを言ってはぐらかしてしまいます。

何でだろう?と思うけど、好きなキャラとかも現実世界では割と言えない方なので、そういうことかな〜とあんまり考えたことはありませんでした。

この本「本物の読書家」にも、表立って読書が趣味だとは言えない人がいます。その理由が、なんかもうまさに…!という感じで、自分の理由もこれに違いないと考えるようになりました。

読破は不可能、果てしない道

どくしょ‐か【読書家】〘名〙 よく書物を読む人。また、学者をいう。

コトバンクより引用

この記事では読書が趣味→読書家という考え方で進めていきます。論理の飛躍…ではないはず!それでは早速、主人公の言葉からはじめていきましょう。

読書家というのも所詮、一部の本を読んだ者の変名に過ぎない。
わたしには、読んでいない本がある。
乗代雄介著「本物の読書家」より引用

この世にはあまりにもたくさんのか本があります。読んでいない本の方が多いのに、たった一部の本しか読んでいない自分が読書家と言えるはずもない。これは一般論として納得です。

過呼吸になるべく読んでいる恥ずかしさ

さらに主人公は、読書を過呼吸に例えています。これがまさに過ぎて…すごく恥ずかしくなりました。

過呼吸」によって引き起こされる症状には、ウィキペディアによれば以下のようなものがあるという。

「息苦しさ、呼吸が速くなる(呼吸を深くすると胸部に圧迫を感じる)、胸部の圧迫感や痛み、動悸、目眩、手足や手指、唇の痺れ、頭がボーッとする、死の恐怖を感じる、パニックになる、(まれに)失神」

……これは、まぎれもなく、読書がもたらす諸症状ではないだろうか?
乗代雄介著「本物の読書家」より引用

読んで息苦しくなったり胸が苦しくなったり…する…!してるわ…!というかそうなりたくて読んでいる節もある。とどめとして、過呼吸「この症状が原因として死ぬことはない」とも言っています。

わたしの場合でいえば、自ら過呼吸になるべく本を読み、直接死にもつながらないその症状を訴えるようにブログに書いているということです。
ああ…恥ずかしいな、人に言えないわけだ。

これからも気軽に読書家とは言えない…けど。

わたしは明日からも、趣味を聞かれたら言いましょう、「映画、散歩、美術鑑賞です。」と。そして夜な夜な本に対する過呼吸なる思いをこのブログに綴るんです。ああ、ほとんど変態、悪い癖だ。でもやめられないんだなぁ。

とはいえ、この人になら…!と強く思った時は、思い切って言っちゃうかも。このあいだ勇気を出して言ったから、わたしはこの作家を教えてもらえたんだし。もちろん他の人が趣味は読書って言ってくれたら、嬉しくなってぐいぐい話し込んじゃいますしね。

わたしにとってはまさにこの理由!でしたが、本にあったからと言って、ものすごく恥だと思うのも勿体無い気がしています。読んだ人に100%当てはまらなくても、こういう捉え方もあるという1つの参考には、とにかくなると思います。わたしは本当に、知れてよかった…。

ちなみにこの本にはあと1人、いや2人かな、欲望にあらがえない読書家がいます。説明しようとするとネタバレするので、今日はここまで。

著者の作品は、読むこと、書くことに執着めいた思いがある人には刺さるんじゃないかと思います。

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