BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

放っておくべきは自分の声だったー枡野俊明著「放っておく力」を読んで

最近いい感じに自己コントロールできてるかなと思ってたら、やっぱり出てきましたよ~自意識。いつまで私の活動を邪魔する気だ!首根っこつかんでお帰り頂きたいけど、あなたもまた私です。とりあえず話を聞いてみましょう。

そして一緒に読んだ「放っておく力」を振り返って、なぜ今回のようなことが起きたのか、ともに考えていきましょう。今日はそんな自分会議の記事となります。

自意識がいうことにゃ

先日、願ってもないチャンスが訪れました。私がほしい技術を教えてくれるという人に出会ったのです。そんなこと言ってもらえると思わなかったから、とても驚きました。
しかしここからが問題で、次に出てきたのは「恐れ」でした。

  • ご期待に添えなかったらどうしよう。
  • もらったものに、どうやってお返ししたらよいのだろう。
  • なぜ、私なんぞにそんなことを言ってくれるのだろう。

我ながらに歪んだ思考回路でまいってしまいます。おろおろ、しどろもどろに曖昧な受け答えをして帰宅。思ってしまったことは仕方がありません、事実ですから。

思えば過去にもこうやって自滅していったことが何度もありました。私の場合、行動を阻害するのはいつでも自分の心です。あなたさえ背中を押してくれたらどこまでも行けるのに!悲しいけど、それでも前に進むために本を読みました。「放っておく力」です。

本の概要

「放っておく力」は、住職の枡野俊明(ますの・しゅんみょう)が書いた心のあり方に関する本です。人間関係・仕事・家庭に振り回されて疲弊している人たちに向けて、「放っておく力」がどれだけ大切かを説いています。

全部で99のセクションに分かれていて、それぞれは2~3ページと短いのですらすらと読めます。その時々の迷いや不安に沿った内容を開いて、ざわついた心を落ち着かせるのによさそうです。

コロナ禍に出版された本で、人とリアルで接触しなくなったからこそ、改めて見直す人間関係、自分の心持ち、そういうものについて向き合うような本になっていました。

自意識に対する3つのアプローチ

ここからは、チャンス逃した3つの恐れや不安に対して、本を読んでどんなアプローチができそうかを考えていきます。

期待は軽く、共有する

「期待」というのは、するほうも、されるほうも、なかなかつらいものがあります。「58 期待しすぎない」より
枡野俊明著「仕事も人間関係もうまくいく放っておく力―もっと「ドライ」でいい、99の理由 より引用

今回、ご好意に対して一番に感じたのは「期待に添えなかったらどうしよう。」でした。それに対するこの本でのアンサーは「うまくいけばラッキー」くらいの気持ちで、軽く構えることでした。

まあ、それはそうなんだけどさ…とひねくれかけたんだけど、もう一度読んで、"するほうも、されるほうも”とあるのをみて、思い直すところがありました。

そうね、相手にも多少なりとも負担があるかも。その上で言ってくれている。なら、期待をしあうんじゃなくて、共有するのはどうだろう。

なんとなくの目標値を一緒に定めて、ダメだった時は二人で顔を見合わせて「今回はダメだったねえ。ごめんね」。そうやって笑えるくらいの温度感で行ってみようと思います。

ご好意に感謝、いつかお返しする気持ちで

次に思ったのは、「もらったものに、どうやってお返ししたらよいのだろう。」です。
"33「してあげたこと」はその場で忘れる"という章では、自分がしたこと以外にも、行為を受けた側についても話がありました。

自分が親切やお世話をしてもらったなら、感謝の言葉を返すことをお忘れなく。そして「何かのときに相手の力になろう」と強く心に誓い、実行する。人とのご縁を大切にするとは、そういうことです。
枡野俊明著「仕事も人間関係もうまくいく放っておく力―もっと「ドライ」でいい、99の理由 より引用

そうだよー、「ありがとう!」でよかったんだよね。委縮してすぐさまお返しできるかを探す思考回路って何?ここがかなりこんがらがってるから、念じるように「何かのときに力になろう!」と唱えておこうと思います。

手放すべきは自分の声

最後に思ったのは、「なぜ、私なんぞにそんなことを言ってくれるのだろう。」です。この発言自体が卑屈で今思うとぶっ飛ばしたくなるなあ。

見たくないもの、見なくていいものが見える。
聞きたくない声、聞こえなくていい声が聞こえる。
知りたくないこと、知らなくていいことを知る。
そして、それに「反応」してしまう。「42 情報の入り口を時々ふさぐ」
枡野俊明著「仕事も人間関係もうまくいく放っておく力―もっと「ドライ」でいい、99の理由 より引用

ここでは情報社会によって疲弊する心の話をしています。必死に収集する必要はなくて、ときには情報に対して目と耳を閉じる習慣を身につけることを推奨しています。

私は是非ともこれを自分に対してやりたいなあ。どうも、色んなことにビクビク怯えて委縮する癖があります。

失敗したり、誰かに非難されることから自分を守るためにこのシステムができたんだろうけど…やってみないと分からないことばかりなので、たまには押し切って前に進んでしまおうと思います。

なんだろう…もやもやが出てきたときの合言葉とか作るといいかもしれない。「ありがとう、でももう行くね!」とかね。

さ~、次は掴むぞチャンス

「放っておく力」にある99のメッセージを読んで、私が手放すのは自分の固定概念だとあらためて思いました。

自分の中のシステムにバグが多すぎて、よくこれでやってきたなあと思います。でもこのバグは個性でもあるので、確実に弱みではあるけど、着目すべきは弱点の補強じゃなくて強みを伸ばすことです。

多分、今回のチャンスは逃しました。ひとえに私の思考回路の未熟さが生んだことです。チャンスが来ても準備ができていないと逃します。
いつまでもくよくよしたってしょーがない!またきっと機会はあるし、なんならその技術は自学でもできたりすることなんです。スクールだってあるし。

そもそも人生を生きるとは、シナリオのない芝居を演じるようなもの。「予期しないこと」の連続だからこそ、自由にアドリブを繰り出しながら演じる面白さがあるのではないでしょうか。
枡野俊明著「仕事も人間関係もうまくいく放っておく力―もっと「ドライ」でいい、99の理由 より引用

予期せぬ、まだ見ぬチャンスよ!今日話した方法を実践しつつ、また何か機会があれば、その時はしっかりつかんで見せますよお。

(おまけ)「なあ、自分。器が小さいね」

嫉妬に関する章にあったこのフレーズ。すごく元気が湧いてくる言葉でした。
自分の心の声を放って行っちゃうなんて、「なあ、自分。器が小さいね」。大丈夫、必ず迎えにきて、今度は巻き込んで一緒に進んでもらうからさ、そっちこそもう少し器を大きくして待っててよ。そんな気持ち。

(私はKindle unlimitedで読みました。)