BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

【新潮文庫の100冊】2025夏の小冊子で振り返る読書レビュー

今年もやってきました、出版社の夏特集!見かけるとついつい小冊子を手に取ってしまいます。この間書店でもらってきた新潮文庫の冊子を見ていたら、以前レビューしたものが多くて驚きました。

今日は過去記事を掘り返しつつ、小冊子の特集内容に沿ってここにまとめてみようと思います。長いので心して、興味のあるところだけでも読んでくれたら嬉しいです!

シビレル本

ガルシア=マルケス「百年の孤独」

この本は昨年、オンライン読書会に参加した時のテーマ本でした。文体に慣れるまで時間がかかった記憶がありますが、読んでみてよかったなとは思っています。

物語では、ブエンディ―ア一族に関する様々な出来事がつづられています。そして感想にまとめたのは、「理想の死に様」と「理想の生き様について」。

人生を一生より遠い場所から眺めるような体験をしてみたい方にはおすすめかなと思います。

ちなみに、読むのに手こずった時の試行錯誤も記事にしてました。文庫化されてすぐだったからか、はじめて「バズる」を知った思い出の記事です。

愛する本

江國香織「きらきらひかる」

大切にしたい気持ちは本当なのに、結局お互いを苦しめ合ってしまう構図が読んでいて辛かったです。切なさとか虚しさとかで満ちた話なんですが、レースのカーテンが一枚挟まってるようなどこか柔らかな雰囲気があります。これは著者の作品すべてに言えることで、だからこそ愛されるのだと思います。

この後、何かの短編で続編を読んだのですが、個人的にはこの本で完結でいいと思っています。

考える本

朝井リョウ「正欲」

そういえばオーディブルに入会してたこともありました。隙間時間に読むつもりが、ハマりすぎちゃって隙あらば読んでしまうようになったので疲れて辞めたのでした。

正欲は正直言って、もう一回は読みたくないです。でも、最近の教師の不祥事とか見ていてもこの作品を思い出したりしてました。

今の時代の何とも言えない閉塞感を感じられる作品だと思います。

しかし、さすがに2年前のレビューは読むのがしんどい。だらだらしゃべる私の嫌なところがたくさん残っている。今、少しは読みやすくなっていると良いのですが…

土井善晴「一汁一菜でよいという提案」

ちょうど1年前くらいに読んでいた本ですね。夏バテして何もかもしんどかった頃だと思います。料理のスペシャリストに「ちゃんとしなきゃ」の呪縛をといてもらうような一冊です。今年は早くも体調が黄色信号で…この本を思い出して、味噌汁を作りましょう。

この本で知った炒めたキャベツを入れた味噌汁は、1年経った今でもレギュラーメンバー入りしています。

泣ける本

どうでもいいんですけど、「泣ける」っていいかた好きじゃないんですよね。ライムスター宇多丸も「な」を「ぬ」にしてみろ、そういうことだと言ってました。消費を感じます。

よしもとばなな「キッチン」

よしもとばななの作品は、自分が昔まとっていた空気に似ています。学生時代の友人たちと過ごしていた感覚的な世界です。もうみんなすっかり大人になって、それぞれの道を行って、あの空気には戻れそうにありません。それでいいんですけどね。

そのことをレビューでも話しています。

一番印象に残っているのは、後半に収録されている「ムーンライト・シャドウ」だったりします。著者が大学の卒論で書いたというこの小説が、この方の作品の中で一番好きかもしれません。

最後の最後にある「澄んでいく」という言葉が好きで、今でもたまに最後のページだけ読んだりします。あいさつを交わして、どんどん澄んでいく。物語の流れで紡ぐこの言葉に、すごく救われるんですよね。

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

大人になってから読む宮沢賢治は危ないです。足元がぐらついてどうしようもなくなります。銀河鉄道の夜はまだいいですが、「サガレンと8月」が恐ろしいです。

でも、また8月が来るから、青空文庫でこわごわと読もうかなあ…なんで恐ろしくなるのが分かってるのに読みたくなるんでしょうね。深淵です。

山本文緒「自転しながら公転する」

仕事・恋愛・介護。山脈のようにそびえ立つ悩みに主人公が等身大で惑います。
この主人公はリアルな分、あんまり人気がないでしょう。でもこれが現実です。

私は主人公の彼氏、母親、友人に感情移入しては感想を書き連ねていました。友人についてだけまとめず止まっているな…折を見て読み直して、まとめたいですね。(こういうこといってやった試しがないけど…)

小川糸「あつあつを召し上がれ」

これはちょっと笑っちゃうような思い出ですが、この本に全然入り込めなかったんですよね。当時は、最後まで読めた本はレビューするということを鉄の掟にしていたから無理やり書いたんですけど、圧倒的に読まれなくて、ああ、そういうのってやっぱり伝わるんだな~と思った記憶があります。

認められたいとかいう気持もだんだん薄れつつありますね。読書レビューブログはこれからどこへ行くやら…曲がりくねった道を面白がって進みましょう。

ヤバイ本

梶井基次郎「檸檬」※未レビュー

去年の冬あたりかなあ?読んだはずが感想に残していませんでした。あるいは途中で終わってるのかな…?今の悶々とした気持ちにリンクしている気がして、これから読むのんもありですね。

他にも、ぼくは勉強ができない/老人と海/博士の愛した数式/中原中也詩集/注文の多い料理店/ひとり暮らしは未レビューでした。

私が2025年夏に読みたいのは

幸田文「木」

先日「パーフェクトデイズ」を観てから、いつか読みたい本になりました。書店で偶然出会える日を待っています。映画の主人公よろしく、古本屋の特価コーナーでの出会い希望です。

國分功一郎「暇と退屈の倫理学」

これは多分絶対面白いだろうとふんでいる本です。見かける度手に取るんだけど、文庫本の千円ってどうしても即買いできない…!友達にこないだ図書カードをもらったから、それでチャレンジするのもいいかも。

外山滋比古的な読み口なんじゃないかと予想しています。当たるかどうかは読んでみないとですね。

本屋で本を選びたいね・夏

長々とお付き合いいただきありがとうございました!今回は新潮文庫の夏の小冊子に載っていた本で、レビュー済みの本を中心に紹介してみました。

めくるたび「あ、これレビューした本だ」っていうのがあって、しかもその記事のことをかなり鮮明に覚えていて、書いてまとめるってこんなに心に残るんだなと驚いています。

【新潮文庫の100冊】2025夏のおすすめ本を紹介!

本当はこのくらいの温度でやったほうがいいんだろうけど、やっぱり私は振り返ることしかできませんね。こういう人間です!ともう言っちゃってもいいかもしれない。

本って、おすすめされたからって読みたくなるもんでもない…と思うのはひねくれているでしょうか?誰かが読んでいる様子を見て、なんとなく気になって、本屋で見かけて手に取ってみる。そういう出会いに夢見ているところがあります。

本のファーストコンタクトってなんとなく物語を感じます。今年のあなたは、どんな本が気になるんでしょうね?私も行って、確かめてきます。