話題の映画「国宝」を観に行ってきたよ、という話。
夏休み明け、美容院/職場/友人と、立て続けに「国宝見た?」という会話があった。
観るつもりもなかったけど、観た人たちの様子が妙に気になる。どう思ったか、どう受け取ったか、それぞれに誰かに聞きたそうにしていた。
掘り下げて聞いてみると、賛否両論あるらしい。自分の気持ちをどっちに振ったらいいか測りかねる皆の姿に興味が湧いてきた。
YouTubeで予告編を見たところ、伝統芸能と血筋、才能、自分では動かせない領域がうごめく物語だと分かり「こりゃ〜私も、どっちに転ぶか惑ってみよう」と観てみることにした。
私が住んでいる地域では、公開3ヶ月後でも1日2〜3回上映している映画館が多かった。流石の人気!予約したのは朝8時の回。寝起きで国宝は、正直刺激が強すぎた。終わった後はしばし呆然としていたけど…あれから数日経ったいま、私の気持ちは「賛」に固まったので、以下感想やら考えていることやらを話していく。(ネタバレ気をつけたようで結局してるパターン。ご注意を)
何にも知らなくたって、こんなにも人間模様が美しい
まずはじめに、歌舞伎や原作小説など、何もベースがない私のフィルターを通した国宝なので、妄言は多めになる。「こんなふうに思う人もいるんだなあ〜」くらいで読んでいただければと思う。
そして歌舞伎パートは途中からフィクションが強めに感じたのでノーコメント、人間模様に焦点を絞って話していく。
主人公は、私からみると2人。
- 喜久雄(吉沢亮)
血筋がないほうの主人公。天才系。 - 俊介(横浜流星)
血筋があるほうの主人公。秀才系。
同い年の2人に共通するのは「温厚」だということ。
争いごとは本来好まない2人なので、ものすごくドロドロしそうなところがそうならない。はじめは違和感を感じていたけど、いや、これって多分気質なのよ。お互いそういう人間ってことなのよ。
もう一つ共通点があって、それは「演じること」への執着。好きってことなのか、それしかないって気持ちなのか、もうないまぜに「不問にしとけ」って渦巻いてる感じがする。
幼い頃から歌舞伎一筋に日々を捧げていた2人だから、お互いの気持ちのまっすぐさを見てきたぶん、思いやっている部分もあると思う。
歌舞伎という大きな一本道を、2人が右往左往しながら、ときに交差する。その生き様、人間模様が大変美しかったなあ。それは歌舞伎や原作を知らなくても分かった。
ハイライトは、俊介が感情を殺した瞬間
別に誰に感情移入をしたわけじゃないんだけど、看板役者・半二郎(松平健)の代役が決まった後、俊介の行動があまりに辛くて涙が出てしまった。
自分の気持ちを押し込めて、気遣ってしまうんだなあ。でもその後、やっぱり堪えらんなくて、途方に暮れちゃうんだなあ。春江(高畑充希)の気持ちが分かるくらいに、胸に迫ってくるものがあった。横浜流星の演技もすごいんだと思う。
あとはやっぱり後半の「曽根崎心中」のくだり。私はこの話を知らなかったんだけど、半二郎がこのシーンの重要性を伝えてくれたことで、伝わる量がぐっと増えた。2人で演じた最後の演目の時は目が離せなかったな〜。
最後の「鷺娘」も、できたら軽く説明もらえたらもっと入り込めたのかもしれないな〜。とも。
最終的に思うのは、「どう考えたってそう」の世界だということ
今の自分は、これまでの知識と体験でできている。目の前の判断をするのはその自分なんだから、選んだことや結果にそれ以上も以下もない。
「どう考えたってそう」の世界だな、と最終的に思った。
誤った選択をすることもある。だけど大きな一本道からは反れない。反れようがない。その気持ちがあることの大切さというか…美しさを観た。
一心に打ち込んでいると「どう考えたってそうなる」という流れが出てくるんだろう。
惑いまくっていいから、てかそういうもんだから。大きな一本の道を、心をともにする誰かと歩めたら、こんなに豊かな人生はないんじゃないかと思う。
憧れるけど…どうも性根が浮気ものなのか、興味の幅が広すぎて定まらない。
自由過ぎるのがいけないのかなあ。
ないものねだりだと分かってはいても、2人の生き様が羨ましくてしょうがない。
(おまけ)やっぱり原作が気になるよね
今日は映画「国宝」を観てから考えていたことをまとめてみた。いつもながらに一方的な見方で作品に申し訳ないけれど…観に行ってよかった、映画。
しかしながら…今私が一番気になっているのは、やっぱり原作のほう。喜久雄が最後に見た景色が、私にはどうしても見えなくて。上下巻を3時間にまとめた時にこぼれたものを拾ったら、もしくは映画で掴み取れなかった喜久雄の思いをすくったら、私にも見えるかもしれないじゃない?週末は本屋に行こう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
国宝が気になってる方へ。まずは予告編を見て、興味が湧いたら映画館で観るのがおすすめです。みんなと同じことを言うようになりました。笑

