ハン・ガン著「すべての、白いものたちの」を読んでいる。
知っているのはノーベル文学賞を受賞した人ということだけで、それ以外は何にも知らない。不勉強を反省しつつ…あえて調べずまっさらの気持ちで読んでいる。
それにしても、「すべての、白いものたちの」だ。「すべての、白いものたちへ」でも「すべての、白いものたちよ」でもなくて、「の」。
そしてはじめの文章。
白いものについて書こうと決めた。春。そのとき私が最初にやったのは、目録を作ることだった。
ハン・ガン著「すべての、白いものたちの」より引用
そこから、おくるみ、うぶぎ、しお、と続いていく。この文の紡ぎ方に惹き込まれて、コーヒーを飲みにいくかわりに、この本を買った。
今、一章の「私」を読み終えたところでなんとも言えない気持ちになって、一旦止まる。
こう…なんだろう、体の真ん中に形をもった切り込みがあって、昔から存在は知っていたんだけど、今からあらためてそれを見ます。そして実際に押し出していきます。そういう決意と、迷いと、苦しさと、全部いっぺんに感じてなんとも言えない気持ちになる文章だ…
著者も背景も何も知らず読んだ者の一時的な感想として。
何も知らないことが、「白い」という意味をもつならば。知った後にはどんな景色が見えるだろう。
(おまけ)意味不明ですみません。読み終えて、いろいろと調べたあとには全く別の目になっているだろうという予感がして、一旦書いてみたのでした。