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読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

ヤクザと中学生のカラオケ特訓物語―和山やま「カラオケ行こ!」マンガレビュー

この人のマンガは見かけると即買いしてしまう

和山やまのマンガ「ファミレスいこ。」を買ったので、まずは前作の「カラオケ行こ!」を再読しました。

カラオケ行こ!は、中学生で合唱部部長の聡実(さとみ)くんが、何故かヤクザの若頭補佐・狂児(きょうじ)の歌の特訓に付き合うことになり、カラオケに通う物語。これだけ聞くと何なんだ??って感じだけど、読むとすんなり世界に入れてしまいます。

やっぱ面白い~、この雰囲気。「夢中さ、きみに」「女の園の星」とかにも共通してるけど、作者の唯一無二の世界観だと思います。主人公と準主人公のちぐはぐなキャラの組み合わせも好きで、あと何気に関西弁なのも、入れ込むポイントになっている…個人的に!

いつもなら、あ~楽しかった!で終わるけど、今日はせっかくなんで少し深堀りしてみようかな。ということで「狂児が目的達成のためにやったこと」に焦点を当てて感想を話してみます。(以下、ネタバレあり)

目的:歌が上手くなりたい!!

ヤクザの狂児には悩みがあります。定期開催される組長主催のカラオケ大会で一番ヘタだと、罰ゲームが待っていること。これが素人がやる刺青で、痛いわ仕上がりは最悪だわ体に刻み込まれるわ、それは血眼で歌が上手くなりたいのはうなずけます。

目的達成のために狂児が行動したことは2つ。

①練習する

これはみんな日頃からやってるらしく、もう自主練では頭打ちで、何かしらの手を打ちたいらしい。みんなヤクザ家業をしながら裏ではビクビクと自主練に励んでいるのかと思うと、なんだか微笑ましくなってしまいます。

②習う

兄貴分がついにヤマハに習いに行ったのを見て、自分はああなりたくない!と思った狂児は、聡実くんをスカウトします。それでこうなるのも不思議だけど、きっとどうしたら歌うまくなるかな~って歩いてたらコンクールの看板を見かけて入り込んだ感じなんじゃないかなと思う…笑
けっこうそういう軽さ?があるところとか、考えたらすぐにまっすぐにやってみる狂児が目に見えるようで楽しい。応援したくなるんです。

本当にうまくなりたいのか?は疑問

狂児の努力を見ていると、本当に歌が上手くなりたいのか?ただ聡実くんと仲良くくっちゃべってたいだけなんじゃないのか?その辺の境があいまいに感じてきます。

聡実くんはなんだかんだ指摘が的確だし、キーが合いそうな曲を選んで教えてくれる仏のような優しさがあるんですよ。でも上手くなりましたね~、みたいな描写がないので、へんな癖がいつまでも取れないか、選曲のこだわりが抜けないとかそういう事なのかな。

そこまで深く考えなくていいんだよね

狂児にとっては何かしらの手を打つ(解決に向けて行動する)ことが大切なのかもしれないし、そもそもそんな必死にやるんだったらボイトレ行ったり誰かに弟子入りしたりするか!

そこまで深く考えなくていいんだよな、そんなゆるさがあるからこのマンガが楽しいんだと思います。

試写会、いいなー!

カラオケ行こ!は映画化されていよいよ今月12日公開。友達が上映前の招待試写会に行くらしくすごく羨ましい!!!狂児が綾野剛なのはハマってる気がしてる!

グッズ化したら欲しいもの

わたしは映画を観に行く予定は今のところないけど、グッズ化してたら欲しいものが一つある。

こういうやつ。著作権が気になり手書きでいくやつ

げんきおまもり。再読するまですっかり忘れていたこのお守りは、聡実くんが父からもらい、何故か狂児の手に渡るキーアイテム。こんなに見てて元気になるお守りは他にないので、もしグッズ化されていたらわたしは映画館に行くかもしれない。

試写会ってグッズ買えるのかな。お願いしてみようかな。

すっかりこの二人のことを思い出したので、続編の「ファミレス行こ。」を読んできますー。狂児は歌うまくなったかな、ファミレスってことは…もう歌ってないのかな?それではまた~!

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