BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

2人の関係の続柄はなんになる?−いくえみ綾「1日2回」レビュー

いくえみ綾「1日2回」を再読しました。39歳の幼馴染2人、結婚したものの訳あっていまはフリー。1日2回、ふと頭をかすめるのは、恋人でも家族でもないお互いのこと…
この空気感がなんともいえず好きで、たまに読み返してます。

ざっくりと内容

隣同士に住む幼馴染設定はよくみるけど、だいぶ大人になってからの本はなかなかないんじゃないかな。

主人公のれみは夫と死別して今は母親・りら、娘・るりと暮らしています。幼馴染の季(とき)は地主の女性と結婚して婿養子になったけど離婚。実家に帰ってきたところから物語はスタートします。

亡くなった夫の忠(ちゅーやん)は2人の共通の友人で、季とは親友でした。妻と幼い娘をのこしていくのは辛かっただろうな…その辺りも巻を追うにつれ少しだけど語られていきます。

恋愛ものではあるんだろうけど、そこはいくえみ綾の世界なので、くっつくかどうか以上のものがみれます。言葉では書いていない「思い」が、いろんなところに感じられるんですよね…

あとは割とコミカルな日常ものの側面も強くて、吹き出したりしながら読んでました。その塩梅がまたいい!

2人の関係の続柄はなんになる?

れみと季の真ん中には、いまも忠がいます。そんなの関係ない!と踏み込めないものがあるんですよね…

離れてみたり、近づいてみたり、揺れる2人を周りは見ています。母も娘も、見守っているのが印象的でした。

お互いに別の人と付き合ったり告白されたりもしてて、今後の展開は読めません。

2人は付き合ったり結婚しなくても、もう家族のような深い間柄ではあって…だからこそ難しいものがあるんじゃないでしょうか。こんなに互いに通じてるんだもの、続柄なんてもう関係なくていいんじゃないかとも思ってます。

れみはれみらしく、季は季らしく

れみはさっぱり強めな性格で、でも辛いことはあんまり人に言いません。季は柔和な雰囲気で人を和ませるものの、煮え切らない思いをいつも抱えています。

先はわからないものの、れみはれみらしく、季は季らしくいてくれたらいいなと思うばかりです。

多分、この物語に出てくる人たちも、おんなじことを思っていると思います。

とはいえ…2人のもやもやした関係が最終的にどう着地するのか?そこはかなり気になるので、これからも読もうと思います。

(おまけ)わたしはれみの後輩・江藤が好き!

れみはWEB系のお仕事をしてるのだけど、そこの部下・江藤がわたしはめちゃくちゃ好きです!!

無表情で愛想ない感じだけど真っ直ぐで、簡単には諦めないところがいいですね。れみとの仕事の風景も雰囲気がよくて羨ましいな〜。なんとなく、想いは成就しそうにないとは思うけど…頑張れ!と謎に応援しています。

6巻は来年になるみたい。結構先だー。楽しみに待ちます!

雑誌連載風に編集。ボケてるのはサイズが小さいからだよなあ…どのくらいがいいのか調べないとな。ちょっと今ブログの新たな表現方法模索中なので、不思議な投稿が増えます。