BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

【2025年3月第2週】ある日の読書記録〜ワンダ・ヒッキーから思いがけず、青春〜

まだ週半ばですが、明日から個人的な読書イベントを開催する(ただ二十四五を読む気持ちが固まっただけ)ので、今週の読書記録を話してしまおうと思います。

3月2週目の読書は「思いがけず、青春」という感じです。タイプは全然違いますが、みんな子供時代の大切なものが詰まっている感じがします。無意識にあの頃を追い求めてるのかな。

それでは「ワンダ・ヒッキーの最高にステキな夜の思い出」「左岸」、番外編として「魁!クロマティ高校」について書いていきます。

3/3(月)〜ジーン・シェパード「ワンダ・ヒッキーの最高にステキな思い出の夜」

家族が読み終わったものを拝借。先週から我が家では毎晩この本の話題がのぼっていたりする。短編集で、BB弾銃、喧嘩ゴマなどのキーアイテムから連想する追憶(または連想創作?)小説のようなもの。

第一話は、クリスマスプレゼントにおける子供の戦略についての物語。親の検閲によって弾かれてしまいそうなものを手に入れるために、自分にできることを考えながら頑張る姿が可愛らしい。

欲求が起こると感覚は研ぎ澄まされて、今まで見えていた世界が妙にくっきりしてくる。その感じに覚えがある。こういう感情はなかなか忘れない。

このまま感想を書き始めてしまいそうな気持ちを抑えつつ、引き続き読んでいく。

3/3(月)〜江國香織「左岸(上)」

ずっと本棚に眠っていた本。なんとなく「今だ」と感じて手に取った。

この本は辻仁成との共作で、男性主人公視点の「右岸」を辻仁成、女性主人公視点の「左岸」を江國香織が書いているらしい。それだけでも面白そうなのに、この物語に流れる「哀しい事実」をとりまく空気がなんともいえず好きで…

海に向かってゆく川の「左岸」「右岸」。これは、どうやったって二つが交わることはないってことなのかな。川の流れが止まればあるいは…?

今はまだ主人公たちは10代で、上下巻あるので晩年まで描かれるのだと思う。ただ受け入れるように読み進める。

【番外編】魁!クロマティ高校(アニメ)

突然だけど、今我が家では「メダロットサバイバー」が流行っている。中毒性のあるアプリゲームで、家族はゲームボーイ時代を懐かしみ、私はただ新鮮に、それぞれ時間を溶かしている。

クロマティ高校へは「メダロット→メカラッタ→メカ沢」という謎の連想で辿り着いた。

ラジオのハガキ職人の葛藤、腹話術で争うNO.2の座、甲子園に行って遭難…アニメを見返してると意外と覚えていて未だに笑ってしまう。個人的にはみんなで鼻歌の原曲を探す話が大好き。

それぞれがそれぞれの方向に真っ直ぐに進むもんだから、いろんなところでぶつかりまくって化学反応していくのがおかしい(最後急にふわっとして終わるところも含めて)。私はここに、なんかすごく大事な忘れものがある気がする…んだけど、ただ笑っちゃって、別に考えなくていいやと思う。

ちなみにマンガでずっと読みたいと思っているものの、本屋でもブックオフでも売ってるのをみたことがない。往年の名作みたいな本って、いったい今どこにいるんだろう…?いつか出会えたら読む!

青春は何系だったろうか

最後までお読みいただきありがとうございます。今日もつらつらと、今週接したものについて話してみました。

「ワンダ・ヒッキー」では、さまざまなアイテムから連想された短編に記憶を呼び覚まされてこそばゆい気持ちになり、
「左岸」ではもう戻れないあの頃を思いつつ淡々と受け入れ、
「クロマティ高校」では個性で前が見えないくらいの光を感じながらも、変わらない楽しい気持ちで笑いました。

私の青春とは何系だったのか?もはやぼんやりとしか思い出せないですが…こうやってみてみると、青春にもいろいろあるのに、どれもなぜかほんの少し通ったことがあるような気がします。そう思わせるのは、きっと創作者たちの力量なのだと思います。

それでは一旦、本を閉じて。二十四五に行ってきます。

二十四五

二十四五

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