BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

アニメ『チ。』第3章にどう向き合うかー 作品との距離感を模索する

アニメ『チ。-地球の運動について-』の第2章が終わり、脱力している。今15話で、全25話だからもう折り返してるのか…YouTubeの予告動画にあった「地球の運動について」というタイトル回収に、物語は核心に迫りつつあるのか、という気持ちになる。

この作品は地動説を扱う以上、たくさんの人の思想が踏みつけられ殺されていくことが分かっていたので、覚悟がないわたしは近寄らないようにしていた。

それでも、思想や宗教に関するテーマには興味があって、アニメを見ることにしてからも特定の人物に思い入れないように気をつけていたのだけど…バデーニという修道士のなりふり構わず真理を求めていく様に心打たれてしまい、うまく距離が取れなくなってしまった。

毎週末に心を決めて見ていたのが12話あたりで苦しくなり一旦やめた。先週一気見して、涙が堪えきれず…未だ冷静な気持ちになれないでいる。

今週からの第3章も見たい、というかこの世界を見届けたい。どうやって距離を保っていけばいいのか?心構えをつくるのに付き合ってもらう。

漫画はキツい、一旦アニメで追う

わたしの『チ。』履歴は、「1巻脱落勢」だ。3年くらい前、どこかの漫画フェアで後一つ買えば特典がもらえるタイミングで選んだ一冊だった。読んで、面白かった。興味深かったけど、それ以上読み進めるにはテーマも描写もしんどかった。そこまでして読む必要もないか、と先を追うのをやめた。

アニメを見た時、1巻を読んでいたからこそ再現度に驚いた。OP・ED曲とも調和して、印象的なシーンで見上げる星空にわたしも胸が高なる。残酷なシーンが控えめなのもありがたかった。やっぱり人が辛い思いをするのはしんどい。細部まで知りたいのでいずれ漫画も読むことになると思うけど、アニメがやってるうちはアニメで追っていこうと思う。

なぜか「天体の回転について」を読み始める

漫画はアニメが終わってから。それでも、何かしていたい。ラファウといい、バデーニといい、異端者がみな魅了されるこの大いなる問いはなんだろう。当然気になり、「天体の回転について」を古本屋で買った。6巻あるうちの1巻にあたるが、コペルニクスの思想を知るにはこれだけで先ず十分だ、とある。

旧字が多いし何言ってるか分からないところもたくさんある。だけど、訳者による序文内「古い学問の権威と根強い宗教の束縛から人間を解放して、自由に思索することを教えた書である。」(コペルニクス著「天体の回転について」より引用)の言葉に『チ。』のエピソードが重なって、これまでの総決算がここにある、という気持ちにさせてくれる。

分からなくても、いいじゃないか。先ず最後まで目を通してみよう。ちょうど読みにくいし、自分なりに噛み砕けるまでにあと10話の間くらいはかかるだろう。そう思った。

あえて遠くから、作品を俯瞰してみる

バデーニがこの行為を見たら、あの蔑むような目で一蹴されそうだけど、そこはオクジーが支えてくれる。彼はわたしにとっての期待の星のような存在だ。彼のように自分の疑問に正直に、自分の気持ちに誠実でいられたらと思う。ヨレンタみたいに、思慮深く導いてくれる存在がいたら…と思うこともあるけれど、それは願いすぎか。

まあそんな訳で、アニメと並行して難解な本を読んでみることにしたよ、という話でした。あえて小難しく学問という遠くに行って、そこから作品を俯瞰してみます。キャラが魅力的なのでうまくいくかは分かりませんが、大局的に見る練習だと思ってやってみます。

全国の視聴者のみなさんは、どんな気持ちでこの作品と向き合っているのだろう…?ネタバレとか他人の考えに流されるのが怖くて、SNSや検索はしばらく遮断しています。