BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

「物語持ち」の世界観 〜目を養う必要性〜

私には、物語を書いてほしい人がいる。それも2人。内容を具体的に知っているわけではないんだけど、「物語持ち」なのはわかってる。

あなたの目に映る世界を、私に見せてほしい。できたら分かるように…と思うけど、自分の目を養うことも必要だ。

今日は2人の物語持ちの話と、物語を理解する目を養うことについて考えたことを話していく。

同じモチーフを描き続ける物語持ち

1人は、ずっと同じモチーフを描き続けている。ポーズも構図も本当に変わらないので、以前の私はもどかしい思いを感じて「もっと他のも書けば?」とか言ってしまっていた。

最近では少し考え方が変わって、「その人は、どんな人?」「どういう道を辿ってきたの?」そういうことを聞くようになった。

すると出てくる出てくる。生まれから育った環境、出会い、話の行先、詳細まではっきりと見えているような話ぶりだった。

彼は誰かに伝わるように落とし込んでいないだけ、私には同じに見えるそのモチーフを描くことで、都度 物語は進んでいるのだ。

そう思ったら、何故だかがぜんやる気が出てきちゃって、「さっき言ってたことは、こうやって見せたらより伝わるんじゃないかな」とか自然とそんな話をしていた。

帰り道、あんなこと言ってよかったのだろうか…?でも、私はあの物語が読みたいと思っているんだよなぁ。ぐるぐる考えながら家に着くと、ラインで画像が送られてきた。いつも同じ角度だったモチーフが別角度で、いつもより視点が離れて全体像として描かれていた。

まだまだ私には、彼の見えている世界がわからない。でも何だか、物語が進む予感がした。

彼とは最近何の作品が好きとか、あんまりそういう話してないな…今度会ったらしよう。

すごい昔のマンガだけど、一緒に盛り上がっていたのは「かってに改蔵」。完結してから20年経ってる…!(戦慄)風刺だの皮肉だの、あの頃本当に分かって楽しんでたんだろうか?今読んだら感想が違うかもしれないなあ。

異なる世界に住む物語持ち

もう1人は、むかし物語を描いたことがあるらしい。小学生でマンガの投稿をするなんてとてつもない労力をやってのける、すごい子なんだ。

でも今は、なんだか理性的に生きてる。仕事が忙しいみたいだ。

彼女とは古い付き合いで、独特の空気をまとっていて掴めないところがある。たぶんだけどお互いにそう思っていて、でもなんとなくそれはそれでいーや、と細々付き合いが続いている感じ。

彼女には、いつも私とは別のものが見えている。そう思うのは、会わない間に摂取した本やマンガ、ゲームのストーリーへの考え方の違いにある。

"解釈違い"っていうのとはまた違う、"視点違い"というべきか…?私の物語への接し方は、基本的に「憑依型」、特定の誰かに入れ込み、深く深くのめり込んでいく感じ。対して彼女は、物語を遠くから眺めてしっかりと見届ける「俯瞰型」だと思う。それも、とても鮮明に物語を見る力がある。

彼女のレビューはなんていうか、じんわり響く。熱くなって話すこともあるんだけど、わたしみたいに「ウワー!!」って浴びせるんじゃなくて、ちゃんと伝わるように言葉を選んでくれる。

彼女に会うと、ただのファミレスでも日常とは別の空間になる。なんていうか…精神世界のような部分で話す感覚だ。わたしとは明確に、見えているものが違うんだと思う。

彼女の目に映る世界はどんなだろう。紡ぐ物語はどんな情景だろう。その景色を、わたしにも見せてほしい。

そんな彼女が、年内で仕事を辞めることになった。しばらく休むようなので、物語を書くいい機会なんじゃないかと思ってる。ただ、かなり疲弊してるので、言い出すタイミングが重要だ。一緒にのんびり過ごしながら、折をみてこの思いを伝えたいなと思っている。

ちなみに彼女にものすごいプッシュされつつも読んでいない物語に「カードキャプターさくら」がある。割と彼女のおすすめは読んでいるのだけど、この作品だけ10年以上もの間スルーし続けている…え、めっちゃやな奴に感じてきた、さすがに読もうか。

あなたの景色を見る「目」を養いたい

たとえ長く一緒にいたとしても、見えている世界は全然別物だ。私は身の回りの人のことをもっと深く知りたくて、何か表現してほしいと思ってる。

物語は本で漫画で「読む」ものだ、という先入観が私にはある。でも、人によってこれも全然違う。紹介した1人目の物語持ちのように、絵で同じものを書いているようで、差分を感じ取ったりする表現方法でみせる物語もあるのではないか。

自分の偏った物差しで相手を縛りたくない。でも、知りたい。だから、私はもっといろんな作品に触れて目を養うことが重要だと感じている。

今日話した2人には、物語を紡ぐ予感がある。紡いでくれたとき、その世界を心から味わいたい。そのためにも、これからも本に限らず雑食道を突き進んで、いろんな気持ちになり、いろんな心を育てたいなと。そんなことを思っている。

(おまけ)世界が見たい/踊ってばかりの国

この記事を書きながら、踊ってばかりの国の「世界が見たい」を思い出してた。聞いてた時は学生だったな。懐かしい〜。


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「アナタになって 世界を見てみたいよ 今のボクは 人を妬んでばかり」

今のわたしはどうだろう?妬みよりかは、好奇心でできている。

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