BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

本が読めなくなった。さてどうするか?具体的に考える

ここ10日くらい?本が読めなくなりました。厳密にいうと小説です。転職して1年とちょっと、1日だって欠かしたことはないのに。まぁ、長い人生こんなこともありますね。読みたくないんだから仕方がないと思いつつ、読みたい本はまだまだある!このジレンマと向き合ったらいい感じに方向がつかめたので、記事にします。

読めないのは死活問題

わたしは仕事でフラストレーションがたまったとき、好きな文章を読む+自分で好きなように書くと解消されてまた仕事が頑張れるっていういいループがあるので、今の状況は死活問題です。同じように、読書が生活や仕事に密接に関わっている人は多いのではないでしょうか。

原因はきっと読み疲れ(読書の幅を広げすぎた)

わたしの場合の原因…というかきっかけなんとなくわかっていて、この間読んだ「正欲」だと思います。わたしはこの系統の本がダメなのかもと、心が折れかけました。

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群像劇はとても好きなんだけど、この物語の登場人物全員、好きになれなかった。誰にも感情移入できないまま、しんどい気持ちだけが残って終わった。次に選んだ本も悪かった。重たいテーマで、、、暗い!暗い暗い!

これは本が悪いわけではありません。ひとえにわたしの気分の問題です。元々わたしは暗い話が好きですし、なんならハッピーエンドよりバッドエンドの方が現実味があっていいよねってくらいなんですから。

元気な時に読めばいいじゃん。というのもあると思いますが、読む前は元気だったんですよ。読んだあとどこまで気分が落ち込むかの予測はまださすがにできない。

読書レベルアップの予感

どうもおかしい状況が続いているので、これはおそらく読書レベルがアップする少し前でしょう。ジャンプする前は、一旦しゃがみますからね、今はしゃがんでいる時なんだと思います。具体的には、新しい本の読み方を体得できそうな予感です。

現在のわたしの本の読み方は、100%感情移入型。本の中の登場人物、考え方、世界観、何かしらに入り込んで、その視点から読み進めていきます。

しかしこれ、展開が重すぎると今みたいに後を引いて立ち直るのにすごく時間がかかる。時にはそういう時間も必要ですが、人生は限りがありますからね、いつまでも沈んでるのは性にも合いません。

おそらく次のステップは、全体を俯瞰(ふかん)して読むスタイルを確立することだと考えています。登場人物たちの3メートルうえあたりから、みんなの様子を観察する感じです。

体得すれば読める本の幅も増えるし、何より独りよがりな考えが減ってレビューの質も高まるのではないでしょうか。(わたし自身は、割とわけわかんない方向に走るレビューも大好きですけどね)

"俯瞰(ふかん)読み”体得への道を模索

仮説までは立てたものの、立証方法はまだわからない。こればっかりはいろいろやってみるしかないと思います。

◆勉強しはじめたのは「読み」の整理学(外山滋比古著)

この本では2つの読み方を紹介しています。

既に知っていることを読む「アルファー読み」と、未知の世界を読む「ベーター読み」。現代では読みにくい部分を排除した、舌触りの良いアルファー読みが多くなっている。しかしこれでは"わかることは読めるが、わからないことは読めない”ことになってしまう。

読んだ、わかった、と身近な知識を得る低次元な読書で満足するのではなく、未知の世界を読む方法を考えていこう。という、思考のプロが書いた「読む」ことに特化した本です。

著者は「読む」をテーマに対して本当にあらゆる角度から攻めていくからおもしろい。わたしがこれから体得したい”俯瞰読み”も、ある面では「ベーター読み」だと思います。この本を教科書としてじっくり勉強して、元気が出たらまた小説の海に溺れたいと思います。

それにしても読書の悩みを本で解決しようっていう自分の思考は、なかなかに活字中毒な気がする。

↓その後、ブレイディみかこ氏のインタビューを読み、この時の状況が「エンパシーが磨かれている瞬間」だったのではないかと思い直して、のろのろですが読めるようになりました。

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外山滋比古氏の代表作「思考の整理学」のレビューです。

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