BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

豆本ガチャを読む<旅する電浴豆ガイド>

先日「古代メキシコ展」で上野に行った際、駅ナカ豆本ガチャをしました。

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夏休みの土日ということもあり人人人…目が回りそうでした。結構海外の方もいましたね。

公園口を探してうろついていたら、大きなガチャガチャコーナーが!見かけたら最後、一通り眺めないと気が済まないほうです。最近のガチャは300~500円くらいが主流なんですね。高いなあ…と思いつつふと目に入ったのが、この豆本ガチャ。

となりのコスモ星丸も気になりつつ

小さい時にこういうのあった気がするなあ~と懐かしみながら引いてみると、出てきたのはこの<旅する電浴豆ガイド>でした。

豆皿に豆本を乗せて。縦5×横4㎝、厚み約7㎜。小さい。

電浴って、あの銭湯でピリピリするやつ!豆本だからとそこまで期待してなかったんですが、これがけっこう狭く深く攻めている本でした。全112ページをざっくり紹介しながら、ちょこちょこ感想を語っていきます。

<旅する電欲豆ガイド>ざっくり概要と感想

著者:けんちん 氏

日本全国の電気風呂巡りに5年を費やし、電浴した風呂は800軒を超える。はじめは腰痛の療養で始めた電浴も、気持ちがリセットされて眠りが深くなったという。この豆本は銭湯そのものの活性と、電気風呂愛好者が増えることを期待して制作した。

昨今の銭湯ブーム再来をけん引しているのはもしかしてこの方なんだろうか…?!ついこの間銭湯に行ったばかりだけど、電気風呂はなかったと思う。電気風呂はやはり衰退気味のニッチな文化らしい。

第一幕:電浴とは何か

「電気風呂に入浴する」のが電浴。電気風呂の特徴・効用・用語集と、一通りの解説がある。入り方にもコツがいるようで、6つの工程に分けて丁寧に説明している。

電気風呂メーカーは主力メーカーが3つあり、電極板や注意看板で推測できるそうです。さすが800ヶ所巡っている方だ。それぞれのメーカーの特徴まで綴ってあります。

第ニ幕:全国の電浴

全国の電気風呂がある銭湯を、解説付きでまとめている。温泉の効能…なわけはなく、電気風呂パワー(!)、電流のゆらぎ、交通アクセスがそれぞれ5段階に分けて記してある。

これがこの豆本のミソですね。全体の約半分がこの章に充てられています。電浴施設は、どちらかというと関西に多い印象です。わたしが住んでいる地域の銭湯も載っていて嬉しかった。

わたしが入りたいのは八戸中央温泉。身体全体に充てる電浴ってすごそう。
第三幕:電浴本体コレクション

裏方の従業員が触れる、電気風呂の操作板の紹介。

これは完全にマニアックな域に達しています。少し心配になるレベルのレトロなパネル。どれもシンプルなパネルで、だからこそ壊れにくいのかなと思ったり。

第四幕:インタビュー

電気風呂メーカーの人に著者が直撃取材。

ここまでくると著者の熱意に、こちらまでテンションが高くなります。水着で入れる混浴OKの電気風呂もあることに驚きです。あとは個人で欲しいと問い合わせをもらうこともあるらしい(つくれないそうですが)。好きな人は本当に好きなんだろうな〜、電浴。

みうらじゅんを思い出した

この豆本を読んでみて、みうらじゅん「ない仕事」の作り方を思い出しました。

ゆるキャラを世の中に浸透させたみうらじゅんの"ひとり博報堂電通だっけ?)”ぶりを見られる面白さと、自己戦略に使えるビジネス要素もある、とても興味深い本です。

まだレビューしてなかったので今度やりましょう(そう言っている本が溜まってきている気がする)。同じ著者だと、見仏記ならレビューしてました!

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小学校から仏像の写真をスクラップ→特徴を細かく記載していて、あまりのマメさに感嘆したり、かと思えばいとうせいこうとの見仏旅のなかでは自由気ままに仏に親しむ。

Wikiで調べたら血液型はAB型…几帳面なのかズボラなのか、つかみどころがないのも納得?です。

豆本…作りたいな。

こんなに攻めてる豆本を読んだら、むくむくと作りたくなってきました。わたしがつくるとしたら何だろう?書評を載せるにはスペースが小さすぎるし(そしてわたしの話は長すぎるし)、そもそも書評を本にしたとして、そこに需要はあるのか…?という悲しい疑問が沸いてきてしまいます。

なんだろー。わたしが読んでみたい豆本で考えると…

  • 古本街のゆったり本が読めるカフェ紹介
    (古本を買ったあと、喫茶店でそれぞれの冒頭だけ読むのが大好きです。しかし新規開拓せずずっと同じ喫茶店に行ってしまうので他も知りたい!)
  • 書評の面白い構成案を集めたもの
    (真面目なやつじゃなくて、ちょっとぶっ飛んでる感じのやつがいいな。間口がひろがりそうなやつを希望。)
  • 煮詰まってる時の気分転換の方法紹介本
    (適当に開いてすぐ実践できる感じのやつがいい、例えはでてこない。)

わー!欲しい!他でもないわたしが!

自分が読みたいと思う本をつくるの、いいかもですね。完全自己満足だけど、だれより自分がわくわくします。

豆本をつくるサイトとかもあってたのしそーーー!!!これ、あこがれのZINE制作の第一歩にいいかもしれません。いま読書スピードがガタ落ちしているし、ちょうどよい!

とはいえまだテーマがガバガバなので、このサイトでやってた青空文庫でお気に入りの作品を探して、豆本にするっているのをやってみようかな。

cocollabo.jp

豆本ガチャ、またどこかで見かけたらきっとやってしまうと思います。わたしも狭い狭いニッチな分野を、深く深く掘り下げたいです。