今週も仕事一色になりそうです。働く女性がテーマの小説「絶対泣かない」をレビューしながら、わたしも彼女たち同様になんとか乗り切ろうと思います。
- 秘書 : 絶対泣かない
- 派遣社員 : 働く”領分”を考える
- 水泳インストラクター : 人生の泳ぎ方を教わる
- デパート店員 : 人は見ている。誠実さは伝わる
5人目の主人公は地方テレビ局で働く女性です。タイムキーパーという専門の職業があることも初めて知りました。求人が出ることはあまりなく、成り行き上なるものらしい。日々、ディレクター、AD、カメラマンなどと協力して番組を作り上げています。
しかしある日、東京のテレビ局でディレクター経験のある女性が入社してきました。以来、その人の心無い言動で職場は荒れてしまいます。自分も嫌な思いをしながらも、職場の潤滑油的存在の主人公には、いろんな人からクレームやら相談やらが持ちかけられます。
みんなをなだめつつも、当の本人は変わらずツンツンしています。どうしたものか…と思っていると、決定的な事件が起きる。そこで、彼女が家庭の事情でやむなく転職してきたこと、本当は東京で頑張り続けたかったこと。やるせない思いを抱いていて、それが仕事にも現れてしまっていることを知る…。
彼女はもちろん悪い。でも、彼女が初めて本音で話してくれた。その独白を主人公は受けとめます。
自分ではどうにもできないことが、生きているとありますよね。なんでわたしが?なんで自分ばかり?そんな気持ちは確実に言動となって現れてくると思います。こればっかりは他人が直接どうこうできるわけでなく、自分で気付いて律するしかありません。でもだからと言って主人公は見離しませんでした。
主人公が取った対応には正直驚きで、わたしには絶対真似できそうにないけれど「一生懸命やっていれば、きっとうまくいくよ。いっしょに頑張ろう。」を伝える方法はいろいろあるんだと感じました。
わたし自身のことで言うと、私の上司は寡黙な方で、普段は必要以上のことは話しません。でも残業してあくせくしてると、ポン、とお菓子をくれることがあります。いつももらってばかりで申し訳ないな…と思っていたけど、あれはその方法の一つなのかもしれないなと思ったり。
気持ちを押し測るのは限界があるし、言葉で励ますことが基本ではある。時と場合にもよる。でもわたしなら、言葉以外に何ができるだろう。そんなことを考える話でした。