BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

ある日、とある古本屋での出来事

先日古本屋に行くと、店主とおじいさんがこんな会話をしていた。

「…と言うことは、買い取ってももらえないと言うことなんだね」

「そうですね、うちは小規模だし、そういった種類は扱ってないんですよ。」

「哲学とか、歴史とかもあるんだけど難しいかな、〇〇とか」

「実際に見てみないとなんともですが、今聞いた〇〇は買い取りが難しいです」

それでもおじいさんは諦めず、いろんな角度で攻めるけど店主も譲らない。当たり前なんだけど店内の本棚には限りがある。変に買い取って並べてもずっと売れないのでは商売にならない。本にも流行り廃りがあって、もしかしたらその本が今後値打ちが出るかも知れないけど、今現在は需要が低い。要約するとこんな話だった。(声がまぁまぁ大きかったのと…興味があったのでつい聞いてしまった)

あと、小さな古書店に買い取り相談する時には、背表紙を写真に撮って見せるとすぐに買い取れるかを言えるので助かるとも言っていた。なるほど確かに。

会話の端々から、おじいさんは自分の本棚に思い入れがあり、それでも余生を考えて値がつくなら手放したいという気持ちが伝わってくる。聞いちゃってごめんね…良い値段で買ってもらえるところがみつかればいいね…と思いながら本を眺めていた。

今ちまちまと集めているわたしのこの本たちも、あの世に持っていけるわけでもないのでいつかは手放すことになるんだろう。ドッグイヤーだらけでほとんど値がつかないことは覚悟しているけれど、せめて誰かの手に渡ってほしいなと考える。捨てるのは寂しいもんなぁ。あ、でも本当に思い入れのある本は、一緒に棺桶に入れてもらおう。そうしよう。