今日は、いい感じに本と出会えたときの話をする。
先日、祖師ヶ谷大蔵にある貸し本棚のお店「BOOKSHOP TRAVELLER」に行った。一般の人が棚主(店主)になっていて、小さな本屋がたくさんあるイメージの店だ。中に入ると、「東京となかよくなりたくて」という本のイベントをやっていた。
まず、きれいな薄むらさきの表紙と好きな感じのイラストが目にとまった。中を覗くと東京のいろんな地域にまつわるエピソードがあって、過去を振り返るような文章にイメージが膨らみ惹き込まれた。イベントスペースのイラストの原画を見たらさらに想像が膨らんできて…あっという間に買ってしまった。
あの日の空気感を忘れたくなくて、書き残しておく。
イベントスペースでふくらむ想像
このお店は2階構造で、1Fが貸し本棚スペース、2Fは貸し本棚+イベントスペースになっている。貸し本棚は木箱が積み重なってて、それぞれの箱の中で棚主たちが自分の世界を作ってる感じがいい。
1Fの入り口でイベントの本をじっと眺めていると、2Fに絵を飾ってるんですと声をかけてくれた。2Fに行くと、額に入った原画らしきものが点々と並んでいる。
番外編として祖師谷大蔵のエピソードが文章+イラストで飾られている。「ここで生きている人も確かにいて、いまもそれぞれの話の途中なんだなあ」とか、「わたしがかつて生活してた、あの土地はいまどうしてるかなあ」とか、そんな想像で満ちていった。
途中、出版社の人(月と文社 という個人出版社が出しているらしい)が声をかけてくれた。それぞれの話にテーマ曲があって、プレイリストがyoutubeとかに上がってるからよかったら…とのこと。音楽とも連動してるんだ!
本とか音楽とか、よく聞いていた時代に戻れるようなところがあるよなあ。パラパラ見ていたら結構知ってる曲もある。うーーーん、読みたい。というかいま思い浮かんでることをもろもろふくらませたい。1冊手に取ってお礼を言い、レジに向かった。
階段の近くでは、イラストレーターの人がイベントで似顔絵を書いていた。この本のイラストがそのまま人になったみたいな、雰囲気の柔らかな素敵な人だった。
出版社の人の、奥ゆかしくて誠実に説明してくれた人柄にも心が動いたなあ。
たまたまが重なり本と出会えた、きょうはいい日
こんなかわいらしい本を手に取ったのはいつぶりだろう?
用事ついでになんの気なしに寄った本屋で、たまたまやっていたイベントで、いつも買わないような本を買ったのだった。
不思議な満たされ方をして、お店に入る前と後ではまるで気分が違った。よい本の出会い方だなと思った。
ちなみに、今週の日曜日(2024/7/28)までイベントをやっているみたい。わたしはああいう雰囲気が好きだなあ。たんたんと、もくもくと、静かに好奇心が満ちていく空間だった。
記憶を辿ってうっとり書いたけれども、他人にとってはどうってことないような話な気もしてきたな。でも、わたしにとっては、ぴったりと自分のいまの気持ちに合う空間だったんだよー。それが言いたかったんだよー。
次は中身について話そう。とはいえ、たくさんイメージが湧いてきて収集がついていない。しばらくこのままいろいろ考えて遊びたい気分だ。