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読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

【宝石の国・読了】変わっていくなかに変わらないものをもつこと

宝石の国、全108話読み終えた。

こんなに変わっていく主人公を見たことがない。変化は良いことなのか、悪いことなのか。1週間考え続けたけど、分からない。分かるはずもないか。いまもこうして、みんな少しずつ変わっている最中なんだから。

ずっと反芻し続けて、何とかかみ砕けないかやってみたけど、分かった気になるばかりで難しい。今の段階の理解ということで感想を話していく。ネタバレする。

ざっくりとあらすじ

宝石として生きる自分たちには、終わりのない命と輝きがある。そんな私たちを装飾品にしようと、月人(つきじん)は日常的に襲ってくる。立ち向かうため、奪われた仲間を取り戻すために戦い、傷ついたものには医療を施し、また戦う。そうして今日も生きている。

主人公・フォスフォフィライトの性格と成長

主人公のフォスフォフィライト(以下、フォス)は、宝石としての硬度が低い。ちょっとした衝撃ですぐ壊れてしまうため、戦いには不向きな宝石だ。不器用で注意力散漫、口だけは達者。そんな彼には、他に任せられる仕事もない。

しかし、物語の途中でアゲート(貝類)や金など、いろんな素材が混じっていくことでフォスは変化していく。できることが増え、戦いにも出られるようになる。徐々に仲間から頼られるようになり、それが成長のようにも感じられるが…

フォスの葛藤と変化

できることが増え、視野が広がったことで自分の親のような存在・金剛(こんごう)への猜疑心、月人への興味が表れ始める。

色んな要素が混じっても自我を保ち続けていたフォスだけど、真実にたどり着いてからの行動には、フォスの成分はどのくらい入っていたのだろう。

仕事を任せてほしい/強くなりたい/認めてほしい
から
みんなのために/失ったものを取り戻すために/"宝石"を守るために
へ。

もとから?そうだった?もう分からない。

影響を受けて変わっていくことの脆さ 

宝石としてもろ過ぎたフォスは、他の成分と共生・共存することで生き延びてきた。それは"影響を受ける"という事でもある。

他の宝石たちと、月人と話すなかでも、とにかくフォスは流されやすい。だからこそ、揺るがない信念をもつシンシャ・アンターク・カンゴームに特別な思いがあったのかもしれない。

ーー彼はもっと強くなりたかったし、認められたかったし、必要とされたかった。そのためには文字通りなんでもしたし、必要な犠牲は払った。それで得たものがこれだったことに、胸が苦しくなる。

どこで間違った?ーーそう思うけど、さかのぼって読んでみても、どれも、好奇心が強く純粋な気持ちをもつフォスらしい選択だったのではないかと思う。

振り返ると、他の宝石たちはいつもフォスの身を案じ、時に諭し、引き返すように説得するものもいた。それでも止まらなかった。

これが、フォスが獲得した"人間性"ということなのか。

物語のテーマに思うこと

フォスは、自分の望みに気がつく。でももう、何もかもが終わったあとだ。

自身の望みの正体は知ろうともしなかった
満たされるはずがない

市川春子著「宝石の国」より引用

多くを手に入れた人の物語を読むことがあるけど、フォスと似た孤独を抱えているような気がする。

私は、今も昔も足りないものが多すぎて、それを得るために奔走する日々だ。全て手に入れた先に何が残るのかなんて考えてもいない。渇望の日々で終われるならまだましで、仮に全て思った通りになってしまったら?その先に何もなかったら?

この作品を通して、自分の「真の望み」を知ることの大切さを、突きつけられるように教わったのだと思う。

最後の転調について、今の自分の解釈

フォスは、またフォスフォフィライトとして生きる。"宝石の国"は美しい。割れても、それもまたいいねといってくれる新たな世界だ。

歴史は繰り返すことはわかっていても、ほんの一瞬のあいだ、彼が彼のままで満たされる時間が確かに存在したというこの描写が、作者の主人公に対する労いだったように感じた。

すべては変わっていく そうでしょ?

市川春子著「宝石の国」より引用

変わっていくなかに変わらないものをもつこと。本当に難しい。

この物語は、もっともっと遠くから俯瞰して読む必要がある。でも、宝石の輝きに目を奪われてしまうように、一人ひとりの宝石たちの考え方や生き様に心動かされて思うようにいかない。

わたしもこれからまたどんどん変わる。ずっと後になって再読した時、もっと深いところでこの物語を感じ取りたいと強く願う。

私は、金剛が初めて与えてくれた仕事、博物誌の編さんをするフォスも見てみたかったよ。思えばそこに惹かれて読み始めたのだから… 

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【AC部が異色コラボ漫画】キャンバれ!郎太桃(ろうたもも)が面白い

AC部がまた楽しいことしてる…!!

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今日は、コロコロコミックの電子版で4月から連載を開始した「キャンバれ!郎太桃」をレビューしていく!

もー、面白かったし楽しかった!!いつも「社会的に逸脱しないこと」を重視して生きているわたしには、定期的にこういうぶっ飛んだものを接種する必要がある。

それにしても、デザインを扱うギャグ漫画ってなかなかないんじゃないだろうか。なお、主な読者層の小学生にも面白いのかは、謎!

異色なコラボ漫画

まず、この漫画は「 AC部 × Canva × コロコロオンライン 」の異色コラボ作なんだと言うことを伝えたい。知らない人もいると思うので、それぞれの勝手な印象を話してみる。

  • AC部
    多摩美卒の2人組クリエイター。
    昔熱く語ったので詳しくはこちらをどうぞ↓

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  • Canva(キャンバ)
    初心者でも気軽におしゃれなデザインができると評判の無料デザインアプリ。

  • コロコロオンライン
    小学生の時に流行っていた「コロコロコミック」の電子マンガ。アプリがなくても読めた。

ちなみに、このマンガは「Canva公式」らしい。キャンバってなんとなく、大人スッキリ系デザインに特化してるイメージだった。なのでAC部と組んでるのも謎だし、何より子供向けギャグ漫画のイメージが強いコロコロコミックに出てくるのも意外だな~。

いよいよ子ども世代への普及に本腰を入れてきたのか…?!これ読んだらお母さんに「キャンバ使いたい!」っていう子が増えるんじゃないだろうか。どうだろう。

あらすじと用語解説

次に、あらすじと用語の紹介をしていく。

<簡単なあらすじ>

主人公で小学生の朗太桃(ろうたもも)は、デザインがクソ下手なことで有名人。デザインの授業でも圧倒的にダサいデザインを錬成しているけど、別にそこまで気にしてなさそう。そんななか、突然犬型のパソコン「いぬパソ」が現れ、うまくいかないのは「ダサ鬼」という鬼に憑りつかれているせいだという。
こうして主人公はいぬパソと、キャンバを使ってダサ鬼に立ち向かうのだった…

<用語解説>

いわずもがなの童話・桃太郎ベースで話は進んでいくのだけど、なにしろAC部のセンスが爆発しているので、特徴的な用語が飛び交う。一部抜粋して紹介する。

  • デザい
    素敵でおしゃれなデザインのこと。
    例文:そのポスターつくったの?めっちゃデザいね!

  • キャンバる
    「Canvaを使って頑張る」の略
    例文:今日もキャンバってブログのアイキャッチつくろーっと!

  • デザしめる
    「鬼をデザインで懲らしめる」の略かと
    例文:朗太桃「ダサ鬼のやつめ…デザしめてやる!」

小学生…というか大人になったいまも謎に略すの大好きだから、こういうところからもこの作品が好きになっちゃうな…!!

わたしも、キャンバってみた

読んだらやってみたくなるよね!というわけで、Canvaをインストールしてみた。実は昔ワードプレスでブログをやってた時、ほんの少し使ったことがある。
キャンバの良い点は、テンプレートが多彩なところだと思う。名刺、チラシからブログのバナー、インスタ広告までなんでもござれな素晴らしさ。吹き出しとかも選べちゃう。
あとはテキストや画像の位置を「そろえる」のがすごく簡単なので、何にも知らなくても直感的に動かせるのがいい。

はい、できました

仕事のお昼休憩10分くらいでこの通り。

背景はキャンバっぽくしてみたんだけどうーん、これでは多分、デザしめらんないなあ。いぬパソがくすぐったがってると思う。でも楽しかったからいいか!

郎太桃とともに…ダサ鬼をデザしめたい!

「キャンバれ!郎太桃」は、コロコロオンラインで月1更新。全何回かはわからないけど、これからいろんな種類のダサ鬼を見つけては、デザしめていくんだろう。次も楽しみにしている。
次こそわたしもダサ鬼をデザしめたい!!

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おまけ話

(1)郎太桃の名前にツッコミ続ける、ツッコミ名人がなんかすごいコロコロコミックって感じがする…20年くらい前の記憶だけど!

(2)なお、多才なAC部は、絵本も出しております。大人も子供も楽しめるのはこの「イルカのイルカはかるいのかるい」。回文の絵本になってて、かわいい感じ。

大人向けの絵本はこれ。上のイルカくんとは全然違いますよね?実はこっちのほうが初期のイルカくんになります。わたしはこっちのイルカくんも大好きです。

イルカのイルカくん

イルカのイルカくん

  • 作者:AC部
  • ロクリン社
Amazon

どれにも絶妙にピントが合わないな

これはセラピーボールといって、握ると不思議と心穏やかになるかもしれないボールです。わたしは机の近くにいつも置いています。永遠と紹介し続けられそうなので…今日はこの辺で!お読みいただきありがとうございました!

いぬパソバージョンも書いてみた。お絵描きは慣れるの時間かかりそう。楽しい 

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ダンジョン飯おかわり3杯目ー登場人物と自分の性格を照らし合わせてあれこれ考える

ダンジョン飯の感想、話し足りないのでおかわり3杯目。ネタバレあり。

今日も読み返してたのだけど、登場人物それぞれの個性が、良い点も悪い点もお互いに補い合って、見事に調和していくのが心地いい。

わたしには、矛盾する自分の感情同士の対立に振り回されてしまうのが長年の課題としてある。「自分自身と調和する」という目標に向かって、こうして日々書いて書いて考えている訳だけど…ダンジョン飯のラストを見ていると、これぞわたしが願う精神世界だと感じる。自分の人生のラストもこうでありたいなあ。
そして、どうもやっぱり登場人物が全部自分の中にいるような気がしている。強弱はあるにしろ。

登場人物の人物特性

それぞれの人物特性を、思いつくままま箇条書きにしてみる。

  • ライオス【好奇心】
    好きなものを好きだと思い続ける力、対象をフラットに見られるところ
  • マルシル【理想】
    知識欲、こうありたいと願う力
  • センシ【探究心】
    使命を定め、一途にやり続ける力
  • チルチャック【経験】
    常識的、現実的に考える力
  • イヅツミ【野生味】
    自然体な気持ち、生理的欲求
  • ファリン
    慈愛 感覚 何かを美しいと思う心
  • シスル
    過去への執着 過去を大切に思う心
  • ミスルン 失意 再生
  • カブルー 観察 調整
    【】の中は、翼獅子からの評価を記した(12巻P.88より、イヅツミだけとってつけたようなの笑う…)

自分の中にいるのはだれだ、足りないのは誰だ

わたしの中に強めに出ている特性はセンシ、ライオス、ミスルン。

ミスルンほどの喪失感などあるわけないけど、日々それなりに失意を感じながら生きている。

最近はあんまりそういうことを注視しないようにして方向転換。ライオスよろしく好奇心のままに興味のあるものに触れていく。センシ的なアプローチはこのブログがそうで、いろんな興味について調べたものについてここで探求するイメージ。

ミスルン→ライオス→センシをじんぐり回る感じでここ一年やってきている。まさにセンシが言うところの「野菜くずの人生」という感じ。

これから大切にしたい特性はマルシル、ファリン。

とはいえ、なんかこう…ずっとわちゃわちゃ駆け回ってるだけで、積み上がってない感じがしている。マルシルのように知識を得ようとした方がいいかも、でもそのぶんちょっと頭でっかちになってしまうんだろうか。

最終的になりたいのは…ファリンなのかもしれない。というか、足元の幸せをちゃんとみたら、いますぐでもファリンになれそうな気がするのに、なかなかそれができないでいる。

いつもあることを忘れないようにしたいのは、シスル、イヅツミ。

生理的に「思わず思ってしまうもの」に蓋をしたくないし、過去に囚われる自分が「いるな」ということは忘れずに持っておきたい。どちらもなくなることはないので、認識しておくことが大切のように感じる。

チルチャック、カブルーは課題点か

こうやって書き出して分かったのだけど…わたしの行動する歯車の噛み合わせが今ひとつなのは、チルチャックとカブルーの特性を軽んじているからなのかもしれない。

放っておくといつまでも空想の世界に浸ってしまうので、チルチャックの現実を見るところとか、カブルーの状況判断、調整していく力も大切にしなければ。論理的思考からは逃げられないということか。

翼獅子の振舞いを自分にも取り込みたい

登場人物と自分の性格を照らし合わせてみたものの、さてどうするか。そこで重要なのが翼獅子のアシストなんだよなあ。

自分たちの力を信じろ
私と共に地上に出よう

久井諒子「ダンジョン飯(P88)」より引用

誘導していたとはいえ、翼獅子のいうことには励まされる所が多かった。やりたいことに対して、すごくいいアシストなんだよ。悪魔だから敵なんだろうけど、どことなく「翼獅子もつらいよ」感が漂っていて、わたしは結構好意的だった。なんでもできちゃう人ってこんな気分なんだろうか?

まだちゃんと振り返ってないんだけど、ライオスとの対峙の部分、あそこににじみ出る翼獅子の思いをくみ取りながら、翼獅子がダンジョン主をアシストするような気持ちも自分の中に組み込みたい。

自分の全部を丸ごと抱きしめるために

ただ生活しているだけでも、生きてるといろんな気分になる。その時々で出てくる性格もちょっとずつ違う。

ダンジョン飯に出てくる全員の特性が、少なからず自分にも備わっていると感じる。擬人化されてるみたいな感じ。

全員抱きしめて、助け合って調和していきたい。それには何が必要か…やっぱり究極は「バランスの取れた食事」「生活リズムの見直し」「適切な運動」なのかな?そこに行き着くところがまた、すごく好きな部分だったりする。

いくらでも話せそうだーー
それにしても何でも自分ごとに考える自分が怖い、自我が強すぎるんかな…

(1杯目)

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(2杯目)

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「ダンジョン飯」というダンジョニウムー久井諒子著・ダンジョン飯 感想

全14巻、読み終わった。「ダンジョン飯」という作者のダンジョニウムを、存分に味わった。

そこに救われた自分がいた。いろいろ話したいんだけど、なぜかいま自分を満たしていることがこれで。今日は完全に、なんというか、妄言強めなので適当に読んでほしい。

根本的な話の流れは前書いたのですっ飛ばして読後感をはなす。めちゃくちゃネタバレする。

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キャラクターが全部自分の中にいる

不思議な気持ちになったのが、出てくるキャラクターは全部自分の中にいるような気がしてきたところだ。

次第にこれは作者のダンジョニウムであって、作者のこれまでがつまった世界なのではと思えてくる。まあ、どの物語も多かれ少なかれそうなのかもしれないけど。

最終的に自分だと思ったのはライオス

前の記事でセンシの生き方に憧れるって言ってたけど…最終的にこれは自分かと思ったのはライオスだった。

自分の好奇心に任せて話した結果、振り返るとみんなポカーンとなっていたこと、絶対みんなあると信じている。

わたしは特に10代までこの経験がちょいちょいあった。その度に「修正」を重ねて今の姿になっているわけだけど、自分の面白い!と思っている気持ちを信じていればライオスのようになれたかもしれない。自分なりの答えを見つけ、理解までいかないにしても、共に生きる仲間ができたかもしれないと思う。(ただし、方向性は別の話。自分が好きなものが大抵の人は嫌悪感を示すものだった時の絶望は…計り知れない。)

誰かと分かりあえないのは辛い。でも、自分の好きな気持ちを信じて進んだライオスはやっぱりかっこいい。かなり危うくはあったけど。あの時周囲に同調することを選んだわたしは、いまだにあの時の好きな気持ちとその対象がよく思い出せないでいる。あの時置いてきた気持ちと、ライオスがすごく共鳴している。

カブルーが苦手な原因

カブルーが好きな人に申し訳ないんだけど、どうもこの人が苦手で。人のことをすごい観察して話の仕方を変えたり、目的のために思ってもないことを言ったり、うまいこと同調して器用に立ち回る姿を見てるのがしんどかった。人を誘導しようとするような振る舞いも。

…というのも、わたしが社会に出てすごく長い時間をかけて育てたのが、このカブルー的振る舞いだったから。わたしが得たいものは、これじゃなかったんだ。それを証拠に、この振る舞いで出会った人たちとは、現在全然親交がない。小手先ではダメなんだ。ちなみに、カブルーはそういうことをするのが好きな人だから、うまくいく。

ライオスとカブルーの関係性に涙

でもね、最後の方でその胸のつかえが取れる。世界が変わった後、ライオスの側近?になったカブルーはライオスの苦手な社交をイキイキとこなしてくれてるんである。

その事実を知った時、なんかバァーーーっと涙が出てきた。「好奇心」のライオスを「観察・調整」のカブルーが支えてる構図に、自分が重なってしまった。

自分の忘れてた好奇心を動きやすくするために、長い間かけて育ててしまった無駄なスキルが生きるかもしれないと言う希望を得て、救われた。読み終わったいまは、カブルーへの嫌悪感が消えて、苦いような懐かしいような感情に変わっている。

「ダンジョン飯」というダンジョニウム

勝手に解釈して勝手に救われたあとのわたしは、桜を見ながら呆けている。最終的に、やっぱり「ダンジョン飯」という物語は作者が作ったダンジョニウムなんだと感じた。

クライマックスに向けてわっさわっさとみんな駆け回って、最後はファリンのダンジョニウムみたいにドカーンって世界が爆発して…空がきれいだった。

現実世界でも、自分の中にある抽象世界でも、世界を創造することがダンジョニウムであるならば。この世はダンジョンで溢れてる。

わたしのダンジョンは?あなたのダンジョンは?そんな気持ちで満たす世界は、好奇心と欲望で満ちている。

いやーーーーーーーー、楽しかった!!!!

これが気になっている…!あとラクガキ本。ほしい。

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ダンジョン飯をじわじわ好きになっていった話。ー久井諒子「ダンジョン飯」レビュー

そろそろ春アニメも始まるし、今期(2024年1月~3月)に唯一全話観ている、ダンジョン飯の話をしていく!

こないだの最新話は切ない新展開だったんで、アニメ13話まで(コミックス1~4巻)あたりの話にしようかな。浅瀬でぱちゃぱちゃしながら楽しく振り返っていく。

すごくざっくりとしたあらすじ

ダンジョン(にいるレッドドラゴンの腹の中)に取り残された妹を一刻も早く助けるため、装備も食料もままならないままに再度入ることにした主人公。

策ならある。仲間とともにダンジョン内で倒した魔物を食べれば生きていける、最短で助けられる!なんやかや仲間を説得し、魔物食で自炊しながら捜索を試みる物語。

ちなみに魔物を食べる感覚っていうのは、日本でいうカエル、ウーパールーパー、沼地の草とかを食べる感覚に近いと思う。YouTuberでいうとホモサピあたり。(ひええ…!と言いながら何度も見てしまう。)

じわじわ好きになってく…不思議なマンガ

マンガは友達の家で見かけたり、本屋で積まれているのを見たりして人気なんだな~というのは分かってたけど、自分では読んでなかった。

アニメがはじまった時、家族が見ようというので自分もなんとなく流し見してたところ…4話のゴーレム菜園のところでセンシが好きになり、そこからちゃんと見るようになって、そしたらどんどん惹きこまれていった。いまでは毎週楽しみにしている。

原作のマンガも読み始めたら、再現度にまたびっくりで…!もうアニメがすごく忠実に世界を描いていて、まったく違和感がなかった。すごい!

センシの生き方に憧れる

わたしが魅了されている「センシ」というドワーフは、魔物食の研究をしている。ドワーフ語で「探求者」という意味の名前なだけあって、もう探求心がすごいんだ!!!

スライムを干物にしたり、ゴーレムで畑をつくるとか、まずやろうという発想がすごい。ライオスたちに出会う前、センシ一人で過ごしていた時のことを「センシのダンジョン飯」としてスピンオフをやってくれないかと思っちゃう。

何かを手軽に済ませると何かが鈍る
便利と安易は違う

久井諒子「ダンジョン飯」(2巻P19)より引用

この言葉で好きになった。他の人になんといわれようと、自分の知りたいことを知ろうと努力していく。自分なりにかみ砕いてモノにしていく。そんな姿を見ていると、わたしの目指す探求のかたちはこういうことだと強く感じる。

ときに行き過ぎた行動をとったり、倫理的にちょっとヤバいのも見ていて楽しい。パーティーにはもう一人ヤバいやつがいるから、そっちのヤバさと中和されてなぜか相殺するから大丈夫。(仲間は大変。)

使いたい 
苦労して作ったものなのだろう

久井諒子「ダンジョン飯」(2巻P178)より引用

自分の信念をしっかりもっているので、それが裏目に出て頑固すぎるところがあるのが欠点ではある。特に魔法に対しての拒否反応がすごくて、でも旅を続ける間に少しづつ心が柔らかくなってきたように思う。

わたし自身もよく頑固だといわれるからだろうか、親近感があるのかもしれない。だからこそ、センシが頑なな部分を少し緩めて、周りの意見を受け入れる瞬間に心が動かされる。

【副次効果】料理が少しうまくなった気がする

最近、なんだか料理の手際がいい。勝手にダンジョン飯の副次効果だと思っている。

みんなで魔物を倒して、その魔物がどんな特徴なのか調べて実際に調理して食べる。センシの調理手順の説明が耳に残っていて、具材を洗って切ったり調味料を合わせたり。そういう手順が前より意味をもった感じがある。

いつも時間に追われがちで、料理といえば「時短レシピ」一択だった。そんな自分からしてみたら、これはかなり大きな進歩だ。少し気を配るだけで舌触りとか、味が違く感じるから面白い。

割と大人向けマンガだと思ってる

主人公でトールマンのライオス、エルフのマルシル、ハーフフットのチルチャックなど、主要なメンバーも楽しい。どの人物をとっても長所があって、欠点もある。どっちも際立ってて魅力的なんだよなあ。そして全員底知れぬところがある。まだまだ見せていない一面がありそうな予感。

バンプの主題歌もめっちゃいいし、話の展開は基本ほっこりなのに怪しげな空気が漂ってて、先が気になる展開で魅せられる!

とはいえ、割と大人のマンガだなぁ〜と感じる部分もある。種族の違いとか、ダンジョンにおける役割分担だったりとか。この辺はもう少し深めてから話そうかと思う。

明日からは5巻を読む!アニメ1期が終わったらこの記事をアップしよう~と思ってたら2期連続だった。豪華だな~!

アニメと同時進行で漫画を追っていこうと思ってたけど、気になるんでもうがんがん読んじゃおう。

ビジュアルだとファリンがめっちゃ好きです。マルシルとの出会いのエピソード(3巻)、すごく好きだったなあ…。

↓↓その後、読み終わった時の感想

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↓↓話し足りなくて追加レビュー

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有馬かなの生き様が、なぜこんなに胸に迫るのかー【推しの子】感想

【推しの子】2期は2024年夏アニメで決まりみたいだー!次は一番好きだった「2.5次元舞台編」だし、それまでにちまちま読み返しては味わっていこう。

わたしは先日アニメ1期見て、その後コミックス13巻まで一気読みして悶えていた。

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ストーリーは芸能界の闇に迫る、暴露に近いような刺激的な展開がずっと続く。わたしが語りたいのは、そんななかで足掻き苦しみながらも輝き続ける登場人物たちみたいだ。とくに、有馬かな。彼女の生き様がこんなに胸に迫るのは何故だろう…そのことが知りたくて、今日は記事にしてみようと思う。ネタバレあり。

↑丸っこい赤毛のボブに、ベレー帽っぽいのをつけてるのが有馬かな。

人生の柱は役者。演じること

彼女を構成するもっとも太い柱は役者として生きること。子役で一世を風靡して成長とともに落ち目になってしまった彼女に、現在ライトは当たっていない。

アイドルとして活動することになっても、彼女は役者を捨てきれない。浅はかな読者のわたしは、アイドルも大まかにいえば演じることなんじゃないかなとも思ったりしたけど、彼女のストイックさはそれを許さない。
(でも、結果としてすごくいい経験になったことが、本当に嬉しい。)

…その柱は呪いなのかも

自分の中にある重要だと思っている柱って、裏を返せば呪いのようなものだと思う。

昔、ものをつくる学校に行っていた時のこと。友人からの「幼い頃に創作に目覚めた者は、一生その呪縛から逃れることはできない」の言葉が、表情込みで今も脳裏に焼き付いている。

有馬かなにも演じる、表現することが呪縛になっている可能性がある。それでも迷いながら、もがき苦しみながら前に進む彼女が、好きだ。

自分の間違いを認められる人

子役の時に調子に乗って天狗になっていた時期を本人はすごく反省していて、自戒のターンには必ず出てくるほどに、重い過ちとして影を落としている。

そのことで自分に厳しくしすぎたり、不安になることも多いのだけど…自分の間違いを真正面から向き合っている姿が美しいんだ。ちゃんと反省して、もうとっくの昔にへとへとなんだけど、前を向いてまた歩き出す。なんか泣けてくる…こういう真っすぐさがたまんなく魅力的なんだ…

自己犠牲が魅力を削ぐ

彼女にはびこるダメな習慣。これは今までの辿ってきた道からすると仕方がないのかもだけど、自己犠牲の精神だと思う。

調子に乗って、落ち目になって、自分にはもう力がない。新鮮さも、実力も、魅力も、足りない。絶対そんなことはないのに、…いや、本人からしてみたら、わたしの何を知ってるのよ!ってなっちゃうくらい、彼女はいつも孤独の中にいる。(孤独。これは他の登場人物にも共通するかもしれない)

それでも希望を捨てずに、チャンスがあれば自ら掴みに行くハングリーさはある。だけど肝心なところで、いつも不安が頭をもたげて、気を使って譲ってしまう。

周りからみれば、わたしを見て!と強気に、強引にエネルギーを発するところが最大の魅力なのに、彼女の現在の精神がそれを邪魔する。そして魅力が半減してしまう。

わたしは絶対ここを超える日が来るって信じてる。

有馬に幸あれ…有馬の幸せとは?

有馬の幸せを願ってやまない自分がいる。でも有馬の幸せって何だろう。好きな人と結ばれること、役者として成功すること、ちょっとしっくりこない。

いまのところ考える彼女の幸せは、「演じ続ける」こと。思いっきり演じることができる舞台があり、良い作品を作るための切磋琢磨できる仲間がいる。その中でこそ彼女は真の輝きを得ると思う。

そう思うと、東京ブレイドの舞台の時って、かなり有馬の幸せに近かったんじゃないかなあ。というか2.5次元舞台編に出ている役者って、全員すごく幸せそうだったんだよな。

そして日常があることも彼女の重要な幸せの一つだよな。悪態ついたり、茶化したりするターンはこっちまで楽しくなる。ちょっと背伸びしてるのがかわいい。あと意外と影響されやすかったり(よくわかるインターネットうみうしとか)するのも、にまにましてしまう。

【推しの子】は魅力的なキャラが多くて全員について語れそうだ。みんながみんな、泥臭く頑張ってるところが好きなんだと思う。
思考回路が捻じれてたり、ループしてたりもするけどほんと切ないほどにまっすぐで…特に好きな、というか感情移入しちゃう頑張りかたなのが有馬なのかな。

・・・

いやー、ここまでめちゃくちゃ語ったけども。かなり偏った見方をしている可能性が高いので、いち個人の超早口なひとり言だと思って聞き流してもらえたら幸いです。

「推し」っていう言葉は苦手ですが、わたしが推すならきっと有馬です。

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【推しの子】一気読みして直下で落ちる

うう〜〜推しの子が面白い!!

アニメ1期は見ていて、漫画も読みたいなと思ってたら実家にあった。明日仕事だし、アニメが4巻までの内容だったからひとまずちょっと先まで読んでみるか…と読み始めたら、朝だった。

やー、これは一気読みしちゃうよ!展開も人物たちも魅力的で惹きつけられる…!!
いま(2024年3月24日現在)ジャンプ+アプリで初回全話無料で読めるので、最新話まで追ってからアニメ2期に向けて再読するつもり。

今日は再読に向けて、あらすじや章構成をメモがきで残しておく。ネタバレあり。

↑これが主人公の星野愛久愛海ことアクア。

(わたしなりの)あらすじ

まずこの物語はフィクションで、推し(アイドル)の子供に生まれ変わるという転生モノ。主人公のアクアは、とある事件の犯人を突きとめ裁くため、芸能の世界に潜り込む。
アイドル、俳優、舞台などの芸能界、出版業界の空気感が知れる作品にもなっている。

構成

この物語は章構成。既刊13巻で現在9章(2024年3月)
これは自分用という感じ…いまおそらく、かなり終盤だと思う。

  1. プロローグ「幼年期」(1巻1~10話)
  2. 「芸能界」(2巻11~20話)
  3. 「恋愛リアリティショー編」(3巻21話~4巻32話)
  4. 「ファーストステージ編」(4巻33~40話)
  5. 2.5次元舞台編」(5巻41話~7巻66話)
  6. 「プライベート」(7巻67話~8巻80話)
  7. 「中堅編」(9巻81話~第10巻100話)
  8. 「スキャンダル編」(11巻101~第108話)
  9. 「映画編」(11巻109話~現在)
    Wikipediaより一部抜粋)

お気に入りは「2.5次元舞台編」

わたしが特にのめり込んだのは2.5次元舞台編。実力派、新人、話題性、力量ごちゃまぜの俳優たちが、それぞれに作品・演者に対して思いを深めて挑んでいく。
性別とか関係なく、真摯に演じることに向き合う姿がとにかくかっこいい。読み直すのが今から楽しみな部分。そしてアクアのことを思うと胸が苦しくなる部分…

ジャンプ+で初回全話無料で読める

なんと推しの子はジャンプ+アプリで無料で読める。太っ腹ぁ…!

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わたしは紙で読んだけど、コミックスは巻末に小話が入ってるのがよかったな。あと表紙にキャラのサインがついてるのが個人的には昂った。サインはアクアが好み。

いまクライマックスに向けて盛り上がってるので、読むタイミングとしては最適だったと思う。アニメ2期は2024年春アニメの発表で出てないっぽいから、多分夏か秋なのかな?

日を改めて、有馬かなの話をさせてくれ

いつも話が長いんで、今日はこの辺で。わたしがたまんなく好きになった有馬かなの話がしたいので、次はアニメ1期部分の感想を書いていこうかなと思う。
有馬以外も、キャラクターの個性がすごくよくて!一人ひとり話していきたいくらいだ。こんな話をつくれる赤坂アカ横槍メンゴへの興味も広がってる。あー推しの子、もっと深めたい。

↑これが有馬かな。アニメの声がすごくよくあってると思う!

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