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読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

【遠藤周作 ひとりを愛し続ける本 レビュー】読んだらもっと知りたくなった、遠藤周作のエッセイ集

今日は遠藤周作のことがもっと知りたくなって買ったエッセイ、「ひとりを愛し続ける本」の話をしていきます。

ひとりを愛し続ける本 (講談社文庫)

情熱的な愛に生き続けたいと人は願うが、それは、激しくとも短く終わるもの。本当の自分、真実の生き方を求めて心の中を掘り下げ、明暗の異なるもう一人の自分に気がつくとき、人生はより深く、より拡がりを持つ。ーー退屈と忍耐、悲しみや苦しみの中に、人生を楽しみ愛する方法を、明快に語るエッセイ集。

遠藤周作「ひとりを愛し続ける本」講談社文庫 裏表紙の紹介文より引用

本との出会い

購入したのはかなり前で、確か映画「沈黙‐サイレンス-」を観に行ったあと。映画の原作が著者の小説なので、どんな人が書いたのか気になって買ったものの、2017年公開だったから6年積み本…。読めてよかった。

内容と感想

わたしなりに読んだところ、半分は女性の二面性について、もう半分は著者自身の生活や、小説家としての半生を振り返る内容だと受け取りました。

まず、女性の二面性について。

母、妻としての役割をうまくこなす自分と、女としていきたいと願い、時には(不倫など)行動してしまう自分。このジレンマがあることで自分を悪女だと思い込み、深く悩む女性が多い。

著者は実際に自分を悪女だと思う人から手紙を受け取り(日頃からお便りを募集していたりする)たくさんの自称悪女から相談を受けている。その背景も込みで、著者の所感を述べていきます。時代的に古い考え方もあると思うけど、この本が出た頃は今より多様性が認められず、苦しむ女性がたくさんいたんじゃないか、そんな中でこの文章を読んで救われた人は少なくなかっただろうなと感じました。

もう半分の人生の振り返りでは、小説家としての半生を通じて得てきたこと、これまでの生活や子供たちを含めた交友関係に思いを馳せたり、現在と対比したりして振り返っていきます。

印象に残っているのは以下の文章です。

……その一つ、一つが何の関連もなく起ったかのようにみえた昔の出来事や体験も、今、ふりかえるとそれぞれにひそかな繋りのあったことがわかってくる。霧が晴れるにしたがって向うの山の輪郭が浮びあがるように見えてくる。それが老年というものだろう。

 私個人に限って言うならば、私は自分の人生を噛みしめて、またそこにかくされた意味のすべてをわかったわけではない。しかし、あの当時は夢中でよく掴めなかったけれども、本当はその底で求めていたものが結局はみな同じだった、ということは、ようやく覚るようになった。……

遠藤周作「ひとりを愛し続ける本」講談社文庫 P180から引用

この部分が現在の自分と重なり、不安なこころが溶けていくような気持ちになりました。

いま自分がままならくて、どうしてこんなことが起こるのか?わからずに途方に暮れている一つ一つのエピソードは、人生の終着に近づくにつれて解き明かされていく。ミステリー小説みたいに伏線が回収されて自分の真に求めているものが分かっていく。そう思ったら面白いし、これからの人生が楽しみです。問題に対してやってやろうじゃん、という気持ちが湧き上がってきました。

この考え方は自分の人生に取り入れて、活かしたいです。

以上、ひとりを愛し続ける本のレビューでした。ずっと下書きしたままのこの感想をまとめられてよかった。感想を書きためた下書きばかりが増えているので、箇条書きでも、未完成でもいいからぼんぼん話していきたいです。

今日はありがとうございました。おやすみなさい。

ーーーという、昔のわたしのレビューでした。昔のブログに著者のことを書いた記事があと1つあるので、明日にでもアップしようかと。

このあと著者についてもっと知りたくなり、今は「海と毒薬」を読んでいます。レビューする前にまずは以前の記事をあげようと思ったわけですが、この記事の後半部分が、この本にリンクする感じがする…。最後まで読んだとき自分はどう思っているんだろう。箇条書きでもいいから、ちゃんと話しますね、

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