気が付くと、またシネマハスラーを読んでいる。この本、わたしのブログの教科書なんです。
ーー風の吹くまま、気の向くまま、何を観るかはサイの目次第
映画博徒の看板しょって、歩いてみせますキネマの天地ーー
懐かしい~!といってもヘビーリスナーではなかったですが。
「ザ・シネマハスラー」は、ライムスター宇多丸が以前やっていたラジオ番組の映画評論コーナーです。名作と迷作がごっちゃになったサイコロを毎週振って、出た目に応じて宇多丸が映画を観て、それを論じる。
誰もが注目するあの映画も、プライベートでは絶対観ないようなB級映画でも、作品の内容はもちろん時代背景から文化的側面まで調べまくって評論していくので、その熱量にいつも圧倒されていました。(それと、執拗に調べ上げたうえでの毒舌の畳みかけが聞きたくて聞いていた節もある。)
この本はコーナーで紹介した作品の総集編で、ラジオの書き起こしに加筆・修正を加えたもの。でも、わたしがブログの教科書として繰り返し読んでいる部分は映画評論部分ではなく、巻末インタビューとあとがき部分なんですよね。ここにわたしのブログのまとめ方の原点が詰まっています。
"宇多丸流”まとめ方のポイント3つ
何度も読んで自分なりに真似させてもらってる部分を、"宇多丸流”まとめ方として紹介していきます。
①オンエア前に書きまくる!「自分の台本づくり」
ラジオがはじまる前にお気に入りのカフェに行って、1時間くらいかけて自分の台本をつくる。ページ数はノートの大きさや作品によっても変わるらしいけど、この密度!
すごいなあ~。他人が見たら全然わからないけど、自分のなかで論旨のブロックでわけているそう。問いと答えをセットにして、それが何個も、何層にも分かれて展開している。自分にしか分からない専用のノートになっている。
この勢いと熱が憧れの源で、こんな風にやってる人の話なんだからそりゃ楽しいよな~と納得します。これは自分もやってみたらすっごく楽しくて、このブログを始めたときからずーっと変わらず真似してます。話がどんどん広がって、つながっていくからハマります。
②今現在どうなのか?を記す「リアルタイム評論」
これは「ライムスター宇多丸の映画カウンセリング」にある岡村靖幸との対談(これがまた憧れの二人の素晴らしい対談だった!)で話していたことですが、宇多丸は「リアルタイム評論」にも力を入れています。
映画に限らず文学・音楽の評価には経年変化があることに触れ、公開当時劇場にどのくらい人が入っていたか、作品が大衆にどのように受け止められていたかということにも言及するように心がけているといいます。
当時の空気感も組み込むことで、後に評価が変わった時の参考文献にもなっていく。"時評"の価値は時を経て上がるのみなので、ぜひ真似したい。というよりわたし自身がいろんな人の記事を読むなかで知りたい部分でもある!
わたしはリアルタイムの作品をあまり読まないので、できる時に…という感じになっています。大事な部分だと思うので、意識していきたいところです。
③至極正攻法の「親切な講義スタイル」
事前知識がないリスナーのために、"この場で共有しておくべき前提条件"を明示・確認しながら話を進めていくのも特徴です。これを宇多丸は「親切な講義スタイル」と読んでいて、この部分がちょうどよい映画評として大衆に受け入れられたポイントではないかと振り返っています。
確かに冒頭で監督の特徴や、シリーズ作品が辿ってきたストーリーなどをいつも話してくれます。わたしは映画はあまり見ないほう(なんだろう、刺激が強いんですよね…情報量が多すぎて、衝撃に面食らうみたいな…同じ人いないかなあ。)なんですが、何も知らなくても魅力や矛盾点などがスッと入ってくる。
これはヘタに真似してやりすぎると、ネタバレしすぎてつまんなくなっちゃうかな~と思うので、ほどほどに参考にしています。
熱い思いを伝えるための、大事なやることリスト
今日はブログのまとめ方として参考にしている3つのポイントを紹介してきましたが、本の感想を書くだけでなく、日常や社会生活でも役に立ってます。仕事で意見する時(強く訴えかけたいときには特に)に使えるし、家族を説得して自分の思う方向に進みたいときのプレゼンにも使えます。笑
熱い思いを伝えるための、すごく大事なやることリストという感じです。
ただ、宇多丸師匠のようにはどうやったってなれないのが苦しいところで…。この方、賢すぎるんですよ!言葉のチョイスも、話の展開も。聡明でかっこいいんだ本当に!
わたしは言っていることが理解できないこともよくあって、難しい単語が出てきたら調べながら著作を読んだりラジオを聴いたりしています。
こんなに熱く、聡明に、ユーモアを交えて物をオススメ(いろんな意味で)出来たら最高に楽しいだろうなあ。わたしがかろうじて持っているのは熱さくらいなもんです。
ちなみに宇多丸は自分がやっている映画評がちょうどよいバランスを保っていることについて、AMラジオで発信していることを挙げています。AMラジオという、開いてるんだか閉じてるんだかよくわからない絶妙な中間媒体だからこそこうなったと。
これ、ブログもよく似てます。閉じてると思いきやちょっと隙間開いてて、覗きこむような感じ。不思議な場所なんだ。わたしはこのよく分からない絶妙で微妙なこの媒体を主として、これからも熱くわけの分からないことを発信していこうと思います。
というわけで、ブログで熱く話したいことがある方に。「とにかくこの本、オススメです!」(これが言いたかった。笑)
ちなみに。シネマハスラーは終わっていますが、宇多丸は現在も映画評論をしています。TBSラジオ「アフター6ジャンクション2」内で「ムービーウォッチメン」として毎週木曜日の22時15分頃から放送されておりますので、是非。