BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

忙しくても豊かに考える方法ー外山滋比古「こうやって、考える。」レビュー

今の職場は良くも悪くもコミュニケーションがないのが特徴なんだけど、めずらしく社内連携が増えててめちゃくちゃ疲弊している。土日もなんだかんだ人に会ったり宿題のようなことをやってるとあっという間に過ぎてしまい、思いを巡らせる時間がとれない。

しばらくこんな日々が続きそうな予感なので、忙しいなかでも考えたり書いたりできるようになる必要がある。

こんな時は「思考の整理学」が読みたい!と思い本棚を見るも…ない。最後どこで読んだのかも思い出せない。仕方なく棚にあった同じ著者の本「こうやって、考える。」を読んだら、視界が開けてなんとかやっていけそうだ。

今日は概要の紹介とともに、この本に教わった「忙しさのなかでも豊かに考える方法」を書きとめていく。

本の概要

外山滋比古著「こうやって、考える。」は、著者が過去に出した21冊の本から重要な部分を抜き出して収めてある。

1ページに見出しが一本、5〜10行くらいの説明の文章、出典と続く。「著作の拾い読み本」という感じで、詳しく知りたければ、出典にある著作を読めばいい。しんどい時、忙しい時はこのくらい短くまとめてあるとありがたい。

忙しくても豊かに考える方法

忙しくても考えたり書いたりするために、実践できそうだと感じたことが7つあった。簡潔に紹介していく。

メモする

アイディアは他のことをしている時に浮かぶもの。来らば逃さじ、捉えるようにメモを書く。同じように、書きたい衝動も逃さないこと。

忘れる

忘れる重要性は、言葉を変えて何度も出てくる。会議後にホワイトボードを消すように、机を一旦きれいにするように忘れること。よく忘れることで記憶以上のことができる。

寝させる

思考の整理法として「寝させるほど大切なことはない」。時間が、思考を落ち着くところに落ち着かせてくれる。

話し、笑い、歩く

ひとりの考えは、いわば点。2、3人と増えるごとに線、面と立体的になっていく。また、知的な笑いは発見の前触れのようなもので、決して不真面目ではない。新しい思考を展開したければ、外に出て歩くこと。メモとペンの用意を忘れずに。

点的継続

同じところで同じ作物をつくれば、連作障害のようにうまくいかない。時には休作して他の物をつくる。休み休み、点的に継続する。

乱読のすすめ

創造のある頭をつくるには、でたらめの読書が役に立つ。気ままにそよ風のように読めば、思いがけない発見がある。

編集視点

知識の組み合わせや順序だてを決めるように、物事を編集視点で考える。日常も同じように編集すれば、かなりの仕事をこなすことができる。

発想・思考は動きながら磨く

読んでみて思ったのは、わたしは思考停止していたなということ。人とたくさん話したり、タスクに追われたりすると途端に何も考えられなくなってしまう。でも、キャパオーバーしててもやりたいことがある。まとめておきたい思いや考えがたくさんある。

この本では、全く何もしないでは何も起きないと言っている。何かしている合間に、読み、書き、笑うなど、全然別のことを挟む。そうするとよく回る。合間に挟むといいもののヒントを、一冊を通じてあれこれ教えてくれる。

発想や思考は動きながら磨くのだ。ということは、忙しくて余裕がない今こそ、実はすごくチャンスなのだと感じた。

重点的に取り組むのは「編集視点」。まさにやろうとしてることだったから、読んだときは驚いた。わたしはいま、仕事・家庭・趣味など、生活のすべてを編集しようとしている。編集視点で世界を見ると、経験することが材料探しみたいで楽しみになってくる。その考え方であってるんだよと言ってもらえた気がした。

身体を壊さない程度に、豊かに考え、豊かに発想し、引き続きここに書き留めていきたい。