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読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

太郎に会いに④ー岡本太郎美術館「人のかたち」「TARO賞」「大河童祭」をみんなで楽しむ

3月に岡本太郎美術館に行ってきた。太郎に会いに行くのは4回目になる。

常設展「人のかたち」/TARO賞/大・河童祭の三本立て

家族と友人と、その娘の4人。友人とたまたま岡本太郎の話になったら盛り上がり、ついに一緒に来れたのだった!

ちなみに、友人の娘が好きなものはちいかわ、すみっコぐらし、プリキュアとのこと。岡本太郎の爆発はこの子にどう響くのだろう…ドキドキしながら入った。
(以下、岡本太郎のことを「太郎」と呼ばせていただく。)

常設展「人のかたち」

岡本太郎美術館には、絵画と立体の造形物が半分ずつくらいある。小説家の母と新聞漫画家の父をもつ太郎からすれば、自分を表現したり、頭の中のことを具現化するのは日常だったのかなあ。

絵画

太郎の絵はどれも力強くて、気持ちが昂ってくる。特に「作家」という作品が好きだ。前回来た時も一番印象に残った作品だった。

パンフレット用に切り取りされてるけど、実物はもっとすごいんだ

穏やかじゃない背景、こねくり回して生きていそうな物体の加熱する頭、ペン先から出てくる色とりどりの線、捻り出して捻り出して生きている感じがする。見ていると同志のような気がしてくる。

立体造形

立体造形も好きだ。好きなものはたくさんあるんだけど、一番は「午後の日」。多摩霊園にある太郎のお墓にもなっている。いつかお参りに行きたいな。

毎回行くたびに360度全部の方向から見てしまう。後ろ姿も好きだ。

ちと厳しいかな〜と思っていた友人の娘、案の定、感想は「こわい」が多かった。それでも好きなモチーフ(猫)とか、椅子に座ったりだとか、自分なりの楽しみ方で味わっていた。嬉しい。

TARO賞で「遅博」を知る

今回はTARO賞という一般公募の入賞作品が見られる展示もあった。

わたしを含めた大人たちが魅せられた作品は…「遅博2024」。とにかく面白かった。特にフレーズ。

「速いのはもう遅い」
「昨日の自分より遅く」
「速まるな遅まれ」

じわじわと好きになるこの世界観…!

もともとはミニ四駆とかをどれだけ遅く走らせるかを競う「遅四グランプリ実行委員会」という団体?のようなんだけど、それと並行して書があったり、謎の装置があったり、ゆっくり地方から噺家が向かって(?)いたり、なんとも不思議な空間が繰り広げられていた。

他には、”地方都市×看板写真×顔”で一つの作品になっている「無明(小山恭史 作)の世界が好きだった。たくさんの入選作品をみるなかで「似たモチーフを何個も何個もひたすら繰り返してる感じのものが多いね」という家族の言葉にハッとした。たしかにそうだ。太郎のやり続ける、作り続けるっていうことに対しての評価なのかな?

太郎を怖がっていた娘は、こっちにお気に入りがあったみたい。今日も「あなぐまち」で生きていく(つん 作)という作品で、今回の岡本太郎賞を取ったものだった。

パンフレットより。3mくらいあったかな

小さな箱が敷き詰まった団地のような、タワーのようなものに、小さな住人たちがたくさん住んでいる。あとは「POT PLANTS!(クレメイタイン・ナット 作)の足の踏み場のところでも楽しそうに遊んでいた。

毎年2~4月頃にかけてTARO賞の展示があるので、太郎好きかな、どうかなと心配な人と行く時は幅広く楽しめるこの時期がいいかもしれない。

↓TARO賞についてはこちら

https://taro-okamoto.or.jp/taro-award/%e7%ac%ac27%e5%9b%9e/artworks

(おまけ)大・河童祭

当日は大・河童祭りがあるとネットで見た。かっぱの皿に見立てた紙皿に色を塗った工作物をつけていくと、太郎のシールがもらえるというイベント。

わたしは…こういうのが大好きなんだ!!

道中の車内で恐る恐る紙皿と色鉛筆を見せると、娘は喜んでカッパを作ってくれ、一緒につけて行った(やさしい世界)
ちなみに会場内でカッパをつけていたのは、わたしたちと他に1人だけだった…それでもいい、楽しかった。

買ったもの

行くたびに1冊、本を買うようにしている。今回買った本は、「日本の伝統」縄文土器が再評価されたのは、太郎の功績なんだそうだ。

伝統文化に対して太郎が感じたことを、自身が撮った写真と共に記している、なんとなく個人ブログに通じるところがあるなと思う。

まっすぐな太郎が好きだ

わたしはまっすぐな人が好きだ。まっすぐに、したいならする、興味があることは深く調べる。
でも、まっすぐ行こう!と思っても、気がつくとこれでいいのかな?と迷ったり、こんなんじゃダメなんじゃないか?とすぐ疑心暗鬼になる。まっすぐ進み続けるっているのは、強い意志と進む勇気が必要なんだ。

太郎がこれだけ本で、作品で、強く言い続けるのは、それが太郎にとっても大事な作業だったからなんじゃないかと思う。自分で自分を鼓舞するような、そういう気持ちを感じる。

いろんな人と、自分1人で。いろんなシチュエーションでまた来たい

わたしは太郎が好きで、自分の周りの人ともこの気持ちを共有したい。いろんな人を連れてここに来たいなと思う。

あとは、1人でも来てみたい。一度やってみたいことなのだけど、心ゆくまで一枚の絵を見続けるということをしてみたいんだよな。

名前は忘れちゃったんだけど、初めて見る目のモチーフの作品があって、それを見ていたら引き込まれてわたしとその絵だけになりそうになった。あのままずっと見ていたらどうなっていたのか、ちょっと知りたい。

次は年パスの更新に行くぞー!

【会期情報】

・「人のかたち:岡本太郎の人体表現」(2024年1月20日~4月14日)

・第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)(2024年2月17日~4月14日)

会場: 川崎市岡本太郎美術館川崎市 生田緑地内)

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