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読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

今日の芸術(岡本太郎著 光文社)まとめノート

今日の芸術 新装版~時代を創造するものは誰か~ (光文社文庫)

この記事は、岡本太郎(以下、タロー)の考えを自分の血肉にするためのまとめノートです。著者にちゃんと向き合ったのはここ最近なんですが、なんだかわからないんだけど作品も文章もすごく好きなんです。うまくやるな、きれいであるな、ここちよくあるな。いまわたしが欲しい言葉であふれています。わたしは、わたしのこれからの生活に岡本太郎の思想を取り入れたい。いま4章で、半分いかないくらいでしょうか。分かった部分はほんの少しですがまとめていきます。

芸術とはなにか

芸術とは特別なものではなく「生きることそのもの」。今、この瞬間の生きがいとよろこびこそが芸術。時代が変わり、いつのまにか生きること、生活するかたちが変わったことで、芸術は特別なものとして扱われるようになった。

生活が充実しているのに虚しい現代

日々働き、遊ぶ。充実しているのになぜ虚しさがあるのか。

  • 仕事において、現代人は「部品」になった
    生産力の拡大で業務は細分化され、人間は歯車になっている。実際に見たことも、扱ったこともないものを処理している。
  • 娯楽は受動的になっている
    娯楽には事欠かないし、種類は増える一方。しかし、楽しみながら傷ついている。例)スポーツを見てプレーに感動する。スカッとして楽しいのは事実。でもそこに自分は存在しない。ただの見物人であることに過ぎない。
  • 自己疎外のもどかしさ
    人間本来の生活から遠ざけられ、その自覚も失っていく⇒自己疎外につながる。自分から何かをやる、何かを創り出そうとする気持ちを出したいけれども、その手段が見つからないことに虚しさを感じる。

意識せず蓄積された先入観

富士山=結構なもの、花=うつくしい。同じように「絵とはこうあるもの」という固定概念がある。これは今まで生きたなかで知らず知らず垢のように蓄積されている。芸術は、聞いたり教えてもらうものではない。直観的に感じて、自分で発見するもの。

メモ

娯楽に関するところで、自分が虚しく感じる部分はまさにここにありそう。たくさんある遊びをセレクトして楽しむんじゃなくて、自分から遊びを創り出すようなことがしたいんじゃないか。ここまで考えて、この間読んだモモのことを思い出したり。

今回のまとめは1章だけです。逆にいうとここまでしかわかっていません。まとめようと頑張ったのですが、2章の途中あたりから急に難しくなるのでもうここまで。このあと何が垢で、どうやったらそれを取り除けるかを細かく説明していってくれます。

…簡潔なのに難しい。今までの読み方では通用しなくて頭に入ってこない部分もたくさんある。本が難しいと思う分だけ、これまでの慣習や固定概念に縛られているんだと思う。あとはまあ、圧倒的に教養が足りないんです。例えを出して分かりやすくしてくれているのに、その例えが意味するところがいまいちわからなくて悔しいの連続です。

父に小さい頃、わかったような口をきくな!と言われることがありました。Twitterでみただけ、ネットで調べただけで分かったような気になっていることがどれだけあるでしょうか。これからどんどん「生」の体験をしていきたい。自分の目で見て感じて、どう思うのか確かめていきたい。そのためには先入観のないまっさらな目が必要です。理解できない部分が多くても、一旦さらっと全部読んでみます。ほんの少しでも分かった部分があれば収穫です。

ここでタローからのありがたいお言葉を紹介します。

いいと思った時、その人にとって、そう思った分量だけ、わかったわけです。

あなたは何もそれ以外に、わからない分など心配することはない。

岡本太郎著「今日の芸術(光文社)」より引用

本当に、私の欲しい言葉であふれている。やるぞー!