また乙嫁語りの話です。19世紀の中央アジアが舞台のこの物語。今日はわたしが読むきっかけとなった「パリヤ」について話していきます。読む前も読んだ後も、ふと考えてしまうくらいにはこの子が好きです。
- 出会いは展覧会 ~1枚の原画に興味が湧く~
- 再会は2巻 ~ツンとしたなかにある素直な心~
- もがきながらも前に進む~交流を通して変化する心~
- 自分の頑ななところが共鳴した
- パリヤが見せてくれるのは、自己受容の物語。詳しくは後半で!
出会いは展覧会 ~1枚の原画に興味が湧く~
先日行った「森入江展」は、作品を読んだことのない自分にも伝わるものがある展示でした。たくさんの手書き原稿に触れていろいろと作品への興味が沸きましたが、なかでも特に読みたい!と思ったのが乙嫁語りです。
エピソードとか何にも知らないのに、不器用に伝えているこの原画のページだけで「この子多分好きだ、知りたい」が止まりませんでした。
再会は2巻 ~ツンとしたなかにある素直な心~
漫画を集めはじめて、すぐにまた会えました。2巻の冒頭でムスッとパンをこねてました。ツンとした態度だけど、正義感が強くてどこか素直なところが伝わるシーン。結婚したくてもできない、どうやら自分に理由があるらしい。変わりたくても変われないもどかしさがそこにありました。
もがきながらも前に進む~交流を通して変化する心~
パリヤにも出会いがあります。それも何度も。
この街に嫁いできた主人公のアミルをはじめ、婚約者候補のウマル、刺繍の師匠・バルキルシュ、新たな友人カモーラなど。うまく自分の気持ちを表に出せない彼女は、それぞれのやり取りの中でもがきながらも前に進んでいきます。その姿が健気というかもういじらしくって…いつも応援しながら読んでいます。
自分の頑ななところが共鳴した
パリヤに惹き込まれたのは多分、自分の頑ななところが共鳴したからです。わたしも思い込んでしまうところがあって、それがいいほうに向かう時もありますが、大抵はパリヤみたいな展開になることが多いです。
パリヤは身の回りの人たちとの交流のなかで自分の凝り固まった気持ちに気がついていきます。それは会話の中だったり、刺繍をする時間だったり、どれも大それた場面じゃなくて日常の中なのがいいです。そして気がつく瞬間は言葉じゃなくて表情で語られているのも印象的です。彼女を通してわたしも何かに気がつきたいのかあと思ったりします。
パリヤが見せてくれるのは、自己受容の物語。詳しくは後半で!
パリヤについて思いを巡らせてたら内容がこんがらがっちゃったので、今日はまず出会いの喜びの部分にフォーカスして話してみました。ここからが話したいところなので、前後編にします。
乙嫁語りに出てくる彼女のエピソードは「自己受容」がテーマになっていると思います。そう思った背景を次回、アミル、バルキルシュ、カモーラとの具体的なエピソードで深堀りしていきます。それでは、また後編でお会いしましょう~!