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【ドラマ2話感想】自転しながら公転する・実写化レビュー

実写化ドラマ・自転しながら公転する2話「ふたりの距離」を観ました。

TVerのお気に入り数が1話「最悪の出会い」を観た時は4.6万人だったんですけど、2話目を観た23日時点で5.7万人になってました。1週間で1.1万人増…!当たり前ながらドラマってすごい数の人が見てるんだなと。すごいことだ。

1話の感想は終始「貫一ってそんな奴じゃない!」とかばい続ける謎の擁護派レビューとなりました。今回はどうなるでしょう。前回同様、原作との違いと、思ったこと、3話目はどうなるか?って感じで感想を話していきます。

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原作と違う部分

わたしの気づいた限りですが。

  • バッティングセンターのところは、原作だと旅館
    マサルとのくだりは、原作では小旅行で那須の温泉旅館に行ったときのことでした。マサルは貫一に心酔してて、就職先も見つけてくださって!って都に話すんだけど、温泉旅館の仕事を見つけるのと、バッティングセンターとでは、着眼点違すぎないか…?と思ってしまいました。
    旅館のほうが、見つけてくださって!ってなる気がするんだよなあ。偏見か。でも、すごく慕ってたのはほんとです。ちなみに原作では貫一が被災地支援ボランティアに行ってたときに、マサルの家族と出会ったという感じでした。
    ドラマだと電車のホームに落ちたお父さんを助けて遠方の家まで送り届ける→マサルに出会う、だったので、なんとなくスケールが小さいところが目に付くのかもしれません。
    しかし真心のある親切な行動という点に違いはないんだ。後先考えず、力になれそうならなる。こういう貫一の素敵なところを表したシーンだということですね。
  • プレゼントがティファニー→スタージュエリー
    これはブランドイメージによるものだろうと思います。
    原作だと貫一はティファニーのオープンハートのネックレスをプレゼントして、都ははじめシンプルでかわいい、と思うんだけどよくよく調べたらバブルの時にブームになって、いまではダサいプレゼントの代名詞になっている…そして値段に驚愕、という展開になっています。
    これをドラマでやったらイメージダウンで大変なことになると思うので、納得です。
  • ガールズトークは、お店じゃなくて友人宅
    あとはそよかの素敵な彼氏を見かけるのも、原作ではまた別のシーンだったけど無理くり入ってましたね、あそこは詰め込んだ感がちょっとあったけど「羨ましい」を感じる大事なところなので、入れなければ!(何様なんだろう)
    ここの部分わたしすごく好きなのでまた後で話します。
  • ニャンとの再会のあたり
    都が絡まれる→そんなことわかってるよ!って大きな声でいう→ニャン君が駆け寄るシーン、あそこちょっと面白かったですね、3~4個くらいの部分をつぎはぎしたシーンでした。あれは初見の方にはどう映ったのだろう。

哀しいけど本当のところ

  • 貫一の財布がくたくたのバリバリ
    分かってたけど胸が痛かったのは、貫一の財布がかなり使い込んだマジックテープのバリバリいうやつだったこと。切なかったな…都のあっ…ていう顔も含めて、いたたまれない気持ちになりました。原作では財布の形状までは触れてなかったかな?と思うので、こういうことか…!!となりました。
    アウトドアとかファミレスとか適当な場所なら別にいいんだけど、しゃれたレストランでスーツ姿であれが出てきたらあっ…ってなっちゃうもんなんだな。そう思っちゃう自分もやだな。
  • 都のネックレスのくだり
    あそこで都から心が離れた視聴者は多いのではないでしょうか。哀しいかな、あれは原作に忠実でした。読者でも離れた人いると思う。
    もらった誕生日プレゼントが高額で、そんな金があるなら自分の身なりや生活環境をどうにかしろ!それはそうかもしれないけど、素敵な時間を過ごした後にあのやりとりはきつかった。よくあれで別れなかったなあ…と未だに感じます。
    それでも離れがたい二人の思いがあったのでしょう。

2話で印象的だったところ

ガールズトークで価値観をぶつけ合う友人たち

さっきも話したガールズトーク(って死語か?友人たちとの会話です)は、価値観が真逆な絵里(右)とそよか(左)が歯に衣着せず言い合うのがすごくよかったです。そよ素敵ですよね~、原作でもわたし好きで。
絵里は現実的で、これもまた大切な生き方なんです。つまりは2人とも、ちゃんと考えて、自分をもって生きているという事なんです。この友人たちが本当にいいんだ。
都もそれを聞いて、徐々に自分の内面と向き合う流れになっていきます。ドラマでもよかったけど、原作だとより深堀りしてあるので是非おすすめしたいところです。
ちなみに原作の友達の言葉で、わたしが好きな部分を抜粋して紹介します。

  • 絵里…ワーキングプア一歩手前の貫一は"なし!"と主張する
    「貧しいっていうのは、たとえばポケットの中にコインランドリーに行く小銭があっても、洗濯機は買えないような人のことを言うんだと私は思う。」山本文緒著「自転しながら公転する」より引用
    これ…めっちゃ分かりやすくてしんどい例えでした。まさにその通りだ。

  • そよか…都が何とかすればいいんじゃないか?と提案する

    「人にはいろんな事情や背景があって、たとえば家族の介護をしてたり、いろいろですよね。でも都さんの場合は、貫一さんに対して持ってる不安って経済的なことだけですよね。(中略)都さんがそれをカバーできる程度に収入を増やしたらどうでしょう。」
    山本文緒著「自転しながら公転する」より引用

これもまた正しくてしんどい。そよかのところはドラマでも言ってましたね。どちらの言う事も刺さります。ここのシーンはわたしにとっても大切です。

貫一が最後で語る姿の切なさよ

わたしの2話ハイライトは、ラストの貫一が語り始めるところです!ここも原作とはちょっと違くて、熱海旅行の時の話ではあるんですが。

うん、おみやがそんなことで差別するような人間じゃないってことくらい分かってる。そうじゃないんだよ。でも不安なんだろう?不安なのは耐えられないんだろ?育ちがいいっていうのはそういうことだって俺思うんだ。

山本文緒著「自転しながら公転する」より引用

くうう…何度聞いても、胸に迫るものがあります。

都と一緒にいたいけど、都の幸せを思うと自分と結婚するのはやめておいたほうがいいと思う。いつ会っても、これで最後かもと思いながら過ごしている。

普段自分を晒さない貫一から出た本音が、ストレートに突き刺さります。

貫一のこういうところがすごく…以下略(語り始めるとまた止まらなくなるのでやめます。詳しくは以下記事にて。)

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次は最終話!この長編をどう収めるのか!?次も観ます。

いよいよ次回の3話が最終回ですね。1話も2話も正直かなり展開が駆け足なんで、最後まで走り切る感じだと思います。

個人的には原作のプロローグ、エピローグ部分はさらうのか?気になります。あの仕掛けをしようと思うとより駆け足になるので、やめたほうが…と思うけど、なんとなく入ってる気がします。やってもやんなくてもごちゃごちゃ言われそうだし。

2話を見終わった時点で、レビューサイトでちょこちょこ感想を読み漁ってみました。「都最低」「最低だけどリアル」「気持ちわかる」だったり、「貫一が素敵」「品がある」「中卒は学歴じゃなくて環境がだめなんだ」など、本当さまざまで面白かったです。わたしは原作でもドラマでも都を深堀りしていないんですが(無性にしんどくなるから)、ちゃんと都に目を向けて叱るように、でも共感もしながら話している人がすごいな~と憧れました。

わたしはだらだらと思ったこと呟いているだけなので、一個人のアホなレビューだと思って適当に読み流してください(一部ボヤ騒ぎを目撃したため、すかさず逃げの発言)。それではまた3話で!

↓1話と3話(最終話)の感想はこちら

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