BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

2025思想会議~自己形成と作品形成を行き来する1年はじまる~

明けましておめでとうございます。連休になるとすぐ頭の中をこねくり回しはじめます。年末から読み返している2冊の本から考えたことを、休み中聞いてもらいましょう。こんなやつもいるんだなあと思っていただければ幸いです、今年もよろしくお願いいたします。

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2025年。私は今年を「目標」ではなく「思想」を定める1年としてはじめます。
どんな思想でやっていくか?2パターンの道があります。「自分を作るか」「作品を作るか」。昨年出会った本の中にある発想で、かれこれ半年くらい考えているんですが決まりそうで決まらない。結局、今日この記事を書くなかで、両方やってみることに決めました。

個性をあらわす二つの行き方

この本(名前を出さないのは、作品名をネット検索したら自分の記事ばかりになっていたため…)は、「内省」「思索」「自己形成」について、著者の見解が余すことなく記されている一冊で、私が知りたいことを、私に伝わる言葉で書いてあるありがたい本です。

(本の詳しい内容はこちらの記事を参照、今日は2章「検討」の話をします)

本の中では、独自の個性をあらわす二つの生き方として、「自己を教養すること」「作品を形成すること」をあげています。前者はさまざまな行為を通して、自分に宿る人間性を決定的な形に持っていくこと、後者は自分の人間性を誰にでも分かるように外側にあらわすことを指しています。行為を内的な世界で展開するか、外的世界に放出するか、真逆の方向性を持っています。

個性をあらわす2つの行き方
行き方 自己を教養する 作品をつくる(芸術家)
生き方 受容的(受け入れて、取り込む) 生産的(新しい思想が新しい作品に)
キーワード 協同 孤高
目的 宿っている人間性を見つめ決定的な形に持っていくこと 人間性を外側にあらわし誰にでも分かるようにすること

混同してはいけない…でもやってみたい

「二つを混同するとどの方面でも大した仕事はできない」と語っており、自己形成がテーマの本ですから、著者はもちろん自己教養の道を選んで展開していきます。内的世界と聞くと独りぼっちな気がしますが、他者と共同で進める側面もあるため、輪が広がり内面が大きく豊かになっていく感じです。
対して、作品形成(芸術家)のほうは孤高の存在で、自分の人間性を外に放出する感覚があります。身を削って表現しているようにみえてきます。

この本を読んだとき、著者への共感が強かったため自己教養を選ぼうと思っていました。しかし、美術・芸術に対して親しみがあるわたしにとっては、やっぱり作品を作るのはかなり魅力的です。それに、文章の中にも葛藤の痕を感じたんです。繰り返し読むうちに、著者はきっと、どっちもやってみてそのように決めたんじゃないか?わたしの答えはもしかしたら違うのかもしれないという思いが湧いてきました。

大したことをする必要はない、両方やってみよう

別に大したことをする必要もないわたしは、両方試してみてどちらがしっくりくるかを決めようと思います。
二つの行き方のうち、今はどちらの心持ちだろうか?見定めてからそれぞれを深める。具体的には、現実世界の日常では、周囲の人を巻き込みながら「自己形成」に努めます。同じ趣味・嗜好の人と話す時間を増やし、一緒に目的を成し遂げるために動きます。「作品形成」では、今わたしが見えている情景を他者にどうやって伝えるのかに興味があります。文章で、写真で、他にも思いつく限りの表現でやってみたいです。年間を通して二つの思想を行ったり来たりする回り道をしていきます。

どちらを選んでも、間違いではないと思います。もしかしたら選ばなくてもいいのかもしれません。自分がやってみて、しっくりくるものを選ぶことが大切です。思う存分、思想を検討する一年をはじめます。たくさんやったら、年末には定まっているでしょうか。何度も重ねるうちに景色が変わってくると思うので、腰を据えてやってみましょう。

いちいち考えを組み立てないといけないの、めんどくさいからやめたい。でも、わたしはこういうことを考えているのが好きみたいで…いや、この回路まるごとバグかもしれない。次回は自分の頭と体のバグ、分解の必要性などについて話す予定です。それが終わったらまた楽しくレビューし始めるので、今しばらく辛抱くださーい。