今週はそわそわしています。もう少ししたら春だもの、いろいろやりたいよな〜と細々準備しているところです。すでに頓挫したものもありますが、まあいいでしょう!いずれすべてつなげましょう。
さて、沼地のような性格のわたしですが、春を軽やかに走るため強制アップデートに取り組んでいます。意気込みでいえば洗濯機に入って脱水にかけるくらいのつもりなので、当然読書傾向も個性が強いものになりました。それでは紹介していきます。
- 2/16(日)〜1週間かけて 「顕神の夢展」図録
- 2/17(月)、18(火)いがらしみきお「誰でもないところからの眺め」
- 2/16(日)〜読み途中 佐藤正午「佐世保で考えたこと」
- 2/19(水)〜 彷書月刊2010年10月号「豆本型録」
- 価値観などそう簡単に変わるはずもなく
2/16(日)〜1週間かけて 「顕神の夢展」図録
2023年…一昨年行った展示の話をまだするやつ。多分、生涯レベルでトップクラスの展示だったと今でも思います。
「顕神の夢」展は、さまざまな分野の創作者たちが、見えないものを見ようとした痕跡を探る内容でした。苦しみ、悶え、時には本当に狂ってしまったりしながらも、かすかに見えたものを表現していく。その様子を「顕神の夢」と名付けて探っていきます。
私が行った時は図録が完売してて、しかし諦められず巡回先の愛媛の美術館に連絡して取り寄せたものです。
見えそうで見えないものへの渇望が、それぞれの活動の原動力となっている。
理由とか大義とかなく、無我であり夢中。作品を見てると、自分にもうっすら見えそうな気がしてくるから不思議です。こうして連鎖するものだとしたらいいな。
もう一回見たいと何度思ったことか…!あー、夢でもいいからまた行きたい。
2/17(月)、18(火)いがらしみきお「誰でもないところからの眺め」
東日本大震災から4年経ち、日常が戻りつつある人々の異変が描かれています。
ドッチボールで普段穏やかな人からものすごい変化球が飛んできたような、脳に汗をかく本でした。もちろん受けとめられるわけなく、外野から書いた感想が以下です。
読後は「言葉がなくなったら、私はいなくなるな」と腑に落ちました。だとしたら私とはどこに?そんなものはないのか。記憶と経験と情報とを組み合わせて、ジェンガ的絶妙なバランスで私は作られているのでしょう。
途中の展開で胸が疼くような気持ちになり、一旦やめようか迷ったけど、最後まで読んでよかった。読んだ人それぞれの受け止め方が気になる作品です。
2/16(日)〜読み途中 佐藤正午「佐世保で考えたこと」
週末に向けて1つ記事を書いていて、思い出して読んでいるもの。
佐世保で生活する小説家の日常を切り取ったエッセイなんですが、生きる温度、物事を捉える視点、話の持って行き方、どれも自分のとは全然違くて楽しい。
あ、そっちいくんですね?そこ、そんなふうに考えます?そうしてる間に終わっちゃいそうなので、ここからはうんとゆっくり読む。
2/19(水)〜 彷書月刊2010年10月号「豆本型録」
週の初めに飛ばしすぎて、価値観の大渋滞を起こしたため休憩。彷書月刊、15年前に休刊してしまった小冊子なのですが、気になる特集が多くて古本屋で見かけると買ってしまいます。
この号は、豆本愛好家たちの日常から作り方まで教えてくれるありがたい特集です。写真、文学、思い出など、個性が存分に出ているのがいい。私だったら何をつくろうか。材料はたくさん集めてあるのだから、春になったらといわず次の三連休で作ったらいいんだよなあ。
価値観などそう簡単に変わるはずもなく
薄々気づいてはいたんですが、どんなに刺激的な本を読んだって価値観は変わりません。読んで動いてみないと。ただ、きっかけはめちゃくちゃもらえます。
顕神の夢でいえば渇望。いがらしみきおなら自己認識。佐藤正午なら「それでもなお」。いま見えているものを伝える力が足りないなあ。確かにイメージが浮かんでいるんですが、言葉にするといまいち別のものに置きかわってしまいます。
気を取り直して、ここからどうするかが一番大事です。
はじめは小さなことから。ずっとつくってみたかった豆本を、まずは手を動かしてつくってみましょうか。春までに助走をつけるため!それでは、行ってきます。