BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

あの日の自分にも生をー星野智幸著「ひとでなし」感想・レビュー

星野智幸著「ひとでなし」を読んだ。北海道新聞、中日新聞、東京新聞、西日本新聞、神戸新聞に、2022年8月~2024年7月まで連載していたもの。連載していたことは知らず、書店の平積みで帯のコピー、目次、初めの1ページと読んだら主人公の人生が気になり、す…

文章と動画で二度味わう「小林賢太郎戯曲集(椿 鯨 雀)」

今日は小林賢太郎戯曲集(椿 鯨 雀)の話をしていく。この本はラーメンズ(小林賢太郎・片桐仁)が2001〜2002年にかけて劇場で上演した作品台本を文章化したもの。お笑いの人、コントの人、演劇の人、どれとも言えない独自の世界を表現している人たちだよな…

書きたいこと、書かなくていいこと

ここ数日、いろんな人といろんな場所に行ってきた。たくさんものを見て、言葉をやりとりして、イメージを受け取った。それらを書いてまとめたいと思いつつ、これは書かなくていいという結論に至ったので、その経緯を話してみようと思う。 受け取ったイメージ…

【2024体験レポ】神田古本まつり・神保町ブックフェスティバルで買ってきた本を紹介する

楽しみにしていた神田・神保町の古書街イベントに行ってきました!昨年は初めてだったこともあり人の波に翻弄されてまともに買い物できなかったけど、今年は乗りこなして欲しい本が買えました。逆に腕にあざができるほど買い込んだので、当日の様子とともに…

「私に読まれる本はかわいそうだ」から始まる、物語との向き合い方

自分でもよく分からないのだけど、唐突に「私に読まれる本はかわいそうだ」と思った。別に悲観的でもなくて、ただ冷静に、客観的にそう思った。 特に物語に対してだ。 自己啓発書、ビジネス書、そういうのを読むのと同じ感覚で読んでないか?何か自分に得る…

考えてもどうしようもない、その先にあるもの/今日のダーリン、星野智幸『ひとでなし』に触れて

昨日のほぼ日エッセイ・今日のダーリンで「考えても考えてもどうしようもない問題」について触れていた。ほぼ日刊イトイ新聞 - 昨日の「今日のダーリン」(毎日更新でバックナンバーは見れないため、2024/10/30の午前中くらいまで ↑ から読めます。) イトイ…

思いがけず表紙絵に出会うー春日井さゆり個展『最初に好きになったのは』に行った話

先日、イラストレーター・春日井さゆりさんの個展をたまたま見かけてじっくり味わうことができました。 思い出深い本の表紙絵が大きく飾られていたので、見た時は本当に驚いたなあ。今日は出会いの瞬間を、物語風(?)に紹介してみます。 ーー*ーーー*ー…

「さもしい」日々にさよならーシュライエルマッハー「独り思う」を読み返しながら

夏に読んでから、深く心に残っている言葉の話をする。 今これをやっておけば、あとからあれが出来ようなどという、さもしい根性を持つな。自由な精神よ、お前のうちに或るものを他のものに役立てようといったことを恥じるがよい。シュライエルマッハー「独り…

主人公と音楽と選択ー「10月1日では遅すぎる」個人的感想

フレッド・ホイル著「10月1日では遅すぎる」のレビューも3回目になった。流石にこれでおしまいにする。1回目はうっとりした読後感を話し、2回目は物語のテーマでもある「時間の感覚」について深堀りした。今日は最後に個人的な感想ということで、主人公と音…

2024秋、ダンダダンが面白い(アニメレビュー)

今期のアニメをいくつか見ていて、ハマっているのが「ダンダダン」だ。都市伝説(妖怪、UMA)、能力バトルとかいろんな要素が絡まり合って、でもキャラクターにまっすぐしたものがあって…そして勢いがすごい! 難しいこと何にも考えず(いや、そういう要素も…