BOOKS:LIMELIGHT

読んだ本を、感想とともに紹介していきます。

日常に、しょうもない議論を。ー川上弘美著「これでよろしくて?」レビュー

これでよろしくて? (中公文庫) 作者:川上弘美 中央公論新社 Amazon 川上弘美著「これでよろしくて?」を読んだ。主人公は38歳の専業主婦、菜月。夫の光と2人暮らしで、子供はいない。特に大きな不満もなく淡々と暮らしている中に一つの転機が訪れる。 商店…

仕切りと時間と時代とーフレッド・ホイル著「10月1日では遅すぎる」再読中

フレッド・ホイル著「10月1日では遅すぎる」を再読している。 この物語は、時間の感覚が不確かなものになった世界で、人類の行く先はどうなってしまうのか?その様子を主人公が奏でるピアノ曲が彩っていくような構成になっている。再読する中で、ほんの少し…

「写植時代」の本づくりを覗くー平野甲賀〔装丁〕術 好きな本のかたちーを読んで

「平野甲賀〔装丁〕術好きな本のかたち」を読んだ。フリーのブックデザイナーが一冊の本の装丁を仕上げるまでの様子が日常と共に記されている。 平野甲賀 装丁術―好きな本のかたち (シリーズ日常術) 作者:平野 甲賀 晶文社 Amazon 今みたいにPCソフトで編集…

ピアノと文章の心地よさーフレッド・ホイル著「10月1日では遅すぎる」読後感

先日のこと。お茶を飲みながらぼーっと本棚を見ていると、「10月1日では遅すぎる」という本が目に入った。 私の目の前にはいつも少しのSFがある 10月1日では遅すぎる (ハヤカワ文庫 SF 194) 作者:フレッド ホイル 早川書房 Amazon ちょうど9月が終わるとこ…

悩みの原因は「いじけ」?ーさいとうなおき動画で過去のつまづきに気付く

イラストレーターのさいとうなおきがやっているYouTubeを日常的に見ている。主に絵描きやクリエイターに対してのヒントを配信してくれているのだけど、ブログとか文章執筆に関してもためになる内容が多い。 今回は、何の気なしに見た「【絵に集中できない】…

内にも外にも世界が広がるー1年「ごぶんのよん」期の定点観測

1年は約52週間で終わります。2024年は「10週間×5期+ボーナスタイム(2週間と2日)」と割り振って生きてみたら楽しいかな~なんて考えて、実際にやっているところです。 1/1~3/10 3/11~5/19 5/20~7/28 7/29~10/6 10/7~12/15 12/16~12/31 ★ボーナスタイ…

忙しくても豊かに考える方法ー外山滋比古「こうやって、考える。」レビュー

今の職場は良くも悪くもコミュニケーションがないのが特徴なんだけど、めずらしく社内連携が増えててめちゃくちゃ疲弊している。土日もなんだかんだ人に会ったり宿題のようなことをやってるとあっという間に過ぎてしまい、思いを巡らせる時間がとれない。 し…

議論できる友情ートルストイ著「光あるうちに光の中を歩め」レビュー

レフ・二コラエヴィッチ・トルストイ著「光あるうち光の中を歩め」を読んだので、感想を話していく。 光あるうちに光の中を歩め (岩波文庫 赤 619-4) 作者:トルストイ,L.N. 岩波書店 Amazon あらすじ 一番に感じたのはもどかしさ 議論できる友情 2人共通の問…